セミナリー
はじめに 『新約聖書 セミナリー教師用手引き』について


はじめに 『新約聖書 セミナリー教師用手引き』について

Young adult men and women can be see taking part in class and interacting with the instructor and with each other.

宗教教育セミナリー・インスティテュートの目的は,「以下のことができるよう,青少年とヤングアダルトを助けることです。イエス・キリストの教えと贖いについて理解しそれに頼る。神殿の祝福を受ける資格を得る。天の御父とともに永遠の命にあずかるため,自分自身と自分の家族と周りの人々を備える。」(『福音を教え学ぶ—宗教教育セミナリー・インスティテュートの教師ならびに指導者用手引き』〔2012年〕,x,ChurchofJesusChrist.org

この手引きのレッスンとその他のリソースは,この目標を達成するのに役立つように設計されています。これらを使用すると,聖霊によって教え,イエス・キリストに焦点を当て,聖文や預言者の言葉にあるとおりのキリストの教義を教え,生徒が熱心に学ぶよう促すことができます。そうすることで,生徒がイエス・キリストとその福音に対する改心を深める手助けをすることができます。

教えるための準備に役立つツール

聖文『わたしに従ってきなさい』の聖文記事と合わせて学習することは,生徒に教えるための大切な準備となります。この手引きに記載されているレッスンを行うには,定期的に聖文を研究し,聖霊の交わりを求める,霊感を受けた教師が必要です。聖文を定期的に研究する中で,天の御父は御霊を通してあなたに霊感を与え,生徒の必要に応じて教材を合わせられるようにしてくださると確信を持つことができます。

週の概要

この手引きは,『わたしに従ってきなさい』の各週の聖句ブロックに従って編成されています。この手引きでは,各週の聖句ブロックごとに,週の概要と5つのレッスンが記載されています。週の概要には,その週の教材の概要と,教える準備に役立つ,レッスン特有の情報が記載されています。各レッスンには以下の情報があります:

  • レッスンの目的

  • 生徒の準備のアイデア

  • 実物を用いたレッスン,配付資料,画像,ビデオ,その他事前に準備する必要のある資料のリスト

  • オンラインレッスンに関する提案(「福音ライブラリー」アプリ,またはChurchofJesusChrist.orgの「福音ライブラリー」からコンテンツにアクセスする場合)

毎週初めに週の概要を確認することで,どのレッスンを教えるか,どの資料を事前に収集し,準備するのか決めることができます。

あなたが担当する,翌週のレッスンの週の概要を探してみてください。ここで,事前に知っておくと役立つ情報は何でしょうか。教える準備をするに当たって,その情報をどのように使用しますか。

教えるためのヒント

教えるためのヒントは,教師として成長するために推奨される教え方や原則を説明したものです。各レッスンには,導入部のすぐ後に教えるためのヒントが記載されています。その他の教え方と原則は,ChurchofJesusChrist.orgの教師養成用資料で確認することができます。準備ができたと感じたら,教えながらこれらのヒントを実践してみてください。そうすることで,教える力が伸びていくことに気づくでしょう。

これから担当するレッスンの「教えるためのヒント」を確認してください。どのような形でその提案をレッスンに取り入れますか。

指導に関する指示

指導に関する指示は,教える準備をするのに役立つよう考えられています。これらの指示は,レッスンの活動の目的を説明したり,生徒の必要によりよく対応するためにレッスン内容を変更する方法を提案したりするものです。これらの提案には,必要に応じて内容や活動を変更するための代替案,質問,活動などが含まれています。

近日中に教える予定のレッスンについて,「指導に関する指示」を確認してください。確認した指導に関する指示を下に,どのような工夫をすることができるでしょうか。

生徒の準備

各レッスンには,生徒が学習体験に向けて気持ちを準備するための提案が収録されています。各週の概要には,その週の5つのレッスンの「生徒の準備」のアイデアが記載されています。週の初めにこれらのアイデアを確認して,どのアイデアが生徒にとっていちばん役立つか,祈りながら決めるとよいでしょう。「生徒の準備」の提案をすべて使用する必要はありません。アレンジを加えたり,独自のアイデアを出してもかまいません。これらの提案の多くは,学習体験の前日か数日前に生徒に知らせることが想定されています。

次のレッスンの「生徒の準備」の項を確認して,それを使用するか,アレンジを加えるか,それとも「生徒の準備」の提案を使用しないのか検討してください。生徒に準備をしてもらうことにした場合,その準備のアイデアをどうやって生徒に伝えますか。口頭で説明したり,前のクラスの終わりに見せたり,必要に応じてメールやメッセージアプリで連絡したりすることができるでしょう。

学習活動案レッスンのこの項には,学習体験にアプローチする方法が記載されています。レッスンでこのコンテンツをすべて使用する必要はありません。生徒ができるだけ最高の経験ができるように,この項の内容は,台本としてではなく,あくまでもガイドとして使用してください。セミナリー教師に召されたばかりの場合は,提案されている学習活動に忠実に従うことから始めるとよいかもしれません。教師として成長するにつれて,生徒が必要とするものに慣れ,霊感を得る能力が磨かれていきます。この手引きの内容をより適切にアレンジして,改心を促す有意義な学習体験を提供することができるようになるでしょう。

注釈と背景情報ほとんどのレッスンには,最後に「注釈と背景情報」の項があります。この項には,学習を深めるための追加情報が記載されています。生徒からの質問として想定されるものに対して考えられる回答や,レッスンに取り入れたい教会指導者の言葉などが見つかります。この項は,「福音ライブラリー」アプリまたはChurchofJesusChrist.orgの「福音ライブラリー」からオンラインで教師用手引きにアクセスしている場合のみ利用できます。「福音ライブラリー」アプリまたは「福音ライブラリー」からオンラインでアクセスしている場合,この項のほとんどの情報は,オンラインのセミナリーカリキュラムや生徒用手引き(「さらに学びを深める〔任意〕」の項目の下)にも掲載されています。「注釈と背景情報」は,教師用または生徒用手引きのPDF版には掲載されていません。

次回担当するレッスンに「注釈と背景情報」が掲載されているか確認してください。生徒に紹介するとよいかもしれない質問,回答,または教会指導者の言葉はありますか。

補足学習活動この項は,レッスンの最後にも掲載されており,学習体験にアプローチするための追加アイデアが記載されています。補足学習活動は,「福音ライブラリー」アプリまたはChurchofJesusChrist.orgの「福音ライブラリー」からオンラインでアクセスしている場合のみ,教師用手引きに掲載されています。この項は,教師用手引きや生徒用手引きのPDF版には掲載されていません。

今後のレッスンに「補足学習活動」の項が掲載されている場合は,それらの活動を確認してください。主要なレッスンに含まれている学習活動と一緒に,またはその代わりとして生徒に用いると効果的だと思うものはありますか。

マスター教義

教師であるあなたの大切な優先事項の一つは,マスター教義の成果を生徒が達成できるようにすることです。これらの成果には,生徒が以下のことをできるようにすることが含まれます:

  • 霊的な知識を得るために神の原則を学び,応用すること。

  • 指定の聖句が教えているイエス・キリストの福音の教義に精通すること。

指定の聖句と,それらの聖句が教えるイエス・キリストの福音の教義に精通すると,生徒は以下のことに習熟したことになります:

  • マスター教義聖句の中で教えられている教義を知り,理解すること。

  • 関連するマスター教義聖句を使って,教義を明確に説明すること。

  • イエス・キリストの福音の教義と霊的な知識を得るための原則を,日々の選択において,また教義的,個人的,社会的,歴史的な問題や疑問に対処するときに応用すること。

  • マスター教義聖句を覚え,その場所を特定し,重要語句を暗記すること。

これは,最初は高い壁に感じるかもしれませんが,この手引きが生徒のマスター教義習熟をサポートするあなたの助けになると信頼してください。この手引きの5つの課のセットにはそれぞれ,生徒がこれらの成果を達成するのに役立つレッスンが含まれています。これらの課は,マスター教義聖句の課,またはマスター教義聖句復習の課です。マスター教義聖句レッスンその前提となる背景の課と同様に,マスター教義聖句の課も必須だと考えてください。セミナリー休講期間中に行われなかった課とともに,マスター教義聖句の課は本年中に教える必要があります。これらの必須レッスンには以下のものが含まれます:

  • マスター教義の紹介

  • 霊的な知識を得る—第1部,第2部,第3部

  • 24のマスター教義聖句レッスンの前提となる背景レッスン

  • 24のマスター教義聖句レッスン(例えば,「マスター教義:ルカ2:10-12」や「マスター教義:ヨハネ3:5」)

マスター教義聖句レッスンは生徒が以下のことを行うのに役立ちます:

  • 聖句の場所と重要語句を暗記すること。

  • 教義を説明すること。

  • 霊的な知識を得るための原則と,その聖句で教えられている教義を応用する練習をすること。

マスター教義復習レッスンマスター教義復習レッスンは,マスター教義聖句を振り返り(場合によっては新しいものを学び),マスター教義の成果に向けて取り組む機会を提供するものです。マスター教義復習レッスンは任意です。クラスが開講期間でなく,生徒がマスター教義聖句レッスンを受講できなかった場合は,マスター教義復習レッスンの代わりに受講できなかったレッスンを行うことができます。

生徒が学習を評価するのを助ける

評価は,学習における重要な要素です。立ち止まって学習を振り返る機会は,生徒にとって前向きな経験となり,もっと天の御父やイエス・キリストのようになることを目指して継続的に成長し前進する動機付けとなるでしょう。十二使徒定員会のジェフリー・R・ホランド長老は,教師に向けて次のような鋭い助言を述べています:

Official Portrait of Elder Jeffrey R. Holland. Photographed January 2018.

「忘れないでください。生徒とは何かを入れる容器ではなく,燃え立たせるべき火なのです」

(「天使と驚き」〔教会教育システム訓練放送での説教,2019年6月12日〕,broadcasts.ChurchofJesusChrist.org

生徒に学習を評価する機会を与えることは,ホランド長老の助言を実践する手段の一つです。学習を評価することで,生徒は学習プロセスに積極的に参加するようになり,自分の学習に対してより責任を持つようになります。このカリキュラムには,生徒が何を学び,イエス・キリストの弟子としてどのように成長しているかを振り返る機会となるように設計された学習体験が複数掲載されています。

「学習を評価する」レッスンこの手引きには「学習を評価する」レッスンが多数掲載されています。これらのレッスンは,新約聖書の重要な教義を説明し,自分の態度や願望を振り返り,イエス・キリストの弟子としてより献身的になるための行動を進める中での進捗状況を共有する機会となります。これらのレッスンで,生徒は,自分の成長を実感し,将来的にさらに成長できる分野を特定することで,喜びを感じることができます。

学習理解度確認レッスンコースの折り返し地点と終わりには,マスター教義の成果を達成する能力を評価するために,生徒の学習理解度調査を行います。学習理解度確認レッスンは,理解度調査を実施する少し前に,クラスの時間内に行う必要があります。学習理解度確認レッスンは,本手引きの付録に掲載されています。これらのレッスンには,コースの前半または後半で学習したマスター教義聖句の教義,聖句の場所,重要語句を確認するための復習活動が含まれています。これらのレッスンは,生徒が霊的な知識を得るための原則を復習するのに役立ちます。

学習理解度調査コースの前半と後半の学習理解度調査はマスター教義に焦点を当てるもので,本手引きの付録に掲載されています。生徒は,授業期間中に理解度調査を受けることで,授業内で教師やほかのクラスメートの助けを借りて修正していくことができます。このセミナリーコースの単位を取得するには,各学習理解度調査で75%以上のスコアを獲得する必要があります。理解度調査は必要に応じて何度でも受けることができます。

Two people sitting at a table. Text boxes representing communication.のトレーニング「マスター教義」を参照してください。

オンラインセミナリー教師

オンラインセミナリー教師をしている場合は,セミナリー教師用手引きの内容を参考にしてレッスンの準備をするとよいかもしれません。本手引きのレッスンとオンラインセミナリーカリキュラムのレッスンには同じ内容が多く含まれていますが,セミナリー教師用手引きには,指導に関する指示と補足学習活動も掲載されています。これらのリソースは,生徒の質問に答えたり,オンラインカリキュラムの内容を対応させたり,(教室またはオンラインでの)クラスの準備をするのに役立ちます。

本手引きとオンラインセミナリーカリキュラムに加えて,オンラインセミナリーでの指導に役立つリソースがもう一つあります。各週のオンラインセミナリーカリキュラムには,「オンライン教師への提案」と題した教師用の未公開ページが用意されています。このページには,オンライン学習体験を生徒にとってより有意義なものにするために,様々な提案が掲載されています。提案には以下のものが含まれています:

  • オンラインで教えるためのヒント

  • レッスンの目的

  • 生徒の準備の案

  • オンラインレッスンに関する提案

  • オンラインコンテンツの適応案

オンラインセミナリーカリキュラムは,生徒の必要に応じて調整してください。オンラインセミナリーカリキュラムに収録されているページはすべて,手を入れたり変更したりしてもかまいません。オンラインカリキュラムの適応案には,以下のようなものがあります:

  • レッスンの活動を修正して,生徒にとってより身近で,興味深いものにすること。

  • 生徒にとって早すぎる,または難しすぎて理解できないと思われる内容があれば削除すること。

  • 内容を,自分やほかのだれかが聖文にある原則や教義について証したり個人的な経験を分かち合ったりするビデオに置き換えること。

  • 引用を,より新しいものや,生徒が理解しやすい引用に差し替えること。

オンラインセミナリー教師は,地元のペース配分ガイドに従うために,オンラインセミナリーカリキュラムの一部レッスンの順序を調整する必要があります。

家庭学習セミナリー教師

家庭学習セミナリー教師をしている場合は,生徒にはセミナリー生徒用手引きのコピー,「福音ライブラリー」アプリ,またはオンラインの福音ライブラリー(ChurchofJesusChrist.org)へのアクセス環境が必要です。どのレッスンを自宅で学習するのか,どのレッスンをオンラインまたは対面でほかの生徒と一緒に学習するのか,生徒とコミュニケーションを取る必要があります。生徒用手引きのレッスンは,教師用手引きの同じレッスンに対応しています。

どのレッスンをクラスで行うのか決める際には,どのレッスンをグループで行うと特に効果的になるか検討してください。生徒に,授業に向けて準備をするうえで助けとなる案内をするとよいでしょう。各レッスンの最初に記載されている生徒の準備に関する提案は,そのためのアイデアとなるはずです。クラスでの学習体験を計画する際には,生徒が最近学習したマスター教義聖句の場所と重要語句を確認する時間を取ってください。

生徒は,生徒用手引きに収録されている番号が付された課題をこなし,少なくとも週に1度提出する必要があります。生徒は,メールやメッセージアプリなどの電子的手段,または学習帳を使って課題を提出することができます。生徒が学習帳で課題を提出する場合は,学習帳を二つ所持する必要があります。一つを必要に応じて教師に提出しながら,もう一つの学習帳で学習を続け,会う度に学習帳を交換します。

生徒の提出課題を確認する際には,具体的で有意義なフィードバックを提供してください。生徒を励まし,学習における成長を促す方法を見つけましょう。また,1週間の中でやり取りする方法があると,生徒にとって大きな助けとなります。例えば,あなたが本手引きのレッスンを研究している間に生徒が同じレッスンを自宅で学習している場合は,本手引きの質問,推奨ビデオやその他のリソースを,メールやグループテキスト,その他のコミュニケーション手段を通して生徒に伝えるとよいでしょう。また,クラスの結束を強め,福音を学び,ともに成長する中で,聖徒たちが帰属感を持てるように,生徒にリマインダーや励ましのメッセージを送るのもよいでしょう。

生徒の学習理解度調査のために本手引きを使用する方法については,

のトレーニング「学習理解度調査トレーニング」を参照してください。