「学習者の名前を挙げて祈る」『教師養成スキル:教える人々を愛する』(2023年)
「学習者の名前を挙げて祈る」『教師養成スキル:教える人々を愛する』
キリストのような教え方の原則:教える人々を愛する
学習者の名前を挙げて祈る。
スキル
生徒を助ける方法を祈り求め,聖霊の促しに従う。
定義する
生徒のために定期的に祈ることにより,あなたは,神が生徒に対して抱いておられる愛をさらに感じ,生徒が安心して心地よく学ぶことのできる場を提供したいという望みが増します。また,生徒の状況と必要をさらに理解できるよう,天の御父に助けていただくこともできます。わたしたちは霊的な事柄や祈りの答えを強制することはできませんが,生徒のために祈ることにより,聖霊の導きを招き,生徒を助ける能力を増すことができます。自分が受けた促しに従って行動することは,それぞれの生徒の学習経験を改善するうえで助けになるでしょう。教師が生徒への愛を増すためにできる努力の一つは,生徒についてすでに知っていることについて考えてから,その生徒に対してどのようにさらに愛を示すことができるかを,祈りの気持ちで考え,尋ねることです。教師はこれらの考えを念頭に置いて祈るときに,御霊の促しを確認し,それに従って行動するよう努めるべきです。
モデル
以下は,生徒一人一人を助ける方法をどのように祈り求め,聖霊の促しに従えばよいかの例です。
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あなたは,最近ジョンがクラスに積極的に参加しようとしていないことに気づきました。あなたは天の御父に,どのようにすれば最もよくジョンを助けられるか尋ねます。ジョンがクラスに来たら話すべきだと感じました。最近あまりレッスンに積極的に参加していない理由について単に尋ねるよりも,ジョンの最近の関心事について尋ねるべきだと感じました。明日,クラスが始まる前に話そうと思っています。
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マリアはこの数週間,気づいたことや証を定期的に述べてくれています。あなたは次のクラスの前に,どうすればマリアが進歩し続けるのを助けられるか,天の御父に尋ねました。発言の少ない生徒や,気持ちを率直に伝えるのに苦労している生徒と組ませてみてはどうかと思いつきました。明日のレッスンの計画に,生徒が発言をする機会を追加しました。
教える生徒を愛する—生徒のために祈る
練習する
次の練習の一つまたはそれ以上を使って,生徒のために祈り,その結果与えられる促しに従って行動する能力を向上させてください。
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クラスに親しい友人があまりいないように見える生徒を一人選ぶ。その生徒を助けるための最善の方法について祈る。受けた促しを行動に移す計画を立てる。
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クラスでよく発言する生徒を一人選ぶ。その生徒の学びをよりよくし続ける方法について,その生徒のために祈る。受けた印象に従って行動する。
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最近クラスで見かけない生徒を一人選ぶ。その生徒のために祈り,手を差し伸べ,その生徒が愛され,必要とされていると感じられるように助ける最善の方法を主に尋ねる。受けた印象に基づいて計画を立て,いつその計画を実行に移すかを決め,やり遂げる。
話し合う,または深く考える
この経験から学んだことについて深く考えてください。思いついたことを,学習帳に書き留めてもよいでしょう。次の質問について考えてください。
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生徒について祈るために,これまでにどのような努力をしてきただろうか。
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生徒のために祈り,生徒の学びを改善できるよう助ける能力を高めてくれることとして,この過程からわたしは何を学んだだろうか。
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引き続き改善するために,何を行えばよいだろうか。
取り入れる
生徒を助ける方法を祈り求め,聖霊の促しに従うための行動計画を立てます。行動計画を立てる際,以下に提案されているステップに従うとよいでしょう:
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上記の練習を一つ選び,それを集中的に練習する。
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それをどのように取り入れるか決める。
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取り入れる時期を計画する。
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天の御父に助けを求める。
さらに深く知る
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ニール・L・アンダーセン 「信仰と希望と慈愛の教室” 」 (2014年2月28日,中央幹部との夕べ), broadcasts.ChurchofJesusChrist.org
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チャド・H・ウェッブ「何よりも」(宗教教育セミナリー・インスティテュート年次訓練放送,2019年6月12日), broadcasts.ChurchofJesusChrist.org
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「生徒を愛する」『救い主の方法で教える』(2016),6
スキル
ほかの生徒のために祈るよう生徒を招く。
定義する
ほかの人々のために天の御父に祈る機会は,天の力を呼び求め,より強い友情を築き,生徒や教師を結ぶ愛のきずなを強める信仰の行いです。教師は,個人の祈りやクラスの開会または閉会の祈りで,クラスメートのことを思い起こすよう生徒を招くことができます。場合によっては,祈りの中でその個人について具体的に述べることもあるでしょう。また,祈りの中で名前を述べるだけで十分な場合もあります。この招きをクラスが始まる前にリマインダーとして与え,レッスン中ならびに閉会の祈りの前の適切なタイミングで強調するとよいでしょう。
(注:生徒によって,あるいは状況の内密性によっては,特定の生徒の名前を挙げて祈る許可を求めることが大切なこともあるでしょう。)
モデル
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閉会の祈りの前に,ゴードン姉妹は生徒たちに,大学受験を控えるクラスメートのために祈るよう呼びかけました。「今週は多くのクラスメートが大学受験を控えていますので,お祈りの中でその人たちのことを思い出してくれると,彼らにとって大きな祝福になるでしょう。」
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デビッドはサンチェス兄弟に,愛する人が亡くなったので今週はクラスに出席しないとのメッセージを送りました。デビッドの許可を得て,サンチェス兄弟は次のような話でクラスを始めました。「先週,デビッドのおばあさんが亡くなりました。このつらい時期に,皆さんの祈りの中で,デビッドとその家族を思い起こしていただけますか。」
Love Those you Teach- Invite Students to Pray for Others
練習する
次の練習の一つまたは複数を使って,クラスメートのために祈るよう生徒を招く能力を向上させてください。
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何人かの学生が,近々予定されている出来事について不安を感じています。この出来事について不安を抱いている人々のために祈るよう生徒に勧めるために言うとよい招きの言葉を書いてください。
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主からの特別な助けを必要としている生徒を思い浮かべてください。その生徒のために祈るよう生徒たちを招く方法を書いてください。
話し合う,または深く考える
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練習する中で,このように招くうえで役立つこととして,ほかにどのようなことが思い浮かびましたか。
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あなたの知っている人が,ほかの人の祈りによって祝福されたのはどのようなときでしたか。
取り入れる
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これから2週間を通して,クラスメートのために祈るよう生徒を招く機会を見つけるようにします。そして招きの言葉をかけましょう。
さらに深く知る
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「救い主は御自身が教えた人々のために祈られた」(「教える人々を愛する」『救い主の方法で教える』〔2022年〕),福音ライブラリー
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デビッド・A・ベドナー「原則3」「常に祈りなさい」『リアホナ』2008年11月号,43-44