1 さて,アミュレクがこれらの言葉を語り終えると,二人は群衆のもとを去り,ジェルションの地へ行った。
2 また,ほかの兄弟たちも,ゾーラム人に御言葉を宣べ伝えた後,ジェルションの地へ行った。
3 さて,ゾーラム人の中で多数派を占める者たちは,ゾーラム人に宣べ伝えられた御言葉について協議した後,御言葉のために自分たちの慣行が崩れたことに腹を立て,宣べ伝えられた御言葉に聞き従わないことにした。
4 そして,彼らは使いを出し,その地の至る所にいるすべての民を集め,宣べられた御言葉について彼らの意見を求めた。
5 さて,ゾーラム人の指導者たちと祭司たちと教師たちは,自分たちの意図していることを民に知らせず,ひそかに民の意向をうかがった。
6 そして,彼らがすべての人の意向を探り出した後,アルマと彼の兄弟たちが語った言葉を支持した人々は,その地から追い出された。これらの人々の数は多く,彼らもまたジェルションの地へ行った。
7 そこで,アルマと彼の兄弟たちは,これらの人々に教えを伝えた。
8 さて,ゾーラム人の民は,ジェルションにいるアンモンの民に腹を立てた。また,ゾーラム人の指導者の長は,非常に悪い男であったので,アンモンの民に使いを送り,ゾーラム人の地から彼らの地に行ったすべての人を,その地から追い出すように求めた。
9 また彼は,アンモンの民を脅す言葉をたくさん吐いた。ところが,アンモンの民は彼らの言葉を恐れなかったので,これらの人々を追い出すことなく,自分たちのもとに来たすべての貧しいゾーラム人を受け入れた。そして彼らは,これらの人々に食べる物や着る物を与え,また土地を受け継ぎとして譲り与えた。彼らは,これらの人々の入り用に応じて必要なものを提供したのであった。
10 さて,このことによってゾーラム人は,アンモンの民に対する怒りをかき立てられた。そして,彼らはレーマン人と交わり始め,レーマン人を扇動してアンモンの民に対して怒らせるようにした。
11 このようにして,ゾーラム人とレーマン人は,アンモンの民とニーファイ人に対して戦う用意を始めた。
12 このようにして,ニーファイの民のさばきつかさの統治第十七年が終わった。
13 アンモンの民はジェルションの地を去ってミレクの地に移り,ジェルションの地をニーファイ人の軍に明け渡して,ニーファイ人の軍がジェルションの地でレーマン人の軍およびゾーラム人の軍と戦えるようにした。このようにして,さばきつかさの統治第十八年に,レーマン人とニーファイ人の間で戦争が始まった。この戦争の話は後に述べることにする。
14 アルマとアンモンと彼らの兄弟たちとアルマの二人の息子は,神の手に使われる者となって多くのゾーラム人を悔い改めさせた後,ゼラヘムラの地に帰った。また,悔い改めに導かれた人々は皆,自分たちの地から追い出されたが,ジェルションの地で自分たちの受け継ぎの土地を得た。そして,自分自身と妻子,および自分たちの土地を守るために武器を取った。
15 さて,アルマは自分の民の罪悪,すなわち民の中にある戦争と流血と争いを嘆き,出かけて行って,すなわち遣わされて,あらゆる町のすべての民に御言葉を告げ知らせた。ところが,民の心はかたくなになり,また御言葉が厳しいために彼らは次第に怒るようになった。それを見たアルマの心は非常な憂いにさいなまれた。
16 そこで,アルマは息子たちを集め,義にかかわることについて,息子たちにそれぞれの責任を与えることにした。アルマが息子たちを戒めた事柄の記録は今わたしたちの手もとにあるが,これはアルマ自身が記録したものである。