1 「さて，わたしの愛あいする同胞はらからよ，わたしがこれらのことを読よんだのは，イスラエルの家いえに属ぞくするすべての者ものと交かわされた主しゅの聖せい約やくについて，あなたがたに知しらせるためである。

2 この聖せい約やくは，ユダヤ人じんが神かみのまことの教きょう会かいと群むれに回かい復ふくされ，彼かれらの受うけ継つぎの地ちに集あつめ戻もどされ，彼かれらに約やく束そくされたすべての地ちに定てい住じゅうする時ときが来くるまで，主しゅが初はじめから代よ々よ，聖せいなる預よ言げん者しゃたちの口くちを通とおしてユダヤ人じんに語かたってこられたものである。

3 見みよ，わたしの愛あいする同胞はらからよ，わたしがこれらのことをあなたがたに話はなすのは，主しゅなる神かみがあなたがたの子し孫そんに授さずけられる祝しゅく福ふくのことで，あなたがたが喜よろこびを味あじわい，とこしえに頭あたまを上あげていられるようにするためである。

4 わたしはあなたがたが，すなわちあなたがたの多おおくが将しょう来らいのことを知しろうとして，大おおいに探さがし求もとめてきたことを知しっている。その結けっ果かわたしに分わかるのは，わたしたちの肉にく体たいは必かならず衰おとろえて死しぬけれども，将しょう来らいわたしたちが肉にく体たいにあって神かみにまみえることを，あなたがたが知しっているということである。

5 また，まことにわたしに分わかるのは，わたしたちが出でて来きたエルサレムで，将しょう来らい，神かみが肉にく体たいにあって人ひと々びとに御ご自じ身しんを現あらわされることを，あなたがたが知しっているということである。そのことが，彼かれらの中なかで起おこることが必ひつ要ようだからである。すべての人ひとが大おおいなる創そう造ぞう主ぬしに従したがうようになるためには，創そう造ぞう主ぬし御ご自じ身しんが肉にくにあって人ひとのなすがままになり，すべての人ひとのために亡なくなられることが必ひつ要ようなのである。

6 死しがすべての人ひとに及およぶようになったので，大おおいなる創そう造ぞう主ぬしの憐あわれみに満みちた計けい画かくを成じょう就じゅするためには，復ふっ活かつの力ちからが必かならずなければならない。その復ふっ活かつは，堕だ落らくのゆえに必かならず人ひとに及およばなければならない。堕だ落らくは背そむきのゆえに生しょうじたのである。そして，人ひとは堕だ落らくしたために主しゅの御み前まえから絶たたれてしまった。

7 したがって，贖しょく罪ざいは無む限げんの贖しょく罪ざいでなければならない。もしそれが無む限げんの贖しょく罪ざいでなければ，この朽くちるものが朽くちないものを着きることはできない。したがって，人ひとに下くだった最さい初しょの裁さばきが限かぎりなく続つづかなければならない。もしそうならば，この肉にく体たいは横よこたえられ，朽くち果はてて母ははなる大だい地ちに返かえり，もう二に度どと起おき上あがることがないに違ちがいない。

8 おお，神かみの知ち恵え，神かみの憐あわれみと恵めぐみよ。見みよ，もしも肉にく体たいがもう二に度どと起おき上あがることがないとすれば，わたしたちの霊れいは，永えい遠えんの神かみの御み前まえから落おちて悪あく魔まとなったあの天てん使しに従したがうようになり，もはや起おき上あがることはない。

9 そして，わたしたちの霊れいは，あの天てん使しのようになっていたに違ちがいない。わたしたちは悪あく魔まの使つかいである悪あく霊れいとなって，神かみの御み前まえから締しめ出だされ，偽いつわりの父ちちとともに，彼かれ自じ身しんのように惨みじめな状じょう態たいにとどまっていたに違ちがいない。まことに，その者ものはわたしたちの始し祖そをだました者ものであり，光ひかりの天てん使しであるかのように装よそおい，人ひとの子こらをそそのかして人ひと殺ごろしをする秘ひ密みつ結けっ社しゃを作つくらせたり，あらゆる隠かくれた闇やみの業わざを行おこなわせたりする者ものである。

10 おお，神かみの慈いつくしみの何なんと深ふかいことか。わたしたちがこの恐おそろしい怪かい物ぶつに捕つかまらないように，神かみは逃のがれる道みちを備そなえてくださっている。まことに，その恐おそろしい怪かい物ぶつとは死しと地じ獄ごくであり，わたしはそれを肉にく体たいの死しおよび霊れいの死しと呼よぶ。

11 イスラエルの聖せい者じゃであるわたしたちの神かみの解かい放ほうの道みちにより，わたしが語かたってきたこの死しは肉にく体たいの死しであって，やがてその死し者しゃを解とき放はなす。その死しとは墓はかのことである。

12 また，わたしが語かたってきたこの死し，すなわち霊れいの死しもやがてその死しを解とき放はなす。その霊れいの死しとは地じ獄ごくのことである。したがって，死しと地じ獄ごくとはその死しを解とき放はなさなければならない。すなわち，地じ獄ごくはそこに囚とらわれている霊れいを解とき放はなし，墓はかはそこに囚とらわれている肉にく体たいを解とき放はなして，人ひと々びとの肉にく体たいと霊れいは互たがいに回かい復ふくされる。それはイスラエルの聖せい者じゃの復ふっ活かつの力ちからによるのである。

13 おお，わたしたちの神かみの計けい画かくの何なんと偉い大だいなことよ。今いま語かたったことのほかに，神かみのパラダイスは義ぎ人じんの霊れいを解とき放はなし，墓はかは義ぎ人じんの体からだを解とき放はなさなければならない。そして，その霊れいと体からだは再ふたたび本ほん来らいのものに回かい復ふくされ，すべての人ひとは不ふ朽きゅうとなり，不ふ死しとなる。彼かれらは生いけるものであって，わたしたちのように肉にくにあって完かん全ぜんな知ち識しきを持もつ。わたしたちが持もっている知ち識しきは，そのときに完かん全ぜんになるのである。

14 それでわたしたちは，自じ分ぶんに罪つみがあること，汚けがれていること，裸はだかであることについて，すべて完かん全ぜんな知ち識しきを得える。また義ぎ人じんは，自じ分ぶんの喜よろこびと自じ分ぶんの義ぎについて完かん全ぜんな知ち識しきを得え，潔けっ白ぱくを，まことに義ぎの衣ころもをまとう。

15 そしてすべての人ひとは，この第だい一いちの死しから命いのちに移い行こうすると，すでに不ふ死しとなっているので，イスラエルの聖せい者じゃの裁さばきの座ざの前まえに出でなければならない。それから裁さばきがあって，すべての人ひとは神かみの聖せいなる裁さばきによって裁さばかれなければならない。

16 そして，義ぎにかなった者ものはそのまま義ぎの状じょう態たいにあり，汚けがれている者ものは，そのまま汚けがれた状じょう態たいにある。このことは，主しゅが生いきておられるように確たしかである。主しゅなる神かみがそう言いわれたからであり，これは，決けっして過すぎ去さることのない神かみの永えい遠えんの御み言こと葉ばである。ところで，汚けがれている者ものは悪あく魔まと悪あく魔まの使つかいであり，これらの者ものは，彼かれらのために用よう意いされた永えい遠えんの火ひの中なかに入はいる。彼かれらの苦く痛つうは，炎ほのおがとこしえに立たち上のぼって消きえることのない，火ひと硫い黄おうの池いけのようである。

17 おお，わたしたちの神かみの偉い大だいで公こう正せいなことよ。神かみは御ご自じ分ぶんのすべての御み言こと葉ばを実じっ行こうされるからであり，神かみの御み言こと葉ばがすでに神かみの口くちから出でたもので，その律りっ法ぽうは成じょう就じゅされなければならないものだからである。

18 しかし見みよ，義ぎ人じん，すなわちイスラエルの聖せい者じゃの聖せい徒とたち，イスラエルの聖せい者じゃを信しんじてきた者ものたち，世よの十じゅう字じ架かを堪たえ忍しのんできた者ものたち，世よの辱はずかしめをいとわなかった者ものたち，これらの人ひと々びとは，世よの初はじめから彼かれらのために用よう意いされた神かみの王おう国こくを受うけ継つぐ。そして彼かれらの喜よろこびは，とこしえに満みたされるであろう。

19 おお，イスラエルの聖せい者じゃであるわたしたちの神かみの憐あわれみ深ぶかいことよ。神かみは御ご自じ分ぶんの聖せい徒とたちをあの恐おそろしい怪かい物ぶつ，すなわち悪あく魔まと死しと地じ獄ごくと，無む窮きゅうの苦く痛つうであるあの火ひと硫い黄おうの池いけから救すくわれる。

20 おお，わたしたちの神かみの聖きよさは何なんと偉い大だいなことか。神かみはすべてのことを御ご存ぞんじであり，神かみの御ご存ぞんじでないことはない。

21 神かみは，神かみの声こえに聞きき従したがうすべての人ひとを救すくうために，この世よに来こられる。見みよ，神かみはすべての人ひとの苦く痛つう，まことに男おとこ，女おんな，子こ供どもの区く別べつなく，アダムの家か族ぞくに属ぞくする，生いけるものすべての苦く痛つうを受うけられる。

22 神かみがこれを受うけられるのは，復ふっ活かつがすべての人ひとに及および，大おおいなる裁さばきの日ひに，すべての人ひとが神かみの御み前まえに立たつようにするためである。

23 また神かみは，すべての人ひとに，イスラエルの聖せい者じゃに対たいして完かん全ぜんな信しん仰こうを抱いだきながら，悔くい改あらためて，神かみの御み名なによってバプテスマを受うけなければならないと命めいじておられる。そうでなければ，人ひとは神かみの王おう国こくに救すくわれない。

24 もし彼かれらが，悔くい改あらためて神かみの御み名なを信しんじることをせず，またその御み名なによってバプテスマを受うけることなく，最さい後ごまで堪たえ忍しのぶことをしなければ，彼かれらは罰ばつの定さだめを受うける。イスラエルの聖せい者じゃである主しゅなる神かみが，そう言いわれたからである。

25 それゆえ，イスラエルの聖せい者じゃは律りっ法ぽうを授さずけられた。律りっ法ぽうがないところには罰ばつがない。また罰ばつのないところには罪つみの宣せん告こくもない。そして，罪つみの宣せん告こくのないところで，イスラエルの聖せい者じゃの憐あわれみが人ひと々びとに対たいしてその役やく割わりを主しゅ張ちょうするのはなぜかといえば，それは贖しょく罪ざいのゆえである。彼かれらはイスラエルの聖せい者じゃの力ちからによって救すくわれているからである。

26 その贖しょく罪ざいは，律りっ法ぽうを与あたえられたことのないすべての人ひとにとっても，神かみの正せい義ぎの要よう求きゅうを満みたすので，これらの人ひと々びとは，あの恐おそろしい怪かい物ぶつ，すなわち死しと地じ獄ごくと悪あく魔まと，無む窮きゅうの苦く痛つうである火ひと硫い黄おうの池いけから救すくわれて，彼かれらに息いきをお与あたえになったイスラエルの聖せい者じゃである神かみのみもとに連つれ戻もどされるのである。

27 しかし，すでに律りっ法ぽうを与あたえられ，まことにわたしたちと同おなじように神かみのすべての戒いましめを受うけていながら，それらに背そむき，自じ分ぶんの試ためしの生しょう涯がいをいたずらに過すごす者ものは災わざわいである。その者ものの状じょう態たいは恐おそろしいものである。

28 おお，悪あしき者もののあの狡こう猾かつな策さく謀ぼうよ。おお，人ひとの虚きょ栄えいと意い志しの弱よわさと愚おろかしさよ。人ひとは学がく識しきがあると自じ分ぶんは賢かしこいと思おもい，神かみの勧かん告こくに聞きき従したがわない。そして自じ分ぶん独ひとりで分わかると思おもって神かみの勧かん告こくを無む視しするので，彼かれらの知ち恵えは愚おろかであって役やくに立たたない。そして彼かれらは滅ほろびるのである。

29 しかし，神かみの勧かん告こくに聞きき従したがうならば，学がく識しきのあるのはよいことである。

30 しかし，この世よのものを豊ゆたかに持もつ富ふ者しゃは災わざわいである。彼かれらは自じ分ぶんが富とんでいるので，貧まずしい者ものをさげすみ，柔にゅう和わな者ものを迫はく害がいする。また，彼かれらの心こころは彼かれらの富とみにあるので，富とみが彼かれらの神かみとなっている。そして見みよ，彼かれらの富とみは彼かれらとともに滅ほろびるのである。

31 聞きこうとせずに，耳みみの聞きこえない者もののようになっている者ものは災わざわいである。彼かれらは滅ほろびるからである。

32 見みようとせずに，盲もう人じんのようになっている者ものは災わざわいである。彼かれらもまた滅ほろびるからである。

33 心こころに割かつ礼れいのない者ものは災わざわいである。彼かれらは終おわりの日ひに自じ分ぶんの罪ざい悪あくを知しって打うたれるからである。

34 偽いつわりを言いう者ものは災わざわいである。彼かれは地じ獄ごくに突つき落おとされるからである。

35 故こ意いに人ひとを殺ころす者ものは災わざわいである。彼かれは死しぬからである。

36 みだらな行おこないをする者ものは災わざわいである。彼かれらは地じ獄ごくに突つき落おとされるからである。

37 偶ぐう像ぞうを礼れい拝はいする者ものは災わざわいである。すべての悪あく霊れいを治おさめる悪あく魔まが喜よろこぶからである。

38 要ようするに，罪つみを抱いだいたまま死しぬ者ものは皆みな，災わざわいである。彼かれらは神かみのみもとに帰かえって神かみの御み顔かおを仰あおぐが，罪つみの中なかにとどまるからである。

39 おお，わたしの愛あいする同胞はらからよ，あの聖せいなる神かみに背そむくことの恐おそろしさと，あの狡こう猾かつな者ものの誘ゆう惑わくに負まけることの恐おそろしさを思おもい起おこしなさい。肉にくの思おもいを抱いだくことは死しであり，霊れい的てきな思おもいを抱いだくことは永えい遠えんの命いのちであることを覚おぼえておきなさい。

40 おお，わたしの愛あいする同胞はらからよ，わたしの言こと葉ばに耳みみを傾かたむけなさい。イスラエルの聖せい者じゃの偉い大だいさを思おもい起おこしなさい。わたしがあなたがたに対たいしてひどいことを語かたったと言いってはならない。もしそう言いうなら，あなたがたは真しん理りをののしることになる。わたしはあなたがたの造つくり主ぬしの御み言こと葉ばを語かたってきたからである。わたしは真しん理りの言こと葉ばが，すべての汚けがれに対たいして厳きびしいことを知しっている。しかし，義ぎ人じんは真しん理りを愛あいしており，おののかないので，真しん理りの言こと葉ばを恐おそれない。

41 おお，それで，わたしの愛あいする同胞はらからよ，聖せい者じゃなる主しゅのみもとに来きなさい。主しゅの道みちが義ぎにかなっていることを覚おぼえておきなさい。見みよ，その道みちは人ひとにとって狭せまいが，人ひとの前まえにまっすぐであり，門もんを守まもる者ものはイスラエルの聖せい者じゃである。聖せい者じゃはここには僕しもべを使つかわれない。またその門もんを通とおる以い外がいに，ほかの道みちはない。そしてその御お方かたを欺あざむくことはできない。その御お方かたの御み名なは，主しゅなる神かみだからである。

42 そして，たたく者ものにはだれにでも，主しゅなる神かみは門もんをお開あけになる。しかし，自じ分ぶんに学がく識しきのあることを誇ほこる知ち者しゃや，知ち恵えのあることを誇ほこる学がく者しゃ，富とみのあることを誇ほこる富ふ者しゃ，まことに，これらの者ものを主しゅなる神かみはさげすまれる。彼かれらがこのようなものを捨すてて，神かみの御み前まえで自じ分ぶんを愚おろかな者ものだと思おもって心しん底そこ謙けん遜そんになるのでなければ，主しゅは彼かれらのために門もんをお開あけにはならない。

43 そして，知ち者しゃと賢けん者じゃにかかわるもの，すなわち聖せい徒とたちのために用よう意いされているあの幸こう福ふくは，彼かれらからとこしえに隠かくされるのである。

44 おお，わたしの愛あいする同胞はらからよ，わたしの言こと葉ばを覚おぼえておきなさい。見みよ，わたしは自じ分ぶんの衣ころもを脱ぬいで，これをあなたがたの前まえで振ふり，わたしの救すくいの神かみに，そのすべてを見み通とおす目めでわたしを見みてくださるように祈いのる。それであなたがたは，すべての人ひとが各かく自じの行おこないに応おうじて裁さばかれる終おわりの日ひに，わたしがこうしてあなたがたの罪ざい悪あくをわたしの身みから振ふり払はらったのを，イスラエルの神かみが御ご覧らんになったことと，わたしが神かみの御み前まえに輝かがやいて立たっており，あなたがたの血ちから免まぬがれていることを知しるであろう。

45 おお，わたしの愛あいする同胞はらからよ，罪つみを捨すてなさい。あなたがたを固かたく縛しばろうとする者ものの鎖くさりを振ふり落おとし，あなたがたの救すくいの岩いわである神かみのみもとに来きなさい。

46 義ぎ人じんに公こう正せいな報むくいが与あたえられるあの栄はえある日ひ，すなわち裁さばきの日ひのために，あなたがた自じ身しんを備そなえなさい。そうすればあなたがたは，ひどく恐おそれてしりごみしなくて済すむ。また，自じ分ぶんのひどい罪ざい悪あくをことごとく思おもい出だして，『おお，全ぜん能のうの神かみなる主しゅよ，神しん聖せいです。あなたの裁さばきは神しん聖せいです。わたしは自じ分ぶんに罪つみのあることを知しっています。わたしはあなたの律りっ法ぽうに背そむきました。わたしの背そむきはわたし自じ身しんが犯おかしたものです。そして，わたしはすでに悪あく魔まに捕とらえられており，悪あく魔まのひどい惨みじめな状じょう態たいのとりこになっています』と，やむを得えず叫さけばなくて済すむであろう。

47 しかし見みよ，わたしの同胞はらからよ，わたしがあなたがたに，これらの事こと柄がらが恐おそろしい現げん実じつであることを自じ覚かくさせる必ひつ要ようがあるだろうか。あなたがたの思おもいが清きよかったならば，わたしはあなたがたをひどく苦くるしめたりするだろうか。もしあなたがたが罪つみから解かい放ほうされているならば，わたしは，真しん理りの率そっ直ちょくさに従したがってあなたがたにも率そっ直ちょくであろうとするだろうか。

48 見みよ，もしあなたがたが聖せいなる状じょう態たいであるならば，わたしは，聖きよさについてあなたがたに語かたるだろう。しかしあなたがたは，今いま聖せいなる状じょう態たいではなく，またわたしを師しと見みなしてくれているので，わたしは，罪つみの結けっ果かについてあなたがたに教おしえることが必ひつ要ようである。

49 見みよ，わたしの霊れいは罪つみを忌いみ嫌きらい，わたしの心こころは義ぎを喜よろこぶ。そしてわたしは，神かみの聖せいなる御み名なをほめたたえよう。

50 さあ，わたしの同胞はらからよ，渇かわいている者ものは皆みな，水みずの所ところに来きなさい。金かねのない者ものは，さあ，買かって食たべなさい。まことに，さあ，金かねを出ださず，代だい価かを払はらわないで，ぶどう酒しゅと乳ちちを買かいなさい。

51 それゆえ，価か値ちのないものに金かねを使つかってはならない。満まん足ぞくを得えられないものに労ろう力りょくを費ついやしてはならない。熱ねっ心しんにわたしに聞きき従したがい，わたしがこれまでに語かたった言こと葉ばを覚おぼえておきなさい。そして，イスラエルの聖せい者じゃのみもとに来きて，腐くさることも朽くちることもないものを食たべて，豊ゆたかなものによってあなた自じ身しんを喜よろこばせなさい。

52 見みよ，わたしの愛あいする同胞はらからよ，あなたがたの神かみの御み言こと葉ばを覚おぼえておきなさい。日にっ中ちゅうは絶たえず神かみに祈いのり，夜よるは神かみの聖せいなる御み名なに感かん謝しゃし，心こころを喜よろこばせなさい。

53 主しゅの聖せい約やくがどれほど偉い大だいで，人ひとの子こらに対たいして主しゅが御ご自じ身しんを低ひくくされる姿すがたがどれほど偉い大だいであるかを見みなさい。主しゅの偉い大だいさと，主しゅの恵めぐみと憐あわれみのゆえに，主しゅはわたしたちの子し孫そんが肉にくにおいてことごとく滅ほろぼされてしまうことはなく，主しゅ御ご自じ身しんが守まもってくださると，わたしたちに約やく束そくされた。また，後のちの時じ代だいにわたしたちの子し孫そんが，イスラエルの家いえのために一本ぽんの義ぎにかなった枝えだになるとも約やく束そくされた。

54 さて，わたしの同胞はらからよ，わたしはもっとあなたがたに話はなしたい。しかし明あ日す，わたしの言こと葉ばの残のこりを告つげ知しらせることにしよう。アーメン。」