2017
飛行機が飛ぶ仕組み
2017年9月


飛行機が飛ぶ仕組み

飛行機が飛ぶ仕組みから,従順や啓示,そして霊的な導きについて,多くのことを学ぶことができます。

airplane

二つの力

航空整備士として働いていたときに,飛行機が飛ぶためには二つの力が必要だということを学びました。

airplane thrust and lift
  1. 推進力—前方へ進む力で,機体を浮かせるのに十分な速度が必要となります。十分な推進力があれば,「ドラッグ」と呼ばれる空気抵抗をものともしないで前進します。

  2. 揚力—飛行機の翼の上を通る空気と下を通る空気の圧力の差によって生じる力のことです(ベルヌーイの定理と呼ばれる)。揚力は重力に逆らって働き,揚力がないと機体は地球の重力で落下してしまいます。

航路の修正

navigational aids

もちろん,飛行機が飛ぶためには,ほかにもたくさんのことが起こっているのですが,多くのことが次の二つのシステムにかかわっています。

  1. ナビゲーション補助機器は航路どおりに飛行できるようにパイロットを助けます。操縦席にあるメーターやダイヤルなどもそうですし,管制塔とのやり取りで使うレーダービーコンや音声通信機器も含まれます。

  2. フライトコントロール機器は方向を変えるサポートをします。これには,ラダー(方向舵とも呼ばれる尾翼の可動部),エルロンやトリムタブ(主翼に付いている小さなフラップ),大型フラップやスポイラー,スラット,スタビライザー(水平安定板)などが含まれます。これらの装置により,機体を回転,上昇,下降,旋回させて,着陸時には穏やかに地上に戻ることができるのです。

地上におけるサポート

パイロットはグランドスタッフ(空港で働く航空会社の地上職員)が頼りです。グランドスタッフは,飛行機が飛べるように機体の整備を行ったり,滑走路とゲート間の案内,フライト前とフライト後の点検,そして機体に必要な整備を提案したり実際に整備を行ったりします。グランドスタッフは飛行機のメンテナンスと安全に関する責任を負っています。

これはあなたとどのような関係があるでしょうか

簡単な比較を幾つかしてみると,飛行機が飛ぶための原則と福音の原則の間に,洞察を与える類似点が見つかるでしょう。

霊的な揚力

福音の律法と儀式に従順であることにより,推進力が生まれ,この霊的な推進力により,霊的な揚力が生まれます。それによって前に進み続けることができ,この世よりも高い位置から,天の御父のもとに戻る航路をはっきりと見ることができるようになります。

航路の修正

バプテスマを受けた後で,あなたが受けた聖霊の賜物は,最高の霊的なナビゲーション機器です。あなたが従順であり続けるかぎり,細く静かな声が,何をして,どこに行って,どのように行動すればよいのかを伝える促しを常にささやいてくれるのです。それに注意深く耳を傾ければ,あなたを導いてくれるでしょう。

しかし,主があなたの航路を修正するために与えてくださった道具を使うかどうかは,あなた次第です。また,確認すべき項目もあります。常に祈り,聖文を研究し,集会に参加し,神殿のために備え,実際に参入しているでしょうか。また,悔い改めも必要です。これによって,霊的な意味で,姿勢〔訳注——航空用語で水平面の傾きを表す〕,高度,方向を大幅に修正したり,あるいはわずかな微調整をしたりすることができます。

霊的な免許証

パイロットと同様に,あなたも霊的なグランドスタッフに頼る必要があります。あなたにとってのグランドスタッフは,両親や若い男性または若い女性の指導者,ビショップと顧問,ホームティーチャー,セミナリーの教師,そして善良な友人たちです。彼らとの面接は,フライト前後の機体の検査だと考えてください。航空機が定期的に検査されているように,あなたも定期的な面接を通して,飛ぶ準備ができているか確認する機会があります。あなたの霊的なグランドスタッフは,あなたの能力を評価し,飛行計画を準備し,霊的な風速や予想される乱気流について助言を与えてくれます。神殿参入のような活動には「離陸の許可」が必要になります。総大会の説教は,すべての飛行機の状態を一手に把握し,広範囲にわたるナビゲーションを担う航空管制官からのメッセージのようなものです。与えられた勧告に従うことが,潜んでいる危険を避ける助けとなるのです。

フライトの準備

霊的な意味で,わたしたちは皆,飛ぶようにできています。わたしたちは天の御父の子供であり,御父はわたしたちが霊的に高く飛躍するように望んでおられます。神の子供として,わたしたちは空に向かって飛び立つ必要があります。なぜなら,神の助けを受ければ常に新たな高みに到達できるからです。