レビはマタイとしても知られており,「取税人」,つまり税を取り立てる人でした。レビは忠実なユダヤ人で,主はレビを使徒の一人として召されました。しかし,ユダヤを支配していたローマ政府のために働いていたため,レビや仲間の取税人たちは人々から嫌われていました。パリサイ人は,取税人が実際どのような生活をしていようと,彼らを裏切り者であり,罪人であると考えていました。(新約聖書を学ぶとそのうち分かることになりますが,パリサイ人は「人を裁かない」ということに苦労していました。)
そのため,新たに召されたレビが,イエスとレビの同僚や友人たちが参加する夕食会を催したとき,パリサイ人たちは批判的でした。「どうしてあなたがたは,取税人や罪人などと飲食を共にするのか」とイエスに尋ねたのです(ルカ5:30)。
イエスは,ローマ政府のために働くことが人を罪人にするわけではないと,あえて指摘することはなさりませんでした。また,パリサイ人も含め,(御自身を除いた)すべての人が罪人であると口にされることもありませんでした。
イエスはこう言われたのです。「健康な人には医者はいらない。いるのは病人である。わたしがきたのは,義人を招くためではなく,罪人を招いて悔い改めさせるためである。」(ルカ5:31-32)
イエス・キリストの言葉は,わたしたちにとっても真実であり,主は福音を全世界に携えていくようわたしたちに命じておられます。職業や社会的地位によって人を見下したり,遠ざけたりしていては,そのようにすることはできないのです。