2022
舞台裏のドラマ
2022年6月号


お友達の経験談

舞台裏のドラマ

girl seeing kids talking by stage

わたしの弟はふざけるのが好きで,とても想像力があり,ほかの人のことを気にかけます。わたしが舞台に出るとき,弟はわたしの大ファンの一人です。それから,少し特別な世話が必要です。弟は年のわりにとても体が小さくて,読んだり,書いたり,話したりするのが苦手で,時々人の言いたいことを理解するのに苦労することがあります。そして,耳が聞こえません。

ある日,げきの練習で,舞台に上がろうと階段を上っていると,だれかが障害のある子たちについて意地悪なことを言うのが聞こえました。みんなそれについて冗談を言ったり,笑ったりし始めました。

わたしの気持ちをきずつけるつもりはなかったことは分かっています。それでも,わたしはとても悲しくなり,かくれる場所をさがしに走って行きました。かくれてすわっていると,ある大人の人がそばにこしを下ろし,げきについてわたしに話し始めました。それで気分が良くなっていきました。

家に帰る時間になったとき,わたしはお母さんに何があったか話しました。お母さんは,いやな気持ちにさせるものからはなれていいんだよ,自分の気持ちを大人に話していいんだよ,と言ってくれました。

特別な世話が必要な人や,特別な世話が必要な人と親しい人の気持ちを理解していない人もいます。わたしは,愛と思いやりのお手本になりたいです。

イラスト/クリスティン・ソラ