2021
教義と聖約を自分に当てはめながら読む
2021年1月号


デジタル版のみ

教義と聖約を自分に当てはめながら読む

今年『わたしに従ってきなさい』を学習すると,聖文を自分に当てはめながら読む方法が分かるようになります。

今年わたしたちは,『わたしに従ってきなさい』で教義と聖約を学びます。教義と聖約は,福音の教義や戒めを守ることから得られる祝福,個人の啓示を求めて得ることについて教えています。実際,この書物の大半は主から直接与えられた啓示であり,それは主があなたにも語りかけることがおできになることの確かな証となっています。

自分にとって大切なことは主にとっても大切だということが分かると,個人の聖文研究にはるかに身が入るようになります。主は仕事であろうと,教育,人間関係,ミニスタリング,全般的な生活状況であろうと,あなたの人生のあらゆる分野に心を注いでおられます。教義と聖約には,「主​イエス・​キリスト​の​声​に​耳​を​傾ける​よう​に​と​の​全​地​の​すべて​の​人​へ​の​招き​が​含まれて」おり,「主イエス・キリストは,人々のこの世における幸福と永遠の救いのために語っておられるので」す(教義と聖約の序文)。

そうは言っても,教義と聖約に関して苦労することがあるかもしれません。そんなときのために,さらに自分に当てはめた有意義な学習ができるようになるためのヒントを幾つか紹介しましょう。

1.祈ってから,目的をもって学習する

第1章の最初の言葉は聴きなさいです。これは,熱心に耳を傾けて主の言葉に心を留めなさいという主の命令です。主はあなたに何が必要でどう助けたらよいかを御存じですから,あなたには御自分の言葉を聞いて勧告に従うことを望んでおられます。学習を祈りで始めることによって,あなたは聖霊を招き,促しを敏感に感じて聖句を深く掘り下げて理解することができるようになります。

十二使徒定員会のリチャード・G・スコット長老(1928-2015年)は,こう教えています。「遠い昔から,天の御父は,聖霊の導きを通して人生のきわめて困難な問題への解決策を見いだせるように,えり抜きの男女に霊感を与えてこられました。御父は,これら権能を持つ僕たちに,そのような解決方法を記録するよう霊感を与えてこられました。そのようにして,御父の幸福の計画を信じ,御父の愛する御子イエス・キリストを信じる信仰を持つ子供たちに一種の手引きを与えようとされたのです。」1教義と聖約は,このような書物の一つです。あなたは何をどう学ぶかを深く考えて思い巡らすことによって個人の啓示を受ける備えをするときに,主の導きを受けて働く意志があることを示しているのです。

学習方法を時々変えるのも,視点を変えるのに役立つかもしれません。テーマ別に学習したり,啓示を,与えられた順に学習してから(「年代順に見た目次」参照),教えられている原則を目で見て分かるように印を付けてください。

2.歴史的背景を知る

教義と聖約の啓示がどのような経緯で与えられたのかが分かると,主が教えておられることがよく理解できるようになります。2「これら​の​神聖​な​啓示​は,必要​な​折々​に​祈り​へ​の​答え​として​受けた​もの​で​あり,実在​の​人々​の​現実​の​状況​に​応じて​与えられた​もの​で​ある。預言者​と​彼​の​同僚​たち​は​神​の​導き​を​求めた。そして,これら​の​啓示​は,彼ら​が​その​導き​を​受けた​こと​を​証明​して​いる。これら​の​啓示​から,イエス・​キリスト​の​福音​が​回復​され,明らか​に​され,そして​時​満ちる​神権時代​が​到来​した​こと​が​分かる​の​で​ある。」(教義と聖約の序文

「福音ライブラリー」アプリの「回復と教会歴史」タブには,重要な出来事が起こるに至った歴史に関する偉大なリソースや福音のテーマの論文,世界各地の教会歴史のエピソードが掲載されています。歴史的背景の知識があると,どうすれば主の声を聞くことができるのかを知るために役立ちます。

3.自分に当てはめる

主がある特定の人に語っておられる章が,教義と聖約にはたくさんあります。読む際に,その人の名前を自分の名前に置き換えてみてください。こうすると,主があなた個人に語っておられることが分かり,聖文を自分に当てはめることができるようになります(1ニーファイ19:23参照)。

それに,教義と聖約に出てくるヒーローたちを見つけることも忘れないでください。ニーファイがあなたのヒーローかもしれませんが,それと同じように,自分に似ている人や自分に霊感を与えてくれる人を,教義と聖約の中から見つけるのです。この書物には,良きにつけ悪しきにつけ主に導きと助けを求めた聖徒たちの模範がたくさん載っています。

わたしは各章で主が自分にどんなメッセージを伝えておられるのかが分かるようにとよく祈ったおかげで,教義と聖約に関する証を得ました。わたしは,自分がその一翼を担っている回復の業の土台を据えた人たちの信仰から霊感を受けています。今年この書物を研究することによって,あなたは主が,過去の世代の人たちに語られたと同じように今もわたしたちに語っておられることがどんなにすばらしいことかを知るでしょう。あなたは主が自分のことも自分の個人的な状況も御存じであることを知ります。主は,あなたにしか分からない試練を乗り越えられるよう導いてくださるのです。そして,主を信じるあなたの信仰は,さらに深くなるでしょう。

  1. リチャード・G・スコット「聖文の力」『リアホナ』2011年11月号,6

  2. 『啓示の背景—教義と聖約の啓示の背景となった出来事』マシュー・マクブライドとジェームズ・ゴールドバーグ編,history.ChurchofJesusChrist.org参照

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