オリン・S

17歳（カナダ，ブリティッシュ・コロンビア州）

画像

若い男性

写真／クリスティーナ・スミス

家族でヨット旅行に出て，3週間以上陸地を見ずに過ごしました。最初の2週間が過ぎたとき，激しい嵐に見舞われました。帆は風で破れ，甲板に波が打ち上げて，ヨットの前部が完全に水没しました。そのうえ，飲み水もほとんどなくなってしまいました。つまり，もし嵐を乗り切ったとしても，水の心配は消えないわけです。

ぼくたちはヨットの上で唯一まだ水が来ていない場所に固まって座り込み，1時間近く祈り続けました。家族がこの夜を生き延びられるかどうかは分かりませんでしたが，何があっても，自分は家族と一緒だということは分かっていました。ぼくたちは結び固められているからです。

祈り終えたとき，風がやんで波が穏やかになったのが分かりました。ほどなく激しい雨が降り始めました。これは，その海域ではとても珍しいことです。ぼくたちは防水シートを使ってタンクに水をため，奇跡的に旅を乗り切るのに十分な水を確保することができました。

この経験はぼくに，祈りにはどれだけ大きな力があるか，また，天の御父がぼくたちをどれだけ気にかけてくださっているかを教えてくれました。あの嵐のことを思い返すと，福音は真実であり，現実のものなのだと分かります。