末日の偽りの教義から自分自身を守る

十二使徒定員会のクエンティン・L・クック長老は次のように述べました。「わたしたちは困難な時代に生きています。『悪を善と呼び，善を悪と呼〔ぶ〕』傾向はひどくなる一方です。〔2ニーファイ15：20。イザヤ5：20も参照〕」（「ブリストルの船のように—順風でも逆風でも，神殿にふさわしく」『リアホナ』2015年11月号，40）主は偉大な先見の明と愛をもってモルモン書を備えてくだいました。この書物は現代にまん延する偽りの教えや考え方を明らかにするのに役立ちます。このレッスンで研究を進めながら，偽りを識別し，真理に堅く立つためにモルモン書のどの原則が役立つのか，考えてみましょう。

セクション1

今日の世にあって，モルモン書は偽りの教えから，どのようにわたしを守ってくれるのだろうか

偽りの教えからわたしたちを守るモルモン書の力について，エズラ・タフト・ベンソン大管長とラッセル・M・ネルソン大管長は次のように教えました。

モルモン書はキリストの敵を明らかにします。偽りの教義を打ち破り，……またモルモン書は謙遜にキリストに従う者たちに，今日の悪魔の企てや戦略，教義に対抗できる力を与えます。（『歴代大管長の教え—エズラ・タフト・ベンソン』124）

モルモン書は主の教えを明らかにすると同時に，サタンの策略を暴き出します。〔2ニーファイ26－33章参照〕モルモン書はまことの教義を教えて，……偽りの宗教的伝統を一掃します。「モルモン書—この書物なしの人生とは」『リアホナ』2017年11月号，62）

ニーファイはモルモン書の出現に関する注目すべき預言を記録しました。それはイエス・キリストの福音の回復において重要な一部を成します（2ニーファイ27：6－23参照）。その後でニーファイは，人々を迷わせる偽りの教師，愚かな教義，悪魔の策略について預言しました（2ニーファイ28章参照）。

クラスに備えて学ぶ

2ニーファイ28：7－9，20－22，29－30を読み，末日にわたしたちが出遭うであろうとニーファイが預言した偽りの教えにしるしを付けてみてください。

クラスに備えて深く考える

モルモン書を毎日研究することで，聖霊がわたしたちの生活に訪れます。真理と誤りを見分けるうえで，聖霊は大きな助けとなります。末日にわたしたちが遭遇するとニーファイが警告した偽りの教えの実例に，これまでに出遭ったことがありますか。どのようにして偽りの教えだと分かりましたか。そのような偽りの教えから自分を守るために，どのようなことをしてきましたか。

セクション2

イエス・キリストを信じる信仰を打ち砕こうとする人々に対して，どのような備えができるだろうか

モルモン書は反キリストについて警告しています。反キリストとは，「人や事物を問わず真実の福音の救いの計画を装うもの，また公然か否かを問わずキリストに敵対するすべてのもの」です（『聖句ガイド』「反キリスト」の項，scriptures.lds.org）。反キリストについて，ネルソン大管長は次のように語りました。

反キリストのコリホルを覚えているでしょうか。方々を巡り救い主に関する偽りを言いふらしていたコリホルは，ついにある大祭司の前に連れて来られ，こう尋ねられました。「なぜあなたは方々歩き回って主の道を曲げようとしているのか。なぜキリストは現れるはずがないとこの民に教えて，彼らの喜びを妨げるのか。〔アルマ30：22〕

キリストや主の教義に反するものはすべて，わたしたちの喜びを妨げます。それには，インターネットやブログ上で実に多く見られる人の哲学も含まれており，コリホルとまったく同じ影響を与えています。（「喜び—霊的に生き抜く道」『リアホナ』2016年11月号，83－84）

自分の考えを記録する

レッスンに備えて，次の話のうち一つを研究してください。（1）シーレムとヤコブ，（2）ニーホルとギデオン，（3）コリホルとアルマ。（注：これらの箇所に関連する参照聖句は下記のセクションにあります。）これらはいずれも，主とその教会に反対する反キリストと，イエス・キリストを信じる信仰をもって立ち向かう人々の話です。学習を進めながら，以下の質問に対する答えを学習帳に書いてください。学んだことを分かち合う準備をして，クラスに出席しましょう。

研究のための質問

イエス・キリストとその福音を信じる人々の信仰を打ち砕くために，この反キリストはどのような策略を用いましたか。
この話の中で反キリストが教えている偽りの考え方や，使用している手法で，現代でも見られる実例にはどのようなものがあるでしょうか。サタンは現代において，そのような偽りの考え方をどのような方法で広めているでしょうか。
偽りのメッセージと向き合った忠実な人々の実例から，どのような原則や対応の仕方をあなたは学びましたか。（少なくとも3つ挙げてください。）現代において，これらの原則や対応の仕方を用いて偽りの教義や訴えに対抗するにはどうすればよいでしょうか。

以下のリソースを活用して，選んだ話について調べましょう。

シーレムとヤコブ

モルモン書ヤコブ7：1－14を読むか，モルモン書ビデオから「キリストを否定するシーレム（ヤコブ7章）」の，タイムコードの4分20秒までを観て，前述の研究のための質問に答えてください。

シーレム，キリストを否定する | ヤコブ7章
ヤコブ7章 | シーレムはキリストの教義に反する教えを説き，しるしを求める。また，神の力によって打たれて，自分の罪を告白してから死ぬ。

ヤコブの霊的な土台が，シーレムの主張に打ち勝つための力の源でした（モルモン書ヤコブ7：5参照）。十二使徒定員会のロナルド・A・ラズバンド長老の次の言葉を読み，ヤコブの模範にどのように従うことができるか考えてみましょう。

〔信仰を保つことに苦労している人々〕に助言を与えているとき，わたしは，神聖な経験を忘れさせ，自分を弱くし，疑いを生じさせるような決断を長年にわたってその人が下してきてはいないかを探るようにしてきました。今，わたしが皆さんに勧めているように，特に危機に直面しているときには，御霊を感じたときのこと，証が強かったときのことを思い出すよう彼らに勧めました。自分が築いてきた霊的な基を思い出すように言ったのです。わたしは約束します。このことを行い，証を強く確かなものにするのを妨げたり，皆さんの信仰をあざけったりするものを排除するなら，強い証のあったあの貴い日々の記憶が，謙遜な祈りと断食を通して再びよみがえるでしょう。イエス・キリストの福音の安らぎと温かさを再び感じるようになると皆さんに約束します。（「忘れない」『リアホナ』2016年11月号，114）

イエス・キリストやその福音を信じる信仰が反論されたときのことで，思い出せる霊的な経験を少なくとも一つ学習帳に書き留めてください。

ニーホルとギデオン

アルマ1：2－16を研究して，先述の研究のための質問に答えてください。ニーファイの次の教えに留意することが役立つでしょう。「偽善売教とは，利益と世の誉れを得るために，説教をして自分自身を世の光とすることであって，シオンの幸いを求めることではない。」（2 ニーファイ26：29）

ニーホルの偽りの教えはなぜ一部の人々に喜んで受け入れられたのだと思いますか。大管長会のダリン・H・オークス管長が敵の策略について述べた次の言葉を読み，それがアルマ1：4に記されたニーホルの教えにどのように当てはまるか考えましょう。

サタンは恐ろしい詐欺師であり，偽りの父です（ヨハネ8：44参照）。それはサタンが偽りだけを言うからではありません。その最も効果的な偽りは，部分的な真理，あるいは真理が混ざったうそです。(“Reading Church History” [address to Church Educational System religious educators, Aug. 16, 1985], 9)

次の質問の答えを学習帳に書いてください。人気があっても間違っているものを脇に置いて，正しいことを選ぶ勇気をもっと育むにはどうしたらいいだろうか。

コリホルとアルマ

アルマ30：12－18， 23，27－28，32－33，39－46を読んで，先述の，研究のための質問に答えてください。

十二使徒定員会のM・ラッセル・バラード会長は，教会員に向けて次のように勧告しています。

偽預言者と偽教師である男女に注意しましょう。彼らは，自分勝手に教会の教義を説き，教会の基本原則を覆そうとする内容のシンポジウム，書物，および専門雑誌を提供することによって，誤った教義を広め，仲間を集めようとしています。神のまことの預言者に反することを語り，それを公表する人々に注意してください。また，そそのかす相手の永遠の幸福には関心のない熱心な伝道者たちにも気をつけてください。（「偽預言者と偽教師を警戒しなさい」」『リアホナ』2000年1月号，73－74参照）

アルマは真理の証を述べながら，コリホルに神の存在を示す幾つかの証拠を示しました。あなた自身が「神がましますことを示し」ている（アルマ30：44）と理解している証拠を，学習帳に書いてください。それらの証拠によって，神に対するあなたの信仰と証はどのように強められていますか。