「6.ステークにおけるリーダーシップ」『総合手引き—末日聖徒イエス・キリスト教会における奉仕』(2024年)
「6.ステークにおけるリーダーシップ」『総合手引き』
6.
ステークにおけるリーダーシップ
6.1
ステークの目的
イザヤは末日のシオンを,杭(ステーク)で固定した天幕または幕屋として表現しました(イザヤ33:20;54:2参照)。今日,教会はステークに組織されています。各ステークは複数のワードで構成され,ステーク会長によって導かれます。
主は,御自分の民の「集合」のために,また世からの「防御のためとなり,また……避け所となるため」にステークを設置されます(教義と聖約115:6)。ステークの会員と指導者は,神の救いと昇栄の業に携わるために協力して働きます(1.2参照)。
6.2
ステーク会長会
ステーク会長は,ステーク内の教会の業を導く神権の鍵を持っています(3.4.1参照)。ステーク会長と顧問が,ステーク会長会を構成します。ステーク会長会は,愛をもってステークの会員の世話をし,会員がイエス・キリストの真の弟子となるよう助けます。
ステーク会長には,以下の4つの主要な責任があります。
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ステークにおける管理大祭司である。
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ステークにおける神の救いと昇栄の業を導く。
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一般判士である。
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記録,財政,資産を監督する。
ステーク会長は神権の鍵を持っているので,ステーク会長にしか果たせない責任が幾つかあります。ステーク会長がそれらの責任を果たせない場合,本手引きに記載された例外を除き,顧問がステーク会長の代理を務めることができます。顧問がステーク会長の代理を務めることに関して質問がある場合,ステーク会長または顧問が地域会長会に相談します。
ステーク会長は,多くの割り当てをほかの人々に委任します。その中には,自分の顧問や高等評議員,ステークの組織の指導者,ステーク幹部書記,ステーク書記,ステーク書記補佐などがいます。
6.2.1
管理大祭司
ステーク会長は,ステークの主要な霊的指導者です。ステーク会長は,「聖い心で」主の業を行うことにより,ステークに模範を示します(モーサヤ18:12)。ステーク会長は,人々を教え,高めます。
ステーク会長は,イエス・キリストの忠実な弟子です。自分の交わした聖約に忠実です。ステーク会長は,妻や家族に対して誠実です。自分の家族やステーク,地域社会に義の模範を示します。ステーク会長の顧問も,同様の人格を備えています。
ステーク会長は,ステーク内のビショップやほかの指導者に導きを与えます。
6.2.1.1
メルキゼデク神権
ステーク会長会は,ステーク内のすべてのメルキゼデク神権者を管理します。
ステーク大祭司定員会。ステーク会長は,ステーク大祭司定員会の会長です。ステーク会長と顧問が,この定員会の会長会を務めます。ステーク大祭司定員会は,会長会のほか,以下の大祭司で構成されます。
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ビショップおよび顧問
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高等評議員
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現職の祝福師
ほかに割り当てを受けていない場合,大祭司定員会の会員は,自分のワードの長老定員会集会に出席します。
長老定員会。ステーク会長会は,長老定員会に対して責任を負っています(8.3.3.1参照)。
メルキゼデク神権の聖任。ステーク会長は,メルキゼデク神権の授与を監督します。また,長老および大祭司の職への聖任も監督します(18.10.4参照)。
6.2.1.2
ビショップリック
ステーク会長は,新しいビショップが召されたらすぐに,そのビショップと面談して指導を与えます。また,定期的な面接や集会,その他の機会に,引き続きビショップに指導と励ましを与えます。
ステーク会長会の各員は,アロン神権者と若い女性に対する責任について,ビショップリックを指導します。
6.2.1.3
ステーク祝福師
ステーク会長は,ステーク祝福師の働きを監督します。そして,ステーク祝福師と親しい関係を築きます。ステーク祝福師の召しと管理について詳しくは,6.6を参照してください。
6.2.1.4
評議会,委員会,集会
ステーク会長は,高等評議会とステーク評議会を導きます。また,ステーク成人指導者委員会を導きます(29.3.8参照)。ステーク会長は顧問に,以下を監督する割り当てを与えます。
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ステーク青少年指導者委員会(29.3.9参照)
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ステークヤングシングルアダルト委員会
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ステークシングルアダルト委員会(組織されている地域)
各ステーク会長は,調整評議会の一員です(29.4参照)。
ステーク会長会は,29.3に記載されているステークの集会を計画します。ステークの集会は,中央幹部や地域七十人が出席している場合を除き,ステーク会長が管理します。会長の顧問は,これらの集会の司会を行うことができます。ステーク会長が不在の場合,顧問がこれらの集会を管理することもできます。
6.2.1.5
召しと解任
召しと解任に関するステーク会長の責任は,第30章で概説されています。ステーク会長は,30.7に概説されているように,召しや解任の手続きを顧問や高等評議員に割り当てることができます。以下の召しについては,ステーク会長自身が行います。一部の召しについては,記載されているように,まず承認を得なければなりません。
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ステーク会長会の顧問。新しいステーク会長が召されたら,管理する中央幹部または地域七十人は,新しいステーク会長から推薦された顧問を召し,任命を行います。既存のステーク会長会の顧問の一人を解任したり,召したりする必要がある場合,ステーク会長は,「指導者と書記のためのリソース」(LCR)を通して推薦を提出します。ステーク会長は,大管長会から承認を受けた後に,顧問を面接し,召しと任命,あるいは解任を行うことができます。
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ステーク祝福師。ステーク会長は,十二使徒定員会から承認を受けた後に,祝福師を面接し,召し,聖任することができます。6.6.1を参照してください。
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ビショップ。ステーク会長は,ビショップとして召す兄弟を推薦します。また,ビショップの解任も推薦します。ステーク会長は,LCRを通して推薦を提出します。ステーク会長は,大管長会から承認を受けた後に,ビショップの召しと聖任と任命,またはビショップの解任を行うことができます。ステーク会長はまた,この召しに伴う神権の鍵も授けます。30.7を参照してください。
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長老定員会会長。ステーク会長は,長老定員会会長を召して,任命します。ステーク会長はまず,ビショップに相談します。ステーク会長はまた,この召しに伴う神権の鍵も授けます。8.3.3.1を参照してください。
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ステーク扶助協会会長。ステーク会長は,ステーク扶助協会会長を召して,任命します。
LCRを使用できないステーク会長は,必要に応じて,推薦を行うためにエリアオフィスに連絡するべきです。
6.2.1.6
ステークの組織とプログラム
ステーク会長は,ステーク扶助協会に対して責任を負っています。ステーク会長は,ステークの若い男性,若い女性,初等協会,日曜学校の各組織に対する責任を顧問に割り当てます。
ステーク会長会の各員は,割り当てられた組織の会長会と定期的に集会を持ちます。これらの集会では,以下を行います。
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会長会が自らの責任を確実に理解する。
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組織の指導者が必要としている事柄について評議する。
ステークの組織で新たな会長会が召された場合,ステーク会長会は奉仕の方向性を示すため,新たな会長会に考えやビジョンを伝えます。
アメリカとカナダでは,新しい組織の会長会は,中央組織評議会からオリエンテーションを受けることもできます(5.1.2参照)。その他の地域では,新しい会長会は,地域組織アドバイザーからオリエンテーションを受けることもできます(5.2.5.1参照)。このオリエンテーションは,ステーク会長会の指示の下で行い,ステーク会長会の一員または割り当てを受けた高等評議員が参加します。
ステーク会長はまた,必要に応じて,ステークのプログラムを監督する割り当てを顧問に与えます。これには,以下が含まれます。
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セミナリーとインスティテュート(第15章参照)。
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ヤングシングルアダルトとシングルアダルトのためのプログラム(14.1.1参照)。
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ステークの活動(20.3.2参照)。
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音楽(19.5参照)。
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集会所の施設(35.2.4参照)。
ステーク会長会の各員は,自分が割り当てを受けているプログラムの委員会,高等評議員,スペシャリストと定期的に集会を持ちます。
6.2.1.7
コミュニケーション(広報)
ステーク会長会は,ステーク内の広報活動を指揮します。ステーク会長会の各員は,地域社会において教会が高い評価を受けられるようにする主要な責任を負っています。また,市民団体や地域社会の指導者と良い関係を築くように努めます。
ステーク会長は,教会の主要なスポークスマンであり,ステークに関する事柄について報道機関に対応します。ステーク会長は,必要に応じて,この役割を委任することができます。
ステーク会長または割り当てを受けた顧問は,ステークのコミュニケーション評議会を組織し,監督することができます。この評議会は,教会の指導者が,市民団体や地域社会の指導者との関係を築くことができるように支援します。また,これらの指導者が教会員や一般の人々と効果的にコミュニケーションをとることができるように支援します。
コミュニケーション評議会には,必要に応じて,ステークコミュニケーション・ディレクター,ディレクター補佐,スペシャリストを含めることができます。これらの人々は,ステーク会長または割り当てを受けた顧問や高等評議員によって召され,任命されます。
また,調整評議会レベルにも,コミュニケーション評議会が存在します(29.4参照)。この評議会は,地域七十人の指示の下に,コミュニケーション・ディレクターが中心となって運営します。このコミュニケーション評議会は,ステークの境界線を越えた事例や行事,問題などの調整を助けます。この評議会のディレクターは,ステークのコミュニケーション評議会を支援し,訓練します。
ユタ地域では,コミュニケーション評議会の組織が異なります。ユタ地域の地域七十人はステーク会長に,この組織について詳しく説明することができます。
コミュニケーション関連の召しについて詳しくは,GCN.ChurchofJesusChrist.orgを参照してください。
6.2.2
ステークにおける神の救いと昇栄の業を導く
ステーク会長は,ステークにおける神の救いと昇栄の業を導きます(第1章参照)。ステーク会長は,この業に携わるステークやワードの指導者と会員に対して,指導と励ましを与えます。顧問とその他の指導者は,ステーク会長を補佐します。
ステーク会長は,会員が福音に従って生活し,霊的な強さを増すことができるように支援します。ステーク会長は会員に,祈りと聖文研究を行うように教えます。また,救いと昇栄の儀式を受けるときに交わす聖約について教えます。ステーク会長は,各自が交わした聖約を守るように会員を励まします。
ステーク会長は,家族を強めます。そして,家庭の夕べで行うことも含めて,家族の祈りや福音学習を行うように励まします。ステーク会長は,家族への責任を損なわずに教会の召しを果たせることを,言葉と模範によって教えます。また,教会の活動が,義にかなった方法で子供たちを育てる親の努力を支えるようにします。
ステーク会長は,会員が福音に従って生活できるように助けるだけでなく,ステークにおける神の救いと昇栄の業のほかの側面についても監督します。以下は,その例です。
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メルキゼデク神権を受ける備えができるように兄弟たちを助ける(18.10.1参照)。
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ステーク内の助けを必要とする人々の世話をする活動を指揮する(22.9.1参照)。
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ステーク内の伝道活動を監督し,福音を分かち合うように会員を励ます(23.5参照)。
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ステーク内の新会員を強めるための取り組みを監督する(23.5参照)。
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宣教師として奉仕する候補者を面接する(24.4.2参照)。
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ステークにおける神殿・家族歴史活動を監督する(25.3.1参照)。
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神殿の儀式を受ける備えができるように会員を助ける(27.1参照)。
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ステーク扶助協会会長会とともに,伝道活動(23.6.2参照)と神殿・家族歴史活動に対する責任について,長老定員会とワード扶助協会の会長会を指導し,支援する(25.2.2参照)。
6.2.3
一般判士
ステーク会長は,ステークにおける一般判士です(教義と聖約107:71-74参照)。ステーク会長は,ステークの会員の霊的および物質的な福利に関して霊感を受け,決定を下す神権の鍵を持っています。この役割において,ステーク会長には以下の責任があります。
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31.2で概説されているように,面接を実施する。ステーク会長は顧問に,特定の面接を行う権限を与えることもできます(31.2.2参照)。
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ステーク内の霊的な導きを求めている会員や,個人的に大きな問題を抱えている会員,重大な罪を犯した会員と面談を行う。指針については,31.1を参照してください。
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会員が重大な罪を犯したときには,会員資格評議会を開く(第32章参照)。
大管長会の承認が必要な事柄に関しては,ステーク会長は,その申請について慎重に検討を重ねます。そして,本人のふさわしさを判断するために面接を行います。
面接後,ステーク会長は,承認を求める推薦ができる場合に限り,大管長会に申請書を提出します。その際,自分が支持する理由について説明します。
ステーク会長は,「指導者と書記のためのリソース」を通して申請書を提出します。
6.2.4
記録,財政,資産
ステーク会長は,ステークにおける記録,財政,資産を監督します。ステーク会長は,記録や財政に伴う働きの多くを,顧問や書記に割り当てることができます。また,高等評議員の一人に,ステーク建物代表者として,資産の監督を助ける割り当てを与えます。
詳しくは,以下の章を参照してください。
6.3
地方部会長の権能とステーク会長の権能の違い
各地方部には,一人のメルキゼデク神権者が地方部会長として召されます。地方部会長は,管理するために必要な神権の鍵を持っています(3.4.1.1参照)。地方部会長はステーク会長と同様に奉仕しますが,以下の違いがあります。
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地方部会長は,地域会長会の承認が与えられた後に,伝道部会長から召しと任命を受ける(30.8.4参照)。ステーク会長は,割り当てを受けた中央幹部または地域七十人から召しと任命を受ける(30.8.3参照)。
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地方部会長は,長老または大祭司が務めることができる。ステーク会長は,大祭司でなければならない。
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地方部会長は,大祭司定員会の会長ではない。大祭司定員会は,ステークでのみ組織される。
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地方部会長は,地方部の神権者全員を管理する。ただし,伝道部会長が管理大祭司である。
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地方部会長は,伝道部会長の承認を得たうえで,長老に聖任される兄弟の面接を行うことができる。この承認は,個別に与える必要があります。地方部会長またはその指示を受けた人は,(1)支持のためにその兄弟の名前を提示し,(2)聖任を行うことができます(18.10.1.3,18.10.3,18.10.4参照)。ただし,地方部会長は祝福師,大祭司,ビショップを聖任することはできません。
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伝道部会長の承認があれば,地方部会長は,支部会長を任命することができる(18.11参照)。この承認は,個別に与える必要があります。
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また,専任宣教師の解任を行わない。ただし,伝道部会長会の一員とともに,解任の面接には参加することができます。距離や時間的な制約により,伝道部会長会の一員が特定の宣教師を解任するのが非常に困難な場合,伝道部会長は地方部会長に,解任を行う権限を与えることができます(24.8.2参照)。
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地方部会長は,神殿推薦状の面接や神殿推薦状への署名を行わない(26.3.1参照)。
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地方部会長は,伝道部会長の承認を得た場合を除き,会員資格評議会を招集することはない(32.9.5参照)。
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地方部会長は通常,地域会長会と直接やりとりすることはない。その代わり,伝道部会長会を通して働きます。
特別な状況においては,地方部会長は,宣教師の推薦,任命,解任を行う権限を受けることができます。また,神殿推薦状の面接と推薦状への署名を行う権限を受けることもできます。顧問を任命する権限を受けることもできます。
地域会長会が,地方部会長の権限を拡張する必要があると感じる場合,その地方部会長を大管長会に推薦します。承認が与えられる場合,それは個人に対するものであり,役職に対するものではありません。新しい地方部会長が召されても,その人にこの拡張された権限は移行されません。
6.4
ステーク幹部書記,ステーク幹部書記補佐,ステーク書記,ステーク書記補佐
6.4.1
ステーク幹部書記およびステーク幹部書記補佐
ステーク会長または割り当てを受けた顧問が,ステーク幹部書記を召して,任命します。この人は,有効な神殿推薦状を所持しているメルキゼデク神権者であるべきです。
幹部書記には,以下の責任があります。
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ステーク会長会と会合を持ち,割り当てに応じてアジェンダを用意する。
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ステーク評議会の一員として働き,高等評議会集会に出席する。ステーク会長会の指示に従って,これらの集会で与えられた割り当てをフォローアップする。
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ステーク会長会,高等評議会,その他のステーク指導者の間で,ステークの業務を調整する。
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ステーク会長会の予定を調整する。
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軍隊に入隊する会員やすでに軍務に就いている会員について,ステーク会長会に報告する。ステーク会長会の指示の下に,軍に入隊するステークの会員のための教会オリエンテーションの調整を助ける(38.9.3参照)。
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ワード幹部書記が新たに召されたら,すぐにオリエンテーションを行う。必要に応じて,継続的な指導を行う。
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教会職員やボランティアから受け取ったメッセージを,ステーク会長の指示に従って,適切なステークおよびワードの指導者に転送する(38.8.9参照)。
必要に応じて,ステーク書記補佐を一人または二人召すことができます。これらの兄弟たちは,ステーク会長会の一員が,召しと任命を行います。これらの兄弟は,有効な神殿推薦状を所持しているべきです。
6.4.2
ステーク書記およびステーク書記補佐
ステーク書記は,ステーク会長または割当を受けた顧問が召しと任命を行います。また,ステーク評議会の一員です。ステーク書記補佐を召すこともできます。ステーク会長または割り当てを受けた顧問は,書記や書記補佐を召して,任命します。ステーク書記とステーク幹部書記の責任は,33.3.2および33.3.3に記載されています。
6.5
高等評議会
ステーク会長会は,12人の大祭司を召してステーク高等評議会を組織します(教義と聖約102:1;124:131参照)。長老が高等評議会で働くように召される場合,任命を受ける前に大祭司に聖任されます。
高等評議員は,ステーク会長会の指示の下に,ステークにおける神の救いと昇栄の業を助けます。高等評議員の責任は,以下のセクションに記載されています。
高等評議会は、ステーク会長会の一員が管理するためにその場にいない限り、グループとして集会を持ちません。
6.5.1
ステーク会長会を代表する
ステーク会長会は,ステーク内の各ワードに高等評議員を割り当てます。
また,ステーク内の各長老定員会にも高等評議員を割り当てます。この割り当てを受けた高等評議員は,新たに召された長老定員会会長会を指導します。これには,本手引きの第1章から第4章,第8章について指導することも含まれます。
長老定員会に割り当てられた高等評議員は,定員会の指導者と定期的に会合を持ち,以下の事柄を行います。
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定員会指導者が必要としていることを把握する。
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支援を提供する。
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ステーク会長会からの情報を伝える。
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これから儀式を受ける必要のある定員会会員を助ける方法について話し合う。長老定員会の指導者は,この情報をLCRで見ることができます。
高等評議員は,必要に応じて,または招待された場合,長老定員会集会や定員会会長会集会に出席します。定員会会長会は時折,ワード会員へのミニスタリングに同行するように,高等評議員を招くこともできます。
高等評議員は,招待や割り当てを受けた場合,ビショップリック集会やワード評議会集会に出席します。
ステーク会長会は高等評議員に,神殿・家族歴史活動や伝道活動の責任について,以下の人々を指導するように割り当てることができます。
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長老定員会会長会
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ワード伝道主任
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ワード神殿・家族歴史主任
一人または複数の高等評議員に,ステークにおけるこれらの活動を指導する割り当てを与えることができます。しかし,すべての高等評議員は,自分が担当するワードや長老定員会に対して,これらの責任を負っています。
高等評議員はステーク会長会と評議して,長老や大祭司の職への聖任に関する会長会の決定を支持します。ステーク会長は,これらの職の聖任を行う場合,高等評議員に自分の代理を務める権限を与えることができます。これらの高等評議員は,その儀式が適切に行われるようにします。
また,高等評議員はステーク会長会と評議して,会員の召しに関する会長会の決定を支持します。ステーク会長会は高等評議員に,一部の召しを伝える役割や,会員の名前を提示して賛意の表明を求め,その会員を任命する権限を与えることができます(30.8参照)。
ステーク会長会は高等評議員に,ステークの若い女性や初等協会の組織とともに働く割り当てを与えます。ステーク会長会の一員が,これらの会長会と集会を持つ場合,この高等評議員も出席します。割り当てを受けた高等評議員は,これらの組織のステーク指導者集会にも出席します。
ステーク会長会は高等評議員に,6.2.1.6に記載されているプログラムを支援する割り当てを与えることができます。また,高等評議員に,障害のある会員が必要としている事柄について支援を行う割り当てを与えることができます(38.8.27参照)。
ステーク会長会は高等評議員に,会長会の代理として,聖餐会やその他の場で話をする割り当てを与えることができます。このような話の割り当ての頻度は,ステーク会長会が決定します。高等評議員が毎月聖餐会で話をする必要はありません。また,ステーク会長会はステーク組織の会長会の各員に,そのような場で話をする割り当てを与えることができます(6.7.1および6.7.2参照)。
6.5.2
ステークの評議会や委員会の一員として働く
高等評議員は全員,ステーク評議会の一員として働きます。
高等評議員は,ごく限られた状況において,ステーク会員資格評議会に参加します(32.9.2参照)。
ステーク会長会は高等評議員に,その他の委員会の委員として働く割り当てを与えます。例えば,長老定員会とともに働く割り当てを受けた高等評議員は,ステーク成人指導者委員会の一員として働きます(29.3.8参照)。
6.5.3
ステーク組織の指導者として奉仕する
ステーク会長会は,高等評議員の一人をステーク若い男性会長として召して,任命します(6.7.2参照)。また,別の高等評議員をステーク日曜学校会長として召して任命します(6.7.1参照)。
6.6
ステーク祝福師
祝福師は,メルキゼデク神権の職の一つです。祝福師は,ふさわしい教会員に祝福師の祝福を授けるために召されて,聖任されます。本セクションでは,ステーク祝福師に対するステーク会長の責任について概説します。祝福師の祝福について詳しくは,以下の資料を参照してください。
以下についての情報は,『祝福師への情報と提案』を参照してください。
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召しを果たせない状態にある祝福師。
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別のステークへ転出する祝福師。
6.6.1
ステーク祝福師の召し,支持,聖任
祝福師は,ふさわしいメルキゼデク神権者でなければなりません。また,福音に対する理解が成熟した,御霊に敏感な人であるべきです。祝福師は,自身の祝福師の祝福を受けていなければなりません。通常,55歳以上で,召されるときに既婚者でなければなりません。
十二使徒定員会が,ステーク祝福師の召しについて指示を与えます(教義と聖約107:39参照)。ステーク会長は,召す人を推薦することができます。ステーク会長は,LCRを通して推薦を提出します。推薦を行う際に,ステーク会長は御霊の導きを求めて断食し,祈るべきです。顧問もその推薦に同意します。
十二使徒定員会は推薦を承認する場合,ステーク会長に候補者を面接し,祝福師として召す権限を与えることができます。ステーク会長はその後,次のステーク大会の一般部会で,賛意の表明を得るためにその祝福師の名前を提示します。
ステーク会長が,祝福師を聖任します。この責任は顧問に委任することはできません。聖任の間,ステーク会長以外の人が,儀式に加わるべきではありません。新しい祝福師は,まず祝福師の職に聖任され,次に,特定のステークで奉仕するよう任命されます。以前に聖任を受けた祝福師が,召しを果たせる状態に戻る場合,再び聖任する必要はありません。しかし,任命は行います。
聖任の記録がLCRに入力されるまで,祝福師は祝福師のオンラインツールにアクセスすることはできません。
召しを果たせる状態にある祝福師は,ステーク大祭司定員会の一員です。
6.6.2
二人目のステーク祝福師の召し
十二使徒定員会は通常,現在の祝福師が要請される数の祝福をこなせない場合を除き,ステークに二人の祝福師を召すことを承認しません。また通常は以下のような理由で,二人目の祝福師を承認することもありません。
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ステークが地理的に広い。
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ステークに主要言語を話さない会員がいる。
ステークに異なる言語を話す会員がいる場合,ビショップとステーク会長会は,その会員の母国語で祝福を授けることができる近隣ステークの祝福師のもとへ行く許可を与えることができます。
6.6.3
新たに召されたステーク祝福師への指導
ステーク会長は,新たに召された祝福師が祝福を授けるのに先立ち,指導を行います。ステーク会長は祝福師に,この職の神聖で啓示に基づく特質について教えます。また,以下の資料にある指示を,祝福師とともに注意深く確認します。
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『祝福師への情報と提案』
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『世界指導者訓練集会—祝福師』
6.6.4
ステーク祝福師の働きを監督する
ステーク会長は,『祝福師への情報と提案』で概説されているように,祝福師の働きを監督します。ステーク会長は,この責任を顧問に委任することはできません。祝福師は,ステーク会長との密接な関係から恩恵を受けます。
ステーク会長は,少なくとも年に2回,祝福師と面談を行います。そして,祝福師がこの業について抱いている気持ちや,祝福師の家族の心身の健康状態,その他相談が必要な事柄について話し合います。
ステーク会長は少なくとも年に2回,祝福師が与えた祝福の内容を確認します。必要に応じて,祝福師の祝福の内容について全体的な提案をすることもできます。
ステーク会長は,文字に書き写した祝福文が,祝福を受けた会員に速やかに届くようにします。また,すべての祝福文が教会本部に確実に提出されるようにします。祝福文は,ChurchofJesusChrist.orgにある「祝福師の祝福システム」を通じて提出します。このシステムを利用できない場合,少なくとも半年ごとに,以下の住所あてに祝福文を郵送するべきです。
Church History Library
Attn:2Patriarchal2Blessings
15 East North Temple Street
Salt Lake City, UT 84150-1600
6.6.5
祝福師の祝福の内密性
ステーク会長は,祝福師が祝福を受けた人に祝福文の写しを渡し,教会本部にそれを提出したら,書面や電子データの写しをすべて破棄または削除します。祝福師は,自分のコンピューターから削除済みの祝福文が復元できないようにします。
6.6.6
教会のほかの役職に召される祝福師
祝福師は,十二使徒定員会から事前に承認を得ない限り,教会の管理職に召されることはありません。そのような職には,ビショップリック,高等評議会,ステーク会長会,伝道部会長会,神殿会長会の一員などがあります。承認が与えられると,その祝福師は「召しを果たせない状態」になります。
十二使徒定員会の承認がなくても,その他の召しを受けて奉仕することができます。結び固め執行者や神殿儀式執行者として奉仕することもできます。
6.6.7
祝福師の祝福の筆記者
ステーク会長または顧問の一人は,祝福師が自分で祝福文を文字に書き起こすことができ,そうすることを希望している場合を除き,祝福師の祝福を書き起こすために,技能のあるふさわしいステーク会員を召して,任命することができます。必要であれば,複数の筆記者を召すことができます。
筆記者は,すべての祝福が神聖で内密であることを心に留めておくべきです。筆記者や祝福師は,いかなる祝福文の写しも保管することはできません(6.6.5参照)。
6.7
ステークの組織
ステークの扶助協会,若い女性,初等協会,日曜学校,若い男性の各組織は,それぞれ会長によって導かれます。これらの会長は,ステーク会長会の指示の下で働きます。
規模の大きいステークでは,組織の会長は,ともに働く一名か二名の顧問,および一名の書記を推薦することができます。ステーク会長会は,これらの推薦について検討します。
これらの指導者のおもな責任は,ステーク会長会を補佐し,ワード組織の会長会を指導し,支援することです。これらの指導者は,ワードや家族レベルで行うべき割り当ては果たしません。ワード組織の会長会に対して,追加の責任を負わせることもしません。
6.7.1
ステークの扶助協会,若い女性,初等協会,日曜学校の会長会
ステーク会長は,一人の姉妹をステーク扶助協会会長として召して,任命します。ステーク会長または割り当てを受けた顧問は,ステークの若い女性会長と初等協会会長として,それぞれ姉妹を召して,任命します。顧問や書記が召される場合,ステーク会長会の一員か割り当てを受けた高等評議員が,顧問や書記の姉妹たちを召して,任命します。
ステーク会長会は,高等評議員の一人をステーク日曜学校会長として召して,任命します。
これらの会長会の各員には,以下の責任があります。
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ステーク評議会の一員として働く(会長のみ)。ステークにおいて,信仰を築き,個人と家族を強めるための取り組みに携わります。
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新たに召されたワード組織の会長会にオリエンテーションを行う。これには,本手引きの第1章から第4章と,各組織に関する章から指導することも含まれます。
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継続的な支援と指導を行う。ワード組織の会長と定期的に連絡を取ることによって,必要としている事柄を把握し,彼らが仕える会員の必要について話し合い,ステーク会長会からの情報を伝えます。定期的に各組織の集会やクラスを訪問するために,ワード指導者と調整を行います。
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ステーク指導者集会でワード組織の会長会を指導する(29.3.4参照)。この集会は通常,年に1度開かれます。参加者にとって負担にならなければ,ステーク会長会は,年に2度の集会を開くことを認可することができます。ビショップは,ワード組織の会長会のために追加の指導を要請することもできます。
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会長会集会で,定期的に話し合う(顧問が召されている場合)。自分の組織を担当するステーク会長会の一員と定期的に連絡を取ります。
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地域七十人から招待された場合,調整評議会に出席する(29.4参照)。
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ステーク会長会から依頼された場合,聖餐会やその他の場で話をする。
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大規模なステークでは,必要に応じて,自分の組織で働く顧問などを召すために,ステーク会長会に推薦を出す。指針については,30.1.1および30.1.5を参照してください。
ステークの扶助協会,若い女性,初等協会の会長会は時折,この三つの組織の合同活動を計画することができます。これらの活動には,ステーク内のすべての女性,若い女性,8歳以上の少女が含まれます。そのような活動は,複数のステークで行うこともできます。会長会は,合同活動をステーク会長会に提案するために協議します(20.3.1参照)。そのような活動は,ステーク扶助協会の活動の一つの代わりとして行うことができます(6.7.1.1参照)。
6.7.1.1
ステーク扶助協会会長会のその他の責任
ステーク扶助協会会長会には,ほかにも以下の責任があります。
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ステーク成人指導者委員会の一員として働く(29.3.8参照)。書記が召されている場合,書記もこの委員会に招待されます。
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ワード扶助協会会長に,ミニスタリングの原則と,助けを必要とする人々の世話に関する原則を教える。物質的な問題や自立に関する問題についてビショップを助けるとき,会長が自分の役割を理解できるように助けます。
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ワード扶助協会会長会に,伝道活動(23.6.2参照)と神殿・家族歴史活動(25.2.2参照)に対する責任について教える。
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ステーク内のシングルアダルトの姉妹たちを強める。ステークにヤングシングルアダルト委員会がある場合,会長会の一員がその委員を務めます。ステークにシングルアダルト委員会がある場合も同様にします(14.1.1.2参照)。
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緊急時におけるステーク扶助協会の活動を調整する。
ステーク扶助協会会長会は,年に一度か二度,ステーク内の扶助協会の姉妹全員を対象とした集会を計画し,実施することができます。この集会は,ステーク会長会の指示のもとで行います。また,奉仕活動やクラス,プロジェクト,大会,ワークショップなどを含めることができます。ステーク扶助協会会長会は,必要に応じて,支援するための委員会を設けることができます。
6.7.1.2
ステーク若い女性会長会のその他の責任
ステーク若い女性会長会には,ほかにも以下の責任があります。
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ステーク青少年指導者委員会の一員として働く(29.3.9参照)。書記が召されている場合,書記もこの委員会に招待されます。
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ステーク会長会の指示の下に,ステーク若い女性の活動やキャンプを計画し,調整を行う。
6.7.1.3
ステーク初等協会会長会のその他の責任
ステーク初等協会会長会は,時折,8才から11歳までの子供たちのためにステークの活動を計画することができます。これらの活動は,女の子,男の子,またはその両方を対象とすることができます。また,12.2.1.3の指針に従って行います。
6.7.1.4
ステーク日曜学校会長会のその他の責任
ステーク日曜学校会長会には,ほかにも以下の責任があります。
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福音の学習と教授を改善するステークの取り組みにおいて,スペシャリストとして奉仕する。
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該当する地域では,ステーク内のリソースセンター間の調整を行う(13.7.2参照)。
6.7.2
ステーク若い男性会長会
ステーク会長会は,高等評議員の一人をステーク若い男性会長として召して,任命します。若い女性および初等協会の割り当てを受けた高等評議員は,その顧問として奉仕するように召され,任命されることができます。
大規模なステークでは,ステーク内のメルキゼデク神権者を一人か二人,顧問として召すことができます。また,神権者を一人,書記として召すこともできます(6.7.3参照)。ステーク若い男性会長が,召される人を推薦します。指針については,30.1.1および30.1.5を参照してください。ステーク会長会の一員か割り当てを受けた高等評議員が,顧問と書記を召して,任命します。
ステーク若い男性会長会には,以下の責任があります。
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ステーク評議会の一員として働く(顧問が高等評議員でない場合は会長のみ)。ステークにおいて,信仰を築き,個人と家族を強めるための取り組みに携わります。
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アロン神権者の兄弟たちに対する責任において,ビショップリックの助け手として奉仕する。これには,ステーク会長の指示の下に,アロン神権定員会の義務をアロン神権者が理解できるように助けることも含まれます。
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自分たちの会長会集会で,定期的にともに評議する。アロン神権者の奉仕に対して責任を負うステーク会長会の一員と,定期的に連絡を取ります。
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ステーク青少年指導者委員会の一員として働く(29.3.9参照)。書記が召されている場合,書記も委員会に招待されます。
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ステーク会長会の指示の下に,ステークのアロン神権の活動やキャンプを計画し,調整する。
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ステーク会長会から依頼された場合,聖餐会やその他の場で話をする。
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地域七十人から招待された場合,調整評議会に出席する(29.4参照)。
ステーク若い男性会長会は,ステーク指導者集会を開きません。アロン神権定員会に対して責任を負う人々への指導は,ステーク神権指導者集会で行います(29.3.3参照)。
6.7.3
ステーク組織の書記
ステーク組織の書記は通常,規模の大きいステークでのみ召されます。ステーク会長会の一員か割り当てを受けた高等評議員が,書記を召して,任命します。書記は,ステーク組織の会長の指示の下に,以下の責任を負います。
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会長会集会のアジェンダを作成する。
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会長会集会で議事録を取り,割り当ての進捗状況を把握する。
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会長会の要請に応じて,その他の記録を取り,報告書を作成する。
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会長会が組織の年間予算案を作成するのを助け,支出を管理する。
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割り当てに応じて,ワード組織の書記を訓練する。この訓練には,出席の記録や報告に関する指導を含めることもできます。
6.8
ステークスペシャリスト
ステーク会長会は,必要に応じて,以下のような目的でスペシャリストを召して,任命することができます。