教師養成スキル
イエス・キリストについて証する象徴を探す。


「イエス・キリストについて証する象徴を探す」『教師養成スキル:イエス・キリストに焦点を当てる』(2023年)

「イエス・キリストについて証する象徴を探す」『教師養成スキル:イエス・キリストに焦点を当てる』

イエス・キリストに焦点を当てる:何を教えていようと,イエス・キリストについて教える

イエス・キリストについて証する象徴を探す。

スキル

生徒が聖文の象徴を通してイエス・キリストについて学ぶことができるような質問をする。

聖餐のパスをする男の子

定義する

『救い主の方法で教える』には次のように書かれています。「主は『すべてのものは,……わたしのことを証するために創造され,造られ〔た〕』(モーセ6:632ニーファイ11:4も参照)と宣言されました。この真理を心に留めると,聖文の中から救い主について証する数多くの象徴を理解することができるよう〔生徒を助ける〕ことができます。さらには,聖文に登場する預言者やそのほかの忠実な男女の生活の中に,救い主の生涯との類似点を見いだすこともできるようになります。象徴を探し求めると,それ以外の方法では見過ごしてしまうかもしれない箇所からも,救い主に関する真理が見つかるようになります。」(7ページ)聖文の中の人々や場所,出来事や物がどのようにイエス・キリストについて教え,証し,イエスと関連し,イエスを思い起こさせてくれるかを生徒が考えることができるような質問をすることで,生徒がイエスを見いだすことができるよう助けることができます。これらの質問は,生徒に聖文を読んでもらう前か後に尋ねることができます。このような質問の例として,以下のようなものがあります。

  • の中からどのようなイエス・キリストの特質を見いだすことができますか。

  • これらの節にある事柄は,イエス・キリストとどのように関連しているでしょうか。

  • この記録はどのようにイエス・キリストを証しているでしょうか。

  • この話の中で,イエス・キリストのどのような象徴を見いだすことができますか。

以下のモデルと練習は一般的な例です。モデルや練習の機会を,次に扱う教科課程のレッスンと結びつけると,訓練の効果が高まります。

モデル

教師がヨハネ10章を学ぶようクラスを導く際に,次の質問をします。

  • 2節で言及されている「門」には,イエス・キリストのどのような特質が見られますか。

  • 3節の「門番」は,イエス・キリストとどのように関係しているでしょうか。

  • ヨハネ10章から,ほかにどのようなイエス・キリストの象徴を見つけられますか。

1:0

練習1

  1. 使徒3:1-7にある話の中にイエス・キリストを見いだす助けとなるよう,どのような質問をすることができますか。

  2. 今後2週間の教科課程で予定されている聖句ブロックを確認してください。生徒がイエス・キリストに目を向けるうえで助けとなる,どのような質問をすることができるでしょうか。

話し合う,または深く考える

  • すべてのことの中にイエス・キリストを見いだすよう人々を招くことには,どのような価値がありますか。

  • 聖文の中に救い主を見いだすことで,あなたの生活はどのような影響を受けてきましたか。

取り入れる

  • 各レッスンを進めるうえで,聖文にある救い主の象徴について考え,生徒がそれらを見いだす助けとなる質問をします。

さらに深く知る

スキル

聖文に出てくるイエス・キリストを象徴する実物を使って,生徒が感覚的に体験できるようにする。

聖餐のパンと水

定義する

預言者や使徒は,イエス・キリストとその贖罪について教えるためにしばしば象徴を用います。また,救い主御自身が教えの中に象徴を取り入れ,「すべてのものは……わたしのことを証するために創造され,造られている」(モーセ6:63)と宣言されました。生徒が聖文の象徴を通して救い主の使命と贖罪をよりよく理解するのを助けるために教師ができることの一つは,実物を使って生徒が感覚的に経験できるようにすることです。感覚的な経験とは,聖句ブロックを読む前や読んでいる間,読んだ後に,象徴的な物に触れたり,匂いをかいだり,聞いたり,見たり,味わったりするよう生徒を招くことです。これにより,その象徴について,またそれが救い主について何を教えているかについて,生徒の理解を深めることができます。教師は以下の方法で,生徒が感覚的な経験をできるようにすることができます。

  1. 生徒に体験してもらいたい,聖句ブロックに出てくる実物を提示する。

  2. その実物を使って生徒が何をするかを説明する。

  3. 生徒がその象徴と救い主を結びつけるのに役立つ質問をする。

以下のモデルと練習は一般的な例です。モデルや練習の機会を,次に扱う教科課程のレッスンと結びつけると,訓練の効果が高まります。

モデル

  • ジョーンズ姉妹はヒラマン5:12を教えています。中くらいの大きさの石を一つ持ってきて,生徒たちに回してもらいます。生徒たちが順に石に触れているときに,ジョーンズ姉妹は生徒たちにこう言います。「石を手に取り,ヒラマンが,救い主や,わたしたちの土台のたとえとして岩を選んだのはなぜだと思うか,深く考えてください。」

  • ゴンザレス兄弟は,小さなコップに入った水をそれぞれの生徒に渡し,その水について考えながら,ヨハネ4:10-14を研究するように生徒たちを招きます。「水について知っていることの中で,救い主が天の御父の計画における御自分の役割について教えるために『生ける水』という概念を用いられた理由になったと思われることはありますか」と生徒に尋ねます。

ここをクリックして,このモデルのビデオを御覧ください。

0:42

練習する

以下の聖句ブロックと項目について,その実物をどのように提示するか,生徒にその実物を使って何をしてもらうか,そして生徒がその実物を救い主に結びつける助けとなる質問を書いてください。

話し合う,または深く考える

  • この練習からどんなことを学んでいますか。

  • 象徴的な実物を使って感覚的に味わう経験を生徒に提供することは,単に象徴について話すのとどのような点で異なりますか。

取り入れる

  • レッスンを準備する際,聖句ブロックに出てくるイエス・キリストを象徴する物を,生徒が感覚的に味わう経験ができるような機会を探しましょう。

さらに深く知る

「聖文の象徴を理解する」『聖文研究のスキル』(2024年),福音ライブラリー