手引きと召し
31.面接とカウンセリング


「31.面接とカウンセリング」『総合手引き—末日聖徒イエス・キリスト教会における奉仕』

「31.面接とカウンセリング『総合手引き』

31.

面接とカウンセリング

31.1

面接

ステーク会長とビショップは,それぞれ「イスラエルの判士」です(教義と聖約107:72)。この権能によって,ふさわしさの面接や神権面接を行います。また,これらの面接を行うときに主を代表します。したがって,会員を祝福し,彼らがイエス・キリストの福音を実践するのを助けるように努めるべきです。

31.1.1

ふさわしさの面接に関する一般的な指示

ステーク会長,ビショップ,および彼らの顧問(権限を与えられた場合)は,本セクションに概説されているふさわしさに関する面接を行います。彼らはこれらの面接の間,御霊の導きを受けられるように霊的に備えるべきです。また,識別の力を求めるべきです。この力は霊的な賜物であり,会員の必要だけでなく,真理を識別するのに役立ちます(教義と聖約46:27-28参照)。

ふさわしさの面接は個人的に行うべきものです。しかし,面接を受ける人は,別の成人に同席を依頼することができます。

ふさわしさの面接では,注意深く耳を傾けることが大切です。ステーク会長会やビショップリックの一員は,面接の相手に十分な,心からの関心を払うべきです。また,会員が尋ねられている質問を理解していることを確認します。面接は十分に時間を取って,急がずに威厳をもって行います。

31.1.2

神権面接に関する一般的な指示

ステーク会長,ビショップ,および彼らの顧問は,自分に報告義務のある神権指導者と定期的に面接を行います。この面接の目的の一つは,その指導者の責任について報告を受けることです。もう一つの目的は,その指導者が目標を設定し,それを達成するための計画を立てるのを助けることです。該当する場合,予算と支出についてもこれらの面接で検討します。

神権面接を行う人は,指導者が召しを果たせるように指示を与え,励まし,霊感を与えるべきです。また,感謝の気持ちを伝え,個人と家族の生活においてその指導者を強めるべきです。

31.1.3

ステーク会長が行う面接

ステーク会長は,ステークの会員に対して以下の面接を行います。

  • 自身のエンダウメントを受ける人や,神殿で結婚または結び固めをする人の神殿推薦状の面接(26.3.1参照)。

  • 専任宣教師の推薦のための面接(24.4.2参照)。

  • 帰還した専任宣教師の解任の面接(24.8.2参照)。

  • 承認を受けている場合,ステーク会長会の顧問,祝福師,ビショップとして奉仕する人の召しの面接。

  • 長老定員会会長,ステーク扶助協会会長,ステーク書記として奉仕する人の召しの面接。

  • 会員が重大な罪を悔い改められるように助けるための面接。(第32章参照)。

ステーク会長はまた,各ビショップを定期的に面接して,励ましと指導を与えます。また,少なくとも年に2回,ステーク祝福師と面接を行います(6.6.4参照)。

31.1.4

ステーク会長または割り当てを受けた顧問が行う面接

ステーク会長または割り当てを受けた顧問は,ステークの会員と以下の面接を行います。次のいずれかの目的で面接を行う前に,ステーク会長会の一員は,本人がビショップまたは割り当てを受けたビショップリックの顧問から,面接あるいは承認を受けていることを確認します。

  • 神殿推薦状の更新の面接(26.3.1参照)。

  • 長老および大祭司の職への聖任の面接(38.2.5.1参照)。

  • 30.8に記載されている教会の職で奉仕する人の召しの面接。

  • 教会の総合大学または単科大学に入学する人の推薦の面接(15.3参照)。

  • 永代教育基金ローンプログラムが承認されている地域では,そのプログラムに参加する人の推薦の面接(22.13参照)。

ステーク会長会の顧問は面接中に,告白を必要とする罪などの重大な問題が明らかになった場合,速やかにその会員をビショップに紹介します。

31.1.5

ビショップが行う面接

ビショップは,ワードの会員に対して以下の面接を行います。

  • 自身のエンダウメントを受ける人や,神殿で結婚または結び固めをする人の神殿推薦状の面接(26.3.1参照)。

  • 新しい改宗者のための限定推薦状の面接(26.4.2を参照)。

  • 宣教師志願者の推薦のための面接(24.4.2参照)。

  • ステーク会長会から権限を与えられた場合,長老および大祭司の職への聖任の面接(38.2.5.1参照)。

  • 年に一度の什分の一面接(34.4.1.5参照)。

  • ワードの組織の会長として奉仕する人の召しの面接。

  • 祭司の職への聖任の面接(38.2.5.2参照)。

  • 男性改宗者をアロン神権の職に聖任するための面接(38.2.5.2参照)。

  • 祭司定員会における補佐として奉仕する人の召しの面接。

  • 青少年の面接(31.1.7参照)。

  • 断食献金の援助のための面接(22.2.2参照)。

  • 教会の総合大学または単科大学に入学もしくは引き続き在学する人の推薦の面接(15.3参照)。

  • 会員が重大な罪を悔い改められるように助けるための面接。(第32章参照)。

ビショップはまた,長老定員会会長ならびに扶助協会会長と個別に,また一緒に,定期的に会合を持ちます(8.3.1および9.3.1参照)。

31.1.6

ビショップまたは割り当てを受けた顧問が行う面接

ビショップまたは割り当てを受けた顧問は,ワードの会員と以下の面接を行います。これらの面接において,純潔やそれに関連する道徳的な問題,その他の重大な罪については,ビショップのみが対応します。顧問が,告白を必要とする罪などの重大な問題に直面した場合,速やかにその会員をビショップに紹介します。

  • 神殿推薦状と限定推薦状の更新の面接(26.326.426.5参照)。

  • 30.8.1に記載されている教会の職で奉仕する人の召しの面接。

  • 記録上の会員である8歳の子供,または記録上の会員ではないが,少なくとも親の一方または保護者が会員である8歳の子供のバプテスマと確認の面接(38.2.3.3参照)。

  • 執事定員会の会長,顧問,書記,教師定員会の会長,顧問,書記,祭司定員会の書記,若い女性クラスの会長,顧問,書記として奉仕する人の召しの面接。ただし,執事定員会会長と教師定員会会長を任命できるのは,ビショップだけです。

  • 初等協会から移行する11歳の子供の面接。この面接の際,ビショップまたは割り当てを受けた顧問は,少年たちがアロン神権を受けるにふさわしく,準備ができているかどうか判断するための面接もします。少女たちには,若い女性プログラムに進級する準備について面接します。

  • 執事と教師の職への聖任の面接(38.2.5.2参照)。

  • 青少年とヤングシングルアダルトの面接(31.1.7および31.1.8参照)。

  • 祝福師の祝福を受けるための面接(38.2.12参照)。

  • ほかのワードで神権の儀式に執行者として参加することを希望しているが,神殿推薦状を持っていない神権者の面接。その人がふさわしければ,ビショップリックの一員は,「儀式執行推薦状」に必要事項を記入して署名します。

  • これから軍務に就く会員の面接(38.9.2参照)。

  • 永代教育基金ローンプログラムが承認されている地域では,そのプログラムに参加する人の推薦の面接(22.13参照)。

31.1.7

青少年の面接に関する指針

31.1.7.1

親の役割

子供たちにイエス・キリストの福音を教える主要な責任は,親にあります。親は,子供が霊的に成長し,神聖な聖約を交わして守る備えをするのを助けます。また,ふさわしさについて子供と話し合い,子供が悔い改め,改善できるように助けます。ビショップをはじめとする教会の指導者は,こうした取り組みにおいて親を支援します。

31.1.7.2

ビショップが面接に関して伝える事柄

若い女性が「若い女性」という組織の一員となる備えをし,若い男性がアロン神権を受ける備えをする際,ビショップは青少年とその親に,面接に関して以下の情報を伝えます。ビショップは,年に一度の神殿および神権準備集会の一環として,あるいは必要に応じてほかの機会に,これを伝えることができます。

  • 子供たちを教え養う主要な責任は,親にある。

  • ビショップまたは顧問の一人は,31.1.7.3に概説されている理由により,少なくとも年に2回,若い男性または若い女性と面接する。ビショップリックの一員は,疑問に答え,支援し,割り当てを与える目的で,青少年と会合を持つこともできる。

  • 青少年が霊的に備えるのを助けるために,神殿推薦状,神権の聖任,伝道の召しといった神聖な事柄には,面接が求められる。指導者は親と協力して,青少年がこのような面接に備えるのを助ける。

  • 親は,子供が霊的な導きや悔い改めについてビショップの助けを必要とするときに,ビショップと面談するように勧める。

  • 青少年は,本人が望むならば,ビショップや顧問と面談する際に,親またはほかの成人に同席してもらうことができる。

31.1.7.3

面接の目的

ビショップとその顧問には,青少年を導き,教え,霊的に鼓舞するという神聖な責任があります。効果的な個人面接は,これを行う重要な方法の一つです。このような面接の際,ビショップとその顧問は,救い主の弟子となることについて青少年に教えます。また,青少年が救い主とその教えにどの程度従っているか自分でよく考えるように助けます。面接は,相手を霊的に高める経験にするべきです。

面接は,青少年が持つ,神の子としての無限の可能性を再認識する機会となります。面接はまた,さらに天の御父に近づき,生活のあらゆる面で向上していくための計画を立てるように青少年を鼓舞する機会にもなります。

救い主の代表者であるビショップは,神から召されたイスラエルの判士です。この役割において,ビショップは面接を行う際,ふさわしさを見極め,青少年が罪を悔い改められるように助けを与えます。

面接を行う人は,愛を伝え,注意深く耳を傾けます。自分の話にほとんどの時間を費やすのでなく,話をするように青少年を励まします。

31.1.7.4

面接の頻度

ビショップは少なくとも年に一度,若い男性および若い女性一人一人と面接を行います。可能であれば,16歳と17歳の青少年には年に二度面接します。それが難しければ,これらの面接の一部を顧問に割り当てます。

ビショップとの年に一度の面接の後,11歳から15歳までの若い男性と若い女性は通常,その年の別の時期に,各自が参加しているアロン神権定員会または若い女性のクラスを監督するビショップリックの顧問からそれぞれ面接を受けます。

ビショップは,霊感と知恵に基づいて,これらの面接の頻度を調整することができます。もっと関心を寄せる必要がある青少年もいれば,提案された面接の頻度よりも少なくても良い青少年もいますが,すべての青少年を少なくとも年に一度は面接するべきです。また,ワードの規模や地理的条件,スケジュール,その他の状況によって,面接の頻度が異なる場合があります。

31.1.7.5

話し合う内容

面接ではおもに,天の御父,イエス・キリストの使命と贖罪,回復された福音に対する青少年の証がどれほど増したかなどについて話し合います。ビショップとその顧問は,バプテスマの聖約を守ることの重要性を強調します。また,日々義にかなった生活を送ることにより,神殿の聖約を交わして守るための備えをするように青少年を教えます。ビショップリックの一員は,個人で,また家族で,定期的に祈り,聖文を研究するように青少年を励まします。また,親との間に親しい関係を保つように青少年を励まします。

戒めに対する従順について話し合う際,ビショップと顧問は,限定推薦状のための面接の質問と,『若人の強さのために』で述べられている標準と説明を適切に用います。指導者は,青少年の理解度や質問に合わせて話し合いの内容を調整します。指導者は,道徳的な清さに関する話し合いが好奇心をそそったり,体験を促したりすることのないようにします。

ビショップと顧問は,以下に挙げられている事柄について話すこともできます。

神権の聖任。アロン神権を持つことの祝福と義務について若い男性と話し合います(教義と聖約20:46-6084:31-48;このテーマに関する最近の総大会の説教;10.1.110.1.2参照)。

セミナリー。セミナリーに該当する年齢の青少年に対して,定期的なセミナリーへの出席を促し,定期的な出席からもたらされる祝福を強調します。

伝道活動。専任宣教師として奉仕できるよう若い男性を備えることに特別な注意を向けます(24.4.2参照)。若い男性は専任宣教師として奉仕するよう勧められており,若い女性は本人が希望すれば,奉仕するための推薦を受けることができます(24.0参照)。ふさわしさを保ち,聖文を研究し,証を築くことによって霊的に備えることについて話し合います。また,身体的,精神的,情緒的,経済的に備えることについても話し合います。

専任宣教師志願者のための面接の質問は,ChurchofJesusChrist.org/mssから入手できます。ビショップは伝道の面接の前に,志願者とその親とともにこの質問事項を確認します。

ビショップリックの一員は,専任宣教師としての奉仕を免除される状況にある若い男性に特別な配慮を示すべきです(24.3.3参照)。ビショップは,該当する場合,奉仕宣教師の機会について若い男性や若い女性と話し合います(24.2.2参照)。

神殿。ビショップリックの一員は,青少年が神殿の聖約と神殿結婚によってもたらされる祝福について,またこれらの祝福にあずかるための条件について理解できるようにします。神殿推薦状の発行や更新を行う際には,通常の限定神殿推薦状の質問をします。必要に応じて,青少年の年齢や状況に合わせて質問をします。

31.1.8

ヤングシングルアダルトの面接

ビショップまたは割り当てを受けた顧問は,ヤングシングルアダルト一人一人と面接します。この面接は通常,年に一度行います。しかし,ビショップリックは,霊感と知恵に基づいて,これらの面接の頻度を調整することができます。

31.1.9

バプテスマと確認により再加入する人の面接

教会会員資格を取り消された人や放棄した人が,バプテスマと確認により再加入することを望む場合の面接に関する指示については,32.16.2を参照してください。

31.2

カウンセリング

31.2.1

一般的な指針

ステーク会長とビショップは,ステークやワードの霊的な導きを求めている会員,個人的な問題に思い悩む会員,教義上の疑問を抱えている会員,重大な罪を犯した会員に対して,カウンセリングを行います。ステーク会長とビショップは,会員が重大な罪を犯した場合を除き,このカウンセリングの一部を顧問に委任することができます。家族が経済的に困っている場合など,適切であれば,ビショップやステーク会長は,援助を与える資格のあるメルキゼデク神権者に,カウンセリングの一部を委任することもできます。ビショップまたはステーク会長から会員とのカウンセリングを割り当てられた人は,その割り当てを行った指導者に定期的に報告します。その人も守秘義務を守ります。

教会員は,自分で解決策や答えを見いだすために,真剣な祈りや聖文の研究を含め,熱心に努力をするべきです。それでもなお助けが必要であれば,まずビショップに相談するべきです。必要であれば,ビショップは,その会員がステーク会長に会えるようにします。地元の指導者は,教会員が個人的な事柄について,教会本部に電話や手紙で,あるいは訪問して問い合わせるのを思いとどまるように勧めるべきです(38.8.26参照)。

ステーク会長とビショップには,そのような助けを必要としているワードの会員に対して,霊的な面での助言者となり,物質的な面での相談役となるために欠かせない識別の力と霊感を受ける権利が与えられています。ステーク会長とビショップは,会員にカウンセリングを行う前に,識別の力と御霊の導きを求めることによって自らを霊的に備えるべきです。御霊の導きは通常,印象や思い,感情という形で与えられます。御霊はしばしば,聖文や末日の預言者の教えを思い起こすように指導者を促します。

指導者は,助言を与える際に,聖文と末日の預言者の言葉を頻繁に用いるべきです。これらの霊感に満ちた言葉は,細心の注意を払いながら,愛と思いやりをもって用いるべきです。これらの言葉は,強要したり,恐れを抱かせたりするためでなく,霊感と励ましを与えるために用いるべきです。

指導者は,約束のために十分な時間を割くべきです。指導者は,忙しすぎて数分しか時間を割けないと,会員に感じさせることのないようにするべきです。また,指導者は,約束の時間が始まったら,会員がくつろいだ気持ちを感じるように努めるべきです。

ステーク会長やビショップは,会員にカウンセリングを行う準備ができていないと感じたら,別の日時に予定を組みます。それまでにステーク会長やビショップは,研究と祈りにより,また必要であれば断食をして導きを求めます。自分の神権指導者に相談することもできます。

31.2.2

霊的な自立

指導者は,霊的な自立を図るように会員に勧めます。指導者は,カウンセリングの相手に代わって結論を出すことは避けます。そうではなく,会員自身が主の導きを受けて自分で決断が下せるように助けます。

また,ステーク会長やビショップは,カウンセリングの相手に直ちに解決策を提案することも避けるべきです。可能なかぎり,本人が福音の教義と救いの計画に照らして自分自身の問題や疑問を分析し,解決できるように助けます。理想的なのは,自分自身で聖文から解決策と力を見いだす方法を会員に教えることです。

31.2.3

質問し,耳を傾ける

カウンセリングでは,ステーク会長やビショップは,会員の状況を理解するのに役立つ質問をします。不必要な詮索は避けるようにします。通常は,「はい」や「いいえ」で答える質問ではなく,感じていることや思っていることを引き出すような質問をします。時間のほとんどは会員が話すようにするべきです。

会員が話をしている間,ステーク会長やビショップは,全神経を集中して注意深く耳を傾けます。耳を傾けることは,信用を得て,信頼関係を確立するのにきわめて重要です。人々はチャレンジや問題に立ち向かうとき,多くの場合,自分の話を聞いてくれる信頼できる人を必要とするものです。

31.2.4

悔い改めと誘惑への抵抗

会員が重大な罪を犯した場合,ステーク会長やビショップは,毅然とした態度を執りながらも愛を込めて,その人が悔い改められるように助けます。また,悔い改めには,イエス・キリストを信じる信仰を働かせること,打ち砕かれた心と悔いる霊を持つこと,罪を認めて捨てること,赦しを求めること,償うこと,そして新たな決意をもって戒めを守ることが含まれることを教えます。さらに,必要に応じて,教会員としての特権の一部を略式で制限します。ステーク会長やビショップは,教会会員資格評議会を開く必要がある状況と,そのための手続きに精通しておくべきです(第32章参照)。

会員にカウンセリングを行うとき,指導者は,誘惑に抵抗するための予防的な措置を会員が講じられるように助けます。例えば,交際中の会員や,結婚生活に問題を抱えている会員,別居あるいは離婚した会員,重大ではないが道徳的な問題で悩んでいる会員は,罪を犯さないように助けることを意図したカウンセリングにより,守られ,強められます。管理役員は,会員からそのような助けを求められるのを待つ必要はなく,会員を招いてカウンセリングを行うことができます。

31.2.5

結婚,離婚,別居

いかなる神権役員も,特定の相手と結婚するように勧めてはなりません。また,配偶者と離婚するように勧めるべきではありません。このような決断は,終始一貫して本人が行わなければなりません。

結婚が離婚で終わるとき,あるいは夫婦が別居するときは,必ず教会指導者からカウンセリングを受けるべきです。離婚や別居に関連して重大な罪を犯していれば,教会会員資格評議会が必要になる場合があります(第32章参照)。

配偶者と別居している会員や離婚の手続きを進めている会員には,法律に基づいて離婚が確定するまで,デートをしないように助言するべきです。

31.2.6

専門家によるカウンセリングとセラピー

会員は,ビショップやビショップが委任した人々の霊感を受けた援助に加えて,利用できる場合,適切な専門家によるカウンセリングから助けを得ることができます。このカウンセリングやセラピーは,会員が人生における試練について理解し,健全な方法で対処する助けとなります。

精神的に自立する助けとなる洞察やスキルを得るために専門のカウンセラーと会うことは,決して弱さのしるしではありません。むしろ,謙遜と強さのしるしとなり得ます。

会員は,適切な資格を有する信頼できる専門のカウンセラーを慎重に選ぶべきです。カウンセラーは,助けを求める人々の選択の自由や価値観,信念を尊重するべきです。専門的なカウンセリングにおいて,こうした価値観を取り入れることは倫理的に適切なことです。

教会は,性的指向や性同一性に対する転向療法や修復療法を含め,人々を虐待行為にさらすようないかなる治療法にも反対しています(「同性に引かれる性質」と「トランスジェンダーの個人」を参照)。

アメリカ合衆国とカナダでは,ビショップやステーク会長はファミリーサービスに連絡して,福音の原則に調和した専門的なカウンセリングを提供してくれるリソースを見つけることができます。連絡先は以下のとおりです。

1-801-240-1711

1-800-453-3860(内線:2-1711)

FamilyServices.ChurchofJesusChrist.org

その他の地域では,指導者は,エリアオフィスのファミリーサービスのスタッフや福祉・自立マネージャーに相談することができます。

会員が,専門家によるカウンセリングを受けるための費用を自分で,あるいは保険で支払うことができない場合,ビショップには,断食献金を用いて支払いを援助するという選択肢があります。教会による援助を提供する際の原則については,22.4を参照してください。

31.2.7

神権の祝福

ステーク会長やビショップは,カウンセリングを受けている会員が心から望むならば,神権の祝福を与えることができます。

31.3

秘密を守る

召しを受けて奉仕している間も解任された後も,指導者は,面接やカウンセリングで話し合った事柄について秘密を守らなければなりません。秘密を漏らすと,信頼と証と信仰を損なう可能性があります。指導者は,面接やカウンセリングの相手から承諾を得ないかぎり,自分の顧問や妻を含むほかの人々と,内密事項について話し合ってはなりません。

ビショップリックまたはステーク会長会の顧問は,ビショップまたはステーク会長と話し合う必要のある事項が出てきたら,会員にそのことを説明し,速やかにビショップまたはステーク会長と話せるように手配します。

会員が別のワードまたはステークに転出する場合,元のユニットの管理役員は,会員資格への措置や保留中のその他の重大な懸念事項について,転出先の管理役員に知らせる必要があるかもしれません(32.4.4も参照)。そのような行為は,守秘義務の違反とは見なされません。ただし,管理役員は,解決済みの罪についての情報を伝えるべきではありません。

31.4

誤解から身を守る

ビショップリックやステーク会長会の一員,あるいは割り当てを受けた指導者は,子供や青少年,女性に会うときは,親や別の成人に,隣室,ロビー,またはホールにいてもらうように依頼するべきです。面接を受ける人が望むならば,面接の間,別の成人に同席してもらうことができます。指導者は,誤解を招く可能性のあるあらゆる状況を避けるべきです。

31.5

虐待への対応

神権指導者は,面接やカウンセリングをしているときに,子供や配偶者,その他の人が虐待されている事実に気づくことがあるかもしれません。いかなる形であれ,虐待を容認することはできません。虐待の報告と対応に関する指針は,38.6.2.1に記載されています。

強姦などの性的暴行の被害者へのカウンセリングについて詳しくは,38.6.18.2を参照してください。

印刷