「光を求めましょう！」『For the Strength of Youth—青少年の強さのために』2024年1月号
わたしに従ってきなさい
光を求めましょう！
モルモン書はあなたの人生に光と力を与え，これから先，様々な課題に直面しながらも胸躍る日々においてあなたを導いてくれます。
イラスト／ガブリエレ・クラコリチ
子供のころ，わたしはモルモン書の中のヤレドの兄弟の話が大好きでした。ヤレドの兄弟の経験が，まるで映画を見ているように思い浮かびました。読んでいると，目の前で起きているかのように思えました。
ヤレドの兄弟は，主から船を造るように命じられました。家族とともに海を渡って「約束の地」（エテル2：9）に行くためです。けれども，船の中は暗かったのです。暗い中で旅することを避けたかったヤレドの兄弟は，主に助けを求めました。すると主はお尋ねになりました。「わたしに何をしてもらいたいのか。」（エテル2：23）
深い信仰を持っていたヤレドの兄弟は，16個の石を山の頂に持って行き，祈りました。主にそれらの石に触れてくださるようお願いしました。「これらの石が暗闇の中で光を放つものとなるようにして」（エテル3：4）いただくためです。すると，主は手を差し伸べて，指で一つ一つの石に触れ，石に光を与えられました。わたしはこれまでの人生でずっと，主がそれらの石に触れておられる様子を思い浮かべてきました。
ヤレドの兄弟が主から光を与えられたように，主イエス・キリストはあなたに光を与えてくださいます。主こそ，「世の光であり命」（3ニーファイ9：18）であられます。わたしはあなたを，ぜひ光を求めるように招きます！モルモン書を研究することで，イエス・キリストを信じる信仰が強まり，キリストの光につながっていることができます。
導きと光
わたしはこれまで，モルモン書を読み，それが真実であるという証を何度も感じてきました。疑ったことは一度もありません。御霊を感じていないときや，霊的な波長が少し合っていないときには，暗さを感じます。けれども，モルモン書を読むと，光が戻ってきます。時にはたった1節を読むだけで，光が戻ってくるのを感じます。とにかく読めばいつも光を感じるのです。
光が暗闇に打ち勝つというのは，わたしにとって現実のことです。ラッセル・M・ネルソン大管長はこう言っています。「毎日祈りの気持ちでモルモン書を研究するならば，皆さんは毎日，さらに良い決断を下すようになるでしょう。」1それは，モルモン書がイエス・キリストを信じるあなたの信仰を増すからです。モルモン書は光と力をもたらします。モルモン書の教えは，これから先，様々な課題に直面しながらも胸躍る日々においてあなたを導いてくれるでしょう。
光を感じる
わたしはネルソン大管長のすぐそばで奉仕するという祝福を頂いています。預言者が部屋に入って来ると，その瞬間に部屋が明るくなったように感じます。ネルソン大管長はキリストの光を携えているのです。
キリストの光を感じているようにするには，時には大変な努力が必要なこともあります。それは肉眼では見えません。霊的な感情としてやって来ます。何が正しく何が間違っているか，何が真実で何が誤りかについての感覚です（モロナイ7：13－19参照）。
もっとイエス・キリストのようになることを選ぶときにはいつも，あなたはキリストの光の中を歩んでいます。モルモン書を読むことで，その光が強くなるのです。
「確かに真実だ！」
聖文に「覚えておきなさい」（ヒラマン5：12）と書いてあるとき，それはただイエス・キリストのことを思い出したり，以前にキリストの光を感じたことがあるのを思い出したりすればよいという意味ではないと，わたしは心から信じています。わたしたちは今主の光を感じていなければならず，何度も何度も感じなければなりません。これこそ，エリックという若い男性が初めてモルモン書を読んだときに発見したことです。
エリックは，新しい場所に引っ越して高校に通い始めましたが，授業についていくのが大変で，クラスにあまりなじめませんでした。また，自分には証があるのだろうかと疑問に思うようになりました。
「生まれて初めてモルモン書を真剣に読み始めました」とエリックは言います。「毎日読んで，祈りました。」
エリックは祈り，天の御父にモルモン書が真実かどうか尋ねたとき，きっと答えを受けるものと思っていました。けれども何も起きませんでした。
それからしばらくして，家の裏の木々の中を歩いていたとき，エリックはもう一度尋ねてみました。今度は，まるで天の御父が自分にこう尋ねておられるような印象を受けました。「エリック，毎日モルモン書を読み，祈るようになってから，生活にどのようなことが起こっていますか。」
エリックは考えてみました。良い友達ができましたし，学校の成績も良くなっていました。気づかないうちに，モルモン書はエリックの生活に光と力をもたらしていたのです。
そのときです。
「声が聞こえたわけではありません」と，エリックは言います。「けれども，心が御霊で満たされ，次の言葉がぼくの思いに浮かびました。『確かに真実だ！』圧倒されるほどの平安と喜び，そして確信に包まれました。ついに答えを見いだしたのだと分かりました。」2
光の中を進む
モルモン書は，最初のページから最後のページまで，「イエスがキリストであ〔られる〕」3ことを証しており，「人がこの世で平和を得，後の世で永遠の救いにあずかるには何をしなければならないか」4をわたしたちに教えています。
あなたがモルモン書を学ぶとき，それがあなたのために書かれたものだということを感じられるように願っています。モルモン書に書かれている教義や，ニーファイ，リーハイとサライア，アビナダイ，アルマ，アミュレク，エービシ，モーサヤの息子たちなど，多くの人たちの雄々しい模範により，あなたは高められ，導きを受け，力が与えられ，それによってイエス・キリストのより良い弟子となり，主の光の中を自信をもって歩むよう導かれるでしょう。
モルモン書はイエス・キリストが生きておられることについての貴い確かな証であり，わたしたちの慰め，希望，平安，喜び，そして光の源であることを証します。あなたがモルモン書に見いだされる光を求め，イエス・キリストに近づき，主の光と愛の温かさをこれまでに感じたことがないほど感じることができるよう，心を込めて祈ります。