末日聖徒の声
喜びを配る
夫とわたしはピレネー山脈の山あいの,フランスのタルブで宣教師として奉仕していました。クリスマスイブだったので,街へ行き,ベルダン広場でモルモン書を配ることにしました。通りは人けがなく,わたしたちはこれほどたくさんのモルモン書をどうしようかと心配し始めました。すると,道に迷っているようすの若い男性を見かけました。
わたしたちは近づいて,モルモン書を差し出しました。わたしたちが福音について話すのを聞いて,彼はだんだんうれしくなったようでした。そのクリスマスの夜,彼は独りで過ごす予定でした。でも,モルモン書を読めば孤独を感じないだろうと彼は説明しました。
彼が立ち去った後,また通りを見回すと,夜の寒さの中,わたしたちのいる方へゆっくり歩いて来る女性がいました。モルモン書を渡すと,彼女は幸せそうに目を輝かせました。最近夫を亡くしたばかりで,わたしたちが関心を向けてくれたことがうれしかったと彼女は言いました。そして,とても感謝していると言いました。女性が歩き去るとき,モルモン書をしっかりと抱きかかえるのが見えました。
その夜,わたしたちは持って行ったモルモン書を全部配り切りました。モルモン書を渡した人々のほとんどは,孤独や悲しみを感じていて,愛をとても必要としていました。その夜,わたしたちは最もすばらしいクリスマスの贈り物を頂いたという思いを胸に帰宅しました。他の人々に喜びを与えることができたからです。