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第6章:公的な記録から情報を集める


第6章

公的な記録から情報を集める

自分の能力を超えた力

あなたの家と家族からすぐに入手できた家族歴史の情報を集めて記録してしまったら,もっと多くの情報を見つけるために公的な記録を調べる必要があるかもしれません。探求が難しくなったときは,大管長会のヘンリー・B・アイリング管長の言葉を思い出してください。

President Henry B. Eyring「身近な数世代を見つけた後,先祖の探求はもっと難しくなります。……先祖の探求をやめて,難しい部分をもっと慣れた人に任せてしまうか,あるいは,またいつか時を改めて探求を行うかという誘惑に遭うのです。しかし同時に,どんなに困難でもこの仕事を続けなければとも感じることでしょう。

先祖の探求を続けるか決めるとき,探すのが実に困難な名前は,実在する人の名前であることを忘れないでください。皆さんはその人たちのおかげでこの世に存在し,いつか霊界で再会するのです。……彼らの心は皆さんと結ばれています。彼らの望みは皆さんの手にあります。先祖の探求を続けると決意するとき,皆さんは自分の能力を超えた力を得ます。」(『リアホナ』2005年5月号,79-80)

調べる公的な記録

あなたが調べることのできる公的な記録は何種類もあります。政府や教会には人生における特定の出来事の記録がしばしば残されています。これらの記録は何百年も前の出来事の記録かもしれません。多くの場合,記録は非常に注意深く保管されています。例えば,次のとおりです。

  • 生涯記録。生涯記録にはしばしば,出生と結婚と死亡の日付と場所が記されています。これらの情報は神殿の儀式のために重要です。生涯記録は通常,先祖が住んでいた場所の近くの役所や教会で見つかります。国によっては,生涯記録は住民登録記録とも呼ばれます。

  • 国勢調査記録。国勢調査記録は,家族と個人に関する豊かな情報源です。この記録にはしばしば,名前,年齢,関係,出生地,職業が載っています。数多くの国勢調査記録がすでにマイクロフィルムになっており,インターネットと世界各地の家族歴史センターで容易に利用できるようになっています。

  • 移民記録。個人や家族が新しい国に到着したときに,移民記録が作成されました。この記録は,家族の名前と出生地,ならびに新しい国に到着した日付を知るのに役立ちます。移民記録の多くの収集は,インターネットと世界各地の家族歴史センターで見つけることができます。

  • 新聞。新聞には先祖に関する記事が載っている可能性があり,また地元住民の死亡を知らせる死亡記事が載っていることがよくあります。死亡記事には,出生地,出生日,家族構成員,宗教,埋葬についての情報を含む,個人の有益な情報の詳細が含まれていることがよくあります。

  • 教会記録。教会記録からは,別の種類の記録では得られない情報が得られる可能性があります。地元政府が出生や結婚,死亡の記録を残さないときに,教会がしばしばその記録を残していました。これらの記録は家族の情報を調べるのに重要な役割を果たします。

  • 墓地記録。墓石や教会関係者の記録などの墓地記録からは,出生と死亡の日付,死亡時の年齢,配偶者の名前,子供の名前,旧姓が分かる可能性があります。時には出生地も記されています。墓石には兵役や社会,友愛組合,宗教などの所属を示すシンボルや印が付いていることもあります。

公的な記録から情報を集める

公的な記録の利用に当たっては,次のステップに従ってください。

  1. 導きを祈り求めます。どの先祖に集中し,どのような情報を探し,どの記録を調べ,どこでその記録を手に入れるかという選択を含め,多くの選択があります。主に導きを求め,正しい判断を下す助けを願ってください。

  2. 先祖を一人選びます。一人の先祖または一つの家族に関する情報を集めることに集中すれば,非常に効果的です。また,出生や死亡,結婚など,あなたが情報を探したい特定の出来事を確認するとよいでしょう。

  3. 「記録選択表」を使います。どのような情報を見つけたいかを決めたら,どの記録を探すべきかを判断するのに役立つ付録Cの「記録選択表」を使います。必要であれば,家族歴史相談員に援助を求めます。

  4. 記録を見つけます。記録が保管されている場所を訪問するか,あるいはそこと連絡を取ります。記録について尋ねるために,個人的に訪問するか,手紙を書くか,電話をするか,電子メールを送るか,インターネットを使います。家族歴史センター,図書館,公文書館,教会,裁判所,インターネットサイトに有益な記録が保管されていることがあります。その幾つかは次のとおりです。

    家族歴史センター。教会は世界中から公的な記録をマイクロフィルムに収めてきました。これらの記録の多くについて,オンラインでwww.familysearch.orgでデジタル画像を見ることができます。マイクロフィルムだけで入手できる記録もあります。家族歴史センターで小額の費用でこれらのマイクロフィルムのコピーを注文し,その後,一度に数週間センターでそのフィルムを利用することができます。家族歴史センターからフィルムを注文すれば,遠い距離を旅することなく,容易に安価で,記録の収集から調査ができます。

    インターネットサイト。家族歴史相談員は,インターネットサイトで調べるようにあなたに勧めるかもしれません。世界各地の国や州,省,郡の役所がインターネット上に記録を公開しています。これらのインターネットサイトで生涯記録の収集,新聞,地元の歴史記録,教会記録を調べることができます。ユーザーに無料で記録の収集を見ることを認めているサイトもあります。あなたの地元の家族歴史センターで,家族歴史インターネットサイトを無料で利用できます。

    公文書館と図書館。国,州,省,郡の公文書館には,政府組織が作成した記録が保管されています。公立図書館にも,新聞や死亡記事など,多くの貴重な記録が保管されています。インターネットで先祖の記録が見つからなければ,あなたの先祖が住んでいた地域の政府の公文書館や地元の図書館を訪ねるとよいでしょう。家族歴史相談員に,これらの機関を訪問する計画についての援助を要請してください。

見つけたものについてメモを残す

調査記録は,家族歴史の情報を探した場所と見つけた事項の記録です。調査記録の見本が付録Aにあります。調査記録は,あなたの作業を組織立て,すでに終了した調査をあなたやほかの人々が繰り返すことのないようにするものです。調査記録には次の情報を記録します。

  • だれ。あなたが調査している人の名前と,探求を助けてくれる人々の連絡先情報を書きます。

  • 。あなたの調査の目的,情報源の種類,見つける事項を記録します。見つける事項がすべて行き詰まっていても記録を残します。

    filled-out research log
  • どこ。各情報源の所在または電話番号,ならびに先祖の生涯に起こった出来事の場所を記録します。

  • いつ。あなたが特定の情報源を使う日付を含めます。また,先祖の生涯における重要な出来事の日付を記録します。