1 さて見よ,レーマン人の王はすべての民の中に布告を出して,国内のどこにおいても,民はアンモンやアロン,オムナー,ヒムナイ,そのほか神の言葉を宣べ伝えながら旅をしているその同僚たちに,手をかけてはならないと告げた。
2 まことに,王は民に布告を出して,民は彼らを捕らえて縛ったり,牢に入れたりしてはならない,つばきを吐きかけたり,打ったり,会堂から追い出したり,鞭打ったりしてはならない,また彼らに石を投げつけてはならない,むしろ彼らが民の家や,神殿や,聖堂に自由に出入りできるようにしなければならないとした。
3 そのため彼らは,思いのままに巡り歩いて御言葉を宣べ伝えることができた。それは,王と王の家のすべての者が主に帰依したからである。王は民にあてて全地に布告を出し,神の言葉が何の妨げにも遭うことなく国中に伝わって,先祖の言い伝えが正しくないことを民が納得するように,また自分たちは皆同胞であるので,殺人や略奪,盗み,姦淫,そのほかどのような悪事も行ってはならないことを納得するように仕向けた。
4 さて,王がこの布告を出した後,アロンと彼の同僚たちは町から町へ,また礼拝の建物から建物へと巡って,国中のレーマン人の中に教会を設け,祭司たちと教師たちを聖任して,彼らの中で神の言葉を宣べ伝え,教えるようにした。このようにして,彼らは大きな成功を収め始めた。
5 そして,何千もの人々が主を知るようになった。まことに,何千もの人々がニーファイ人の言い伝えを信じるようになったのである。そしてこれらの人々には,その当時まで伝えられてきた数々の記録と預言が教えられた。
6 そして,主が生きておられるように確かに,アンモンと彼の同僚たちが啓示と預言の霊によって行った宣教と,彼らを通じて数々の奇跡を行われた神の力によって信仰を持つようになったすべての人,すなわち真理を知るようになったすべての人は,あなたがたに申し上げるが,主が生きておられるように,彼らの説教を信じて主に帰依したレーマン人は皆,二度と道を踏み外さなかった。
7 彼らは義にかなった民となったのである。まことに,彼らは謀反に使う武器を捨てて,もはや神と戦わず,同胞のだれとも戦わなかった。
8 さて,主に帰依したのは次の人々である。
9 すなわち,イシマエルの地にいたレーマン人の民,
10 また,ミドーナイの地にいたレーマン人の民,
11 また,ニーファイの町にいたレーマン人の民,
12 また,シャイロムの地,シェムロンの地,レムエルの町,シムナイロムの町にいたレーマン人の民。
13 以上は主に帰依したレーマン人の住んでいた町の名であり,また謀反に使う武器,すなわち戦争に使うすべての武器を捨てた人々である。彼らはすべてレーマン人であった。
14 ところが,アマレカイ人はたった一人が改宗しただけであり,アミュロン人はだれも改宗しなかった。むしろ彼らは心をかたくなにし,彼らの住んでいる地で,すなわち彼らのすべての村と彼らのすべての町で,レーマン人の心をかたくなにさせた。
15 そのために,悔い改めて真理を知り,改宗したレーマン人の住む町の名を,すべて挙げたのである。
16 さて,王と改宗した人々は,彼らの同国人と区別される名を持ちたいと望んだ。そこで王は,何という名を受けて区別されるのがよいかについて,アロンと多くの祭司たちに意見を求めた。
17 そして彼らは,自分たちをアンタイ・ニーファイ・リーハイ人と名付けた。彼らはこの名で呼ばれるようになり,もはやレーマン人とは呼ばれなかった。
18 そして彼らは,非常に勤勉な民になった。また彼らは,ニーファイ人と親しくなったので,ニーファイ人と交わりを持つようになった。そして,神ののろいはもはや彼らから離れ去った。