女性と聖約の力
わたしたちは神権を通して得ている特権と力によって喜びを味わうことができます。
このように説明しています。「交わした神権の聖約から流れ込む神の力によってエンダウメントを受けている女性には,神権を持つ男性と同じように,天が開かれています。」
「この真理が皆さん一人一人の心に刻み込まれるようにと祈ります。それは皆さんの人生を必ず変えると思うからです」と,ネルソン大管長は言っています。「皆さんは神権の力によってエンダウメントを受けています。皆さんがその力を理解し,主と主の力を信じる信仰を働かせてその力を高めることができますよう,……皆さんに祝福を残します。」
ネルソン大管長は,神権の力について「祈りながら研究し」,「聖霊が自分に何を教えようとしておられるかを見いだ〔す〕」よう教会の女性たちに呼びかけています。女性として学び,啓示を受け,「自分に授けられてきた力を〔さらによく〕理解し,活用する」1よう生ける預言者がわたしたち一人一人に呼びかけているのは,実に喜ばしいことです。
わたしはこれまでの人生を通して,預言者の勧告に従うことによって約束された祝福がもたらされるのを何度も経験してきました。この呼びかけについてもそうです。ネルソン大管長の呼びかけについて考えていると,わたしが神権の力を授けられた場所である神殿と,その力のおかげで生涯にわたって受けてきた賜物のことが,すぐに心に浮かびました。その力が自分の生活の中でどのように現れているのかが分かるようになるには,何年もかかりました。
神権の力は,ちょうど聖霊の賜物のように,愛にあふれる天の御父と,わたしたち個人の義からもたらされます。主との聖約を守ることで,わたしたちは自分の人生について,また家族,仕事,学校など,わたしたちが導きを求めるあらゆることについて啓示を受けることができるようになります。わたしたちにとって大切なことで,主にとって大切でないものなど一つもありません。そして,ともにいるよう御霊を招くとき,わたしたちは聖霊の導きを通して神権の力をより深く理解するようになるのです。
わたしは個人の研究と経験を通して神権の力について学ぶほど,それが生活のあらゆる側面にいかに深く関係しているかが理解できるようになりました。神権の力は,日々の難題について啓示を受ける助けとなります。
わたしは鍵を持つ人から与えられた神権の権能を持って奉仕しているので,これまで数々の召しにおいて考えや言葉を与えられたことが何度もあります。それは,若い女性や扶助協会の姉妹,初等協会の子供がぜひとも聞く必要のあった考えであり,言葉でした。そのような言葉が与えられたのは,わたしがその召しに任命されたときに神権の権能が与えられたからだと,わたしは理解しています。
結婚生活を送る中で,人は段階を経て学び,成長していきます。これは,どんな人間関係についても言えることです。わたしが学んだのは,夫がどんな存在であって自分がどんな存在なのか,神の子供として夫婦で何をなすべきなのかを常に意識していると,自分の心が変わるということです。神権の権能で結び固められていたおかげで,わたしたち夫婦は一致する力を得てきましたし,さらに一致しようという意欲を常に持つことができています。救い主はこう言っておられます。「もしもあなたがたが一つでなければ,あなたがたはわたしのものではない。」(教義と聖約38:27)これは教会についてだけ言っておられるのではありません。家族の関係についても言っておられるのです。
わたしが母親としてヤングアダルトの子供について心配していたときのことを話しましょう。その子は,本人の幸せのためになるはずのないことをしていました。わたしたちはそのことについて話し合うことになり,話をする時間を決めました。電話で話す約束の時間が来る前に,説教の準備はできていました。自分が何を言えばよいか,はっきりと分かっていました。わたしは御霊がともにいてくださるようにと祈りました。会話の冒頭からその電話が終わるまでの間,わたしの口から出てきた言葉は,言おうと決めていたこととはまったく違っていました。しかし,それはまさしくその子が必要としている言葉だったのです。聖霊の賜物のおかげで,わたしたちの心は和らぎ,よい解決策が見つかりました。この実例から,わたしたちの生活の中で神権の力がどのように働くかが分かります。
神権についてわたしが学んだことの一つは,お互いに相手に頼りながら働くときに最も良い働きができるということです。これが主の計画された方法です。これが神の規範なのです。競い合う必要はありません。これらの様々な賜物や才能や能力がすべて,男性からも女性からも必要とされているからです。主は優しく導いてくださっているので,力を合わせて働き,お互いに相手の力をどう尊重し合えばよいのかを,皆が理解できるようになっていきます。これこそが,主の業を成し遂げるための最善の方法です。
女性たちは,自分をほかの人と比較してしまうことがあまりにも多いようです。しかし,自分をほかの人と比べて気分が良くなる人はいません。女性はだれでも,能力や才能を独特の組み合わせで持っており,そのどれもが神から与えられた賜物です。あなたとわたしが同じでないからといって,それでわたしたちの価値が変わるわけではありませんし,違う女性が何人いようとも,一人一人の価値は変わりません。自分の賜物を見つけてそれを伸ばす必要があります。それを授けてくださったのはどなたかを思い起こし,その御方の目的を果たすためにその賜物を活用しましょう。賜物を分かち合ってほかの人たちを祝福するとき,わたしたちは生活の中で神権の力を経験しているのです。
わたしはこれまで,行いを通して信仰と力を示しているたくさんの優れた女性たちと会う機会に恵まれてきました。女性たちは実に驚くべき様々な方法で,自分の才能や能力を差し出しています。家庭や職場,教会,学校,そのほか女性たちが時間を過ごすあらゆる場所で,周囲の人々の生活に大きな影響を与えています。
女性たちは,自分の賜物や才能や力を使って何をすればよいのか,人に言われるのを待つ必要はありません。わたしたちには自分で啓示を受ける能力があります。わたしたちは受け身で待つべきではありません。自分が受ける啓示に従って行動する勇気を持つ必要があります。霊感を求め,霊的な導きにこたえることは,神と交わした聖約を守るときに約束された神権の力を頼っている証なのです。
ネルソン大管長が教えているように,「神の力,つまり神権の力を理解するために御霊を受けて努力することほどすばらしいことがあるでしょうか。」皆さんの理解が深まり,皆さんが主と神権の力を信じる信仰を働かせるならば,主が与えてくださるこの霊の宝に頼る皆さんの能力は,高められます。2そしてわたしは,生ける預言者が語ったこの約束が確かなものであることを知っています。