7.

ビショップリック

7.1

ビショップと顧問

ビショップは，ワード内の教会の業を導く神権の鍵を持っています（3.4.1参照）。ビショップと顧問が，ビショップリックを構成します。ビショップリックは，ステーク会長会から指導を受けます。ビショップリックは，愛をもってワードの会員の世話をし，会員がイエス・キリストに真に従う者となるように助けます（モロナイ7：48参照）。

ビショップと顧問は大祭司です。召されるときに大祭司でない場合は，任命される前に大祭司に聖任されるべきです。

ビショップには，以下の5つの主要な責任があります。

• ワードにおける管理大祭司。

• アロン神権の会長。

• 一般判士。

• ワードにおける神の救いと昇栄の業の調整（助けの必要な人々への世話など）。

• 記録，財政，集会所の使用の監督。

ビショップは神権の鍵を持っているので，ワードのために啓示を受ける権利があります（教義と聖約128：11参照）。したがって，ビショップにしか果たせない責任がいくつかあります。それらについては，本章で説明します。

ビショップの最も重要な責任は，ワードの若い世代（子供，青少年，ヤングシングルアダルト）に対する責任です。この責任に集中できるように，ビショップは多くの割り当てを委任します（4.2.5参照）。ビショップは，顧問や書記，書記補佐，幹部書記，定員会や組織の指導者，その他の人々に委任することができます。

ビショップが自分の責任を果たすことができない場合，本手引きで指摘されている事項を除き，一時的に顧問がビショップの代理を務めることができます。顧問がビショップの代理を務めることに関して質問がある場合，ビショップや顧問はステーク会長に相談します。

7.1.1

管理大祭司

ビショップは，ワードにおける第一の霊的指導者です。ビショップは，「聖い心で」仕えることにより，模範を示します（モーサヤ18：12）。ビショップは，人々を教え，高め，霊的に鼓舞します（マタイ20：28参照）。そして，教義と聖約121：34－46に記されているリーダーシップの原則に従います。

ビショップは，イエス・キリストの忠実な弟子であり，自らが交わした聖約に忠実です。ビショップは，妻や家族に対して誠実であり，自分の家族やワード，地域社会に義の模範を示します（1テモテ3：2－7参照）。ビショップの顧問も，同様の人格を備えています。

ビショップは，ワード内のほかの指導者に指導と助言を与えます。また，各自が責任を果たせるように励ましを与えます。

7.1.1.1

ワードの組織と神権定員会

ビショップは，ワードの扶助協会と若い女性の組織に対して責任を負っています。また，日曜学校と初等協会の組織，およびその他のワードのプログラムに対する責任を顧問に割り当てます（9.3.1，11.3.1，12.3.1，13.2.1参照）。

アロン神権定員会に対するビショップの責任は，7.1.2に概説されています。長老定員会に対するビショップの責任は，8.3.1に概説されています。

ビショップはまた，ミニスタリングを監督することについて，長老定員会と扶助協会の会長を指導します。ビショップは，個人や家族の必要を満たすために，少なくとも四半期に一度，この二人の会長と面談します（21.2参照）。

7.1.1.2

儀式と祝福

ビショップは，ワードにおける以下の儀式と祝福の執行について指示を与えます。

• 聖餐

• 子供の命名と祝福

• 記録上の会員である8歳の子供のバプテスマと確認（知的障害のある人については，38.2.8.1を参照。改宗者については，31.2.3.2を参照）

• アロン神権の授与および執事，教師，祭司の職への聖任

儀式と祝福について詳しくは，第18章を参照してください。

7.1.1.3

評議会と集会

ビショップは，ワード評議会とワード青少年評議会を指導します（29.2.5および29.2.6参照）。ビショップは，これらの評議会を活用して，ワードにおける神の救いと昇栄の業の調整を助けます。ビショップは，この業の多くを委任し，割り当てについてフォローアップします（4.2.5参照）。

ビショップは，ワードにおいて霊的な強さと一致を育む方法についてともに評議するよう指導者たちに勧めます。また，評議会の全員が霊感を求め，話し合いに参加するように励まします（教義と聖約88：122参照。本手引き4.4も参照）。

ビショップリックは，聖餐会や第29章に記載されているその他のワードの集会を計画します。ステーク会長会の一員，地元の地域七十人，または中央幹部が出席する場合を除いて，ビショップがワードの集会を管理します。ビショップの顧問は，これらの集会の司会者を務めることができます。また，ビショップが不在の場合，管理者も務めます。

7.1.1.4

召しと解任

召しと解任に関するビショップの責任は，第30章に概説されています。ビショップは，30.8で概説されているように，召しや解任の手続きを顧問に割り当てることができます。

7.1.2

アロン神権の会長

「ビショップリックは〔アロン〕神権の会長会であり，その鍵，すなわち権能を持〔っています〕。」（教義と聖約107：15。20節も参照）。ビショップは，ワードにおけるアロン神権の会長として，以下のような責任を負っています。顧問はビショップを補佐します。

• 青少年を教える親を支援する。青少年が忠実に奉仕し，神聖な聖約を交わして守り，神殿の儀式を受ける備えができるように助ける。若い男性が神権の職に聖任される備えや，専任宣教師として奉仕する備えができるように助けます。若い女性が専任宣教師として奉仕することを希望している場合は，備えができるように助けます。「子供と青少年」プログラムは，そのような取り組みの助けとなります（ChildrenandYouth.ChurchofJesusChrist.org参照）。

• アロン神権定員会と若い女性のクラスを監督する。ビショップは祭司定員会の会長である（教義と聖約107：87－88参照）。第一顧問は教師定員会に対して責任を負い，第二顧問は執事定員会に対して責任を負います。アロン神権定員会の指導者について詳しくは，10.3，10.4，10.5を参照してください。

• ワードの若い女性会長と話し合う。ビショップは，この割り当てを顧問に委任しません。また，ビショップと顧問は定期的に，若い女性の集会や奉仕，その他の活動に参加します（11.3.1参照）。

• 定期的に青少年一人一人と面談する。この面談に関する指針については，31.3.1を参照してください。

• 子供たちが聖約を交わして守ることができるように，家族，初等協会の指導者，教師の取り組みを支援する（第12章参照）。

7.1.3

一般判士

ビショップは，ワードにおける一般判士です（教義と聖約107：71－74参照）。ビショップは，義にかなった裁きをされる救い主の模範に従うように努めます（3ニーファイ27：27参照）。ビショップには以下の責任があります。

• 青少年や成人が神殿推薦状を受ける資格を得て，それにふさわしい者となるように助ける。

• 31.2で概説されているように，面接を実施する。ビショップは，顧問に特定の面接を行う権限を与えることもできます（31.2.2参照）。指針については，31.1を参照してください。

• ワードの会員が霊的な導きを求めている場合や，個人的に大きな問題を抱えている場合，あるいは重大な罪を犯した場合に面談を行い，イエス・キリストの癒しの力を活用できるように助ける。ビショップは，一部の問題に関するワード会員との面談を自分の顧問や長老定員会会長，扶助協会会長，その他の人々に依頼することができます。ただし，ふさわしさや虐待，断食献金基金の利用承認に関して，ワード会員と面談を行えるのは，ビショップのみです。指針については，31.1を参照してください。

• ステーク会長の指示の下に，必要に応じて会員資格評議会を開く。指針については，第32章を参照してください。

7.1.4

ワードにおける神の救いと昇栄の業の調整を行う

ビショップは，ワードにおける神の救いと昇栄の業の調整を行います（第1章参照）。顧問やほかのワード指導者が，ビショップを補佐します。

ビショップは，会員が福音に従って生活できるように助けます。また，天の御父とイエス・キリストと主の贖罪を信じる信仰を強められるように助けます（教義と聖約20：29参照）。ビショップは会員に，祈り，聖文を研究するように教えます。また，救いと昇栄の儀式を受けることによって聖約を交わすように勧めます。そして，交わした聖約を守るように会員を励まします。

ビショップは，教会員を強めます。ビショップは，家族が定期的に家族の祈りを行い，家庭の夕べで行うことも含めて，ともに福音を学ぶように励まします。また，愛し合い，仕え合うように教えます。ビショップは，言葉と模範によって，家族の責任を損なうことなく，教会の召しを果たせることを教えます。また，教会の活動が，義にかなった方法で子供たちを育てる親の努力を支えるものとなるようにします。

ビショップには，会員が福音に従って生活するように助けることに加え，ワードにおける神の救いと昇栄の業を相互調整することにおいて，ほかにも果たす責任があります。以下は，その例です。

• 神権の職への聖任に備える男性を助ける。

• ワード内で助けを必要としている人の世話をするための取り組みを導く（7.1.4.1，22.2.1参照）。

• 長老定員会と扶助協会の会長会が，ワードにおけるミニスタリングの取り組みを導く際に，指針を与える（21.2.1参照）。

• 長老定員会と扶助協会の会長会が，福音を分かち合い，新会員と教会に再び集うようになった会員を強めるためのワードの取り組みを指揮する際に，双方と調整を図る（23.1参照）。

• 長老定員会と扶助協会の会長会が，ワードにおける神殿・家族歴史活動を指揮する際に，双方の取り組みの調整を図る（25.2参照）。

• 神殿推薦状と神殿の儀式を受ける備えができるように会員を助ける（27.1参照）。

7.1.4.1

物質的な必要を抱えている人々を世話するための取り組みを指揮する

ビショップは，物質的な必要を抱えている人々を捜し出して世話をするという神聖な責任を負っています（教義と聖約84：112参照）。ビショップは，この責任の大半を，扶助協会と長老定員会の会長会に委任します。

一部の職務については，ビショップのみが行います。例として，教会が提供する物質的な援助の種類，金額，期間はビショップが決定します。その際，ビショップは多くの場合，扶助協会や長老定員会の会長と相談します。詳しくは，22.4および22.5を参照してください。

ビショップリックの各員は，助けの必要な人々の世話をし，自立を育むという原則について教えます（22.1参照）。また，断食の律法についても教えます（22.2.2参照）。ビショップリックは，断食献金を集める業務を監督します（34.3.2参照）。

ビショップは，ワードのほかの指導者たちに，助けの必要な人々の世話をするという各々の責任について指導します。また，これらの取り組みについてワード評議会を導きます。

ビショップが助けが必要な人々の世話をする方法について詳しくは，22.6.1を参照してください。

7.1.5

記録，財政，集会所

ビショップは，ワードの記録，ワードの財政，集会所について監督します。これには，什分の一と断食の律法を教え，什分の一の申告を行うという責任も含まれます（34.3.1.2参照。教義と聖約107：68も参照）。

ビショップは，記録や財政に伴う職務の多くを，顧問や書記に割り当てることができます。ビショップは，顧問の一人をワードの建物代表者として割り当てることもできますし，別の会員を召してその役割を担ってもらうこともできます。

記録について詳しくは，第33章を参照してください。什分の一を含む財政については，第34章を参照してください。集会所については，第35章を参照してください。

7.2

支部会長会とビショップリックの違い

支部では，一人のメルキゼデク神権者が支部会長として召されます。支部会長は，管理するために必要な神権の鍵を持っています（3.4.1.1参照）。支部会長と顧問は，ビショップリックと同様に奉仕しますが，以下の違いがあります。

• 支部会長は，長老でも大祭司でもよいが，ビショップは，大祭司でなければならない。

• 支部会長は，管理大祭司として任命されない。ただし支部会長は，支部を管理し，7.1.1で述べられている責任をすべて負っています。

• 支部会長は，結婚している必要はない。

• 支部会長会の顧問は，神殿推薦状を発行することはできない（26.3.1参照）。

7.3

ワード幹部書記およびワード幹部書記補佐

ビショップリックは，一人のメルキゼデク神権者を，ワード幹部書記として推薦します。この推薦はステーク会長会に行います。幹部書記は，有効な神殿推薦状を所持しているべきです。ワード幹部書記は，ステーク会長会の一員または割り当てを受けた高等評議員が，召しと任命を行います。

幹部書記は，ビショップや顧問と密接に協力して働きますが，ビショップリックの一員ではありません。幹部書記には以下の責任があります。

• ビショップリックと会合を持ち，割り当てに応じてアジェンダを用意する。

• ワード評議会の一員として働き，ワード評議会集会に出席する。ビショップリックの指示に従って，これらの集会で与えられた割り当てについてフォローアップする。

• ビショップリックの予定を調整する。

• 神殿推薦書の更新が必要な青少年や成人との面接の予定を立てる。

• ビショップリックから割り当てを受けた場合，会員が教会機関誌を入手できるようにするためのワードの取り組みを調整する（38.8.7参照）。

• ワードの会員がクラスに登録するのを助けるなど，セミナリーやインスティテュートに関する事柄についてビショップリックを助ける（第15章参照）。

• 軍務に就いているワードの会員の名前と住所の一覧表を最新の状態に保つ。ワードの指導者がこれらの会員について認知できるようにします（38.9.2参照）。入隊を予定している会員がいれば，ステーク幹部書記に知らせます。

• 教会職員やボランティアから受け取ったメッセージを，ビショップの指示に従って，適切なワードの指導者に転送する（38.8.9参照）。

必要に応じて，一人または二人のワード幹部書記補佐を召すことができる。ワード幹部書記補佐は，ビショップリックが推薦し，ステーク会長会の一員または割り当てを受けた高等評議員によって召され，任命されます。これらの兄弟は，有効な神殿推薦状を所持しているべきです。

7.4

ワード書記および書記補佐

ビショップは，一人のメルキゼデク神権者を，ワード書記として推薦します。この推薦はステーク会長会に行います。ワード書記は，有効な神殿推薦状を所持しているべきです。ステーク会長会の一員または割り当てを受けた高等評議員が，召しと任命を行います。ワード書記は，ワード評議会の一員です。

ワード書記補佐を召すこともできます（33.4.3参照）。ワード書記補佐は，ステーク会長会の一員または割り当てを受けた高等評議員が，召しと任命を行います。

書記は，ビショップや顧問と密接に協力して働きますが，ビショップリックの一員ではありません。ワード書記とワード書記補佐の責任については，33.4.2および33.4.3に記載されています。