「学習者が聖文の中にある真理を求め,識別し,理解することができるよう助ける」『教師養成スキル:教義を教える』(2023年)
「学習者が聖文の中にある真理を求め,識別し,理解することができるよう助ける」『教師養成スキル:教義を教える』
キリストのような教え方の原則:教義を教える
学習者が聖文の中にある真理を求め,識別し,理解することができるよう助ける。
スキル
生徒用自己評価表を作り,生徒が聖文学習スキルについての現在の理解度と能力を認識できるよう助ける。
定義
自己評価は,生徒が選択の自由を行使して,学習経験の責任を負うことを学ぶ,大切な方法です。度々生徒に聖文学習スキルの評価をしてもらうことにより,教師は,生徒が自立して聖文学習を行えるようになるために,どのような学習経験を作る必要があるかを知ることができます。このような評価には様々な形式があります。段階評価や自由回答形式の質問,自己評価などです。これらを使って,生徒が,(1)現在の聖文学習の状況を評価し,(2)何を改善したいかを知り,(3)その後,自分が望む結果に至る助けとなる学習スキルを選択するのを,教師が助けることができます。
モデル
以下は,聖文学習スキルに関する異なる種類の自己評価のモデルです。
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1から10の段階で,各章でイエス・キリストを見いだせる自信がどのくらいあるだろうか。
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もしわたしが……ならば,各章でもっとよくイエス・キリストを見いだせると思います。
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各章でイエス・キリストを見いだすうえで役立つ学習スキルは……です。
練習
「定義」の項に記されている3つの要素を含む,生徒の学習スキルの自己評価表を作成しましょう。だれかにそれを見てもらい,どの程度役立つか意見を聞きます。
話し合う,または深く考える
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生徒が自分の聖文学習スキルを評価するのを助けることの重要性について,どのようなことを学んでいますか。
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聖文学習スキルを評価するのを助けることにより,生徒が神の御言葉について有意義な経験をさらに積む能力はどのように増すでしょうか。
取り入れる
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今から年度の終わりまで毎週,個人の聖文学習スキルを生徒に自分で評価してもらう。
さらに深く知る
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“Lesson 5: Techniques of Effective Scripture Study,” Scripture Study—The Power of the Word Teacher Manual, ChurchofJesusChrist.org
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「毎日の聖文研究と目標」 現職指導者向けリソース
スキル
評価のための質問をよく考えて,メディア,個人的な話,実物を用いたレッスンを注意深く選ぶ。
定義する
ニール・L・アンダーセン長老は,セミナリーとインスティテュートの教師に,次のように注意を促しました。「メディアや個人的な話,実物を使ったレッスンの際に気をつけてください。効果的に用いれば,レッスンの興味深さと深みを増すものですが,強調しすぎれば,教えから注意をそらす可能性があります。手順がメッセージより目立ってしまうのです。」(「イエス・キリストの力と純粋な教義」〔教会教育システム宗教教育者への説教,2023年6月11日〕,福音ライブラリー)教師はこの勧告に従い,自分の選択を慎重に決定する助けとなる,評価のための質問をよく考えるとよいでしょう。以下は,自問するとよい質問の例です。
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これは,教えられている事柄をぼやかすことなく,興味や深みを増すだろうか。
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これは,生徒がレッスンの内容を理解するのに役立つだろうか。
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時間がかかりすぎないだろうか。
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これは生徒たちを救い主とメッセージに結びつけるだろうか,それとも引き離してしまうだろうか。
教師がレッスンの準備の途中で時間を取って,どのようなメディアや物語,実物を使って教えるかを考える際,聖霊は,教師が注意深くなり,メッセージの本来の意図から注意をそらすことのないよう助けてくださるでしょう。
以下のモデルと練習は一般的な例です。モデルや練習の機会を,次に扱う教科課程のレッスンと結びつけると,訓練の効果が高まります。
モデル
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トロイ姉妹はアルマ5章のレッスンを準備しています。トロイ姉妹は,実物を使ったレッスンをしたいと思っています。活動を組み立て,資料を集めながら,次のように自問します。「この実物を使ったレッスンは,生徒たちを救い主とメッセージに結びつけるだろうか。それとも,引き離すだろうか。」トロイ姉妹は,それが生徒たちをイエス・キリストに結びつけるだろうと判断し,それをレッスンプランに入れることにしました。
練習する
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あなたは祈りの原則を教える準備をしています。教会が制作した,祈りに関するビデオを見せたいと思っています。このビデオを使用するかどうかを決めるために,どのような質問について考えるとよいでしょうか。上記の質問を一つ以上,あるいは自分で考えた質問を使って,ビデオを使用するかどうかを決めてください。
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次のレッスンで,メディア,個人的な話,実物を使ったレッスンをどこで使うか決めましょう。何を使うかを決めるために,どのような質問について考えるとよいでしょうか。
話し合う,または深く考える
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このスキルを練習してみて,あなたは何を学び,何を感じましたか。
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時間を取って,メディアや物語,実物を使ったレッスンの利用を評価すると,学習経験にどのような違いが生まれるでしょうか。
取り入れる
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レッスンを準備するたびに,時間を取って,メディアや個人的な話,実物を使ったレッスンの目的について考えてください。御霊の導きに従って進んで変更し,適応させてください。
さらに深く知る
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ニール・L・アンダーセン「イエス・キリストの力と純粋な教義」〔教会教育システム宗教教育者向けの説教,2023年6月11日〕,福音ライブラリー