ヤングアダルト
教育によって自分の可能性を発揮する
学ぶ機会を求めることが自らの可能性を発揮するうえでどのような助けになるか,パプアニューギニアの一人のヤングアダルトが分かち合います。
あなたは自分がどのような人になりたいか,自覚していますか。そのような人になるうえで何が助けになるか,知っていますか。七十人のジョセフ・W・シターティ長老は次のように教えています。「自分がどのような人物になれるかについて明確なビジョンを育むことができたなら,主は皆さんのために道を開いてくださいます。」1
パプアニューギニアのフラ出身のクリスティーナ・オーゲリアは,教育によって自らの目標を達成する助けを得ています。クリスティーナは小さいころからずっと読書が大好きで,大学に行くという目標を持っていました。クリスティーナを教会に導いたのは,その読書愛でした。
「小学5年生のとき,学校には本がありませんでした」とクリスティーナは言います。「わたしの先生は教会員でした。先生はほかに本を持っていなかったので,わたしたちにモルモン書をくれました。」
時がたち,クリスティーナはフィリピンで伝道し,それからブリガム・ヤング大学ハワイ校で学び始めました。今は政治学と経営学の両分野を同時に専攻し,中国語を副専攻としながら,法科大学院を目指して努力しています。
クリスティーナは新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより帰郷を余儀なくされ,自身のストーリーの出発点に帰りました。故郷の村に滞在中のある日,クリスティーナは自分の小学校の図書館にシロアリが発生していることを知りました。クリスティーナは地元の団体と教会の協力を得ながら,新しい図書館の建設を監督しました。同時に,その図書館を今後長年にわたって運営し続けるためのシステムも整えました。
地域を助けられてうれしく思う一方で,自分がここまで来るには相当の信仰と努力が必要だったとクリスティーナは説明します。「何も持っていないけれども学びたいときにどんな気持ちがするか,わたしは知っています」とクリスティーナは言います。そして,自身のあらゆる経験を通して,クリスティーナは教育の価値と目的について多くを学んできました。
成績以上のもの
教会の指導者はしばしば,どのようなものであろうと可能なかぎり教育を求めることが重要であると教えています。「主と教会は教育を受けることを常に奨励してきました。それはわたしたちが能力を向上させ,主と天の御父の子供たちによりよく仕えるようになるためです」2と,大管長会第二顧問のヘンリー・B・アイリング管長は教えています。
しかし,クリスティーナも話しているように,教育とはただ教室に座っていることだけを言うのではありません。「教授の一人がわたしたちにこう言ったんです。学問で大事なのは,ただ好成績を上げ,卒業証書をもらい,最終的に職を得ることではない。大事なのは概念を理解することだ,と。」そして,教育によって人生にほんとうに違いをもたらすには,学んだことを自分の一部としなくてはなりません。「学ぶことが大好きでなければいけません」とクリスティーナは付け加えます。
教育を受ける方法は,たくさんあります。「学ぶ場所は,学校だけではありません」とクリスティーナは言います。「教会でも学べます。家庭でも学べます。わたしたちはどこでも学べます。」知識を広げる機会を生かすとき,わたしたちはより高い教養を身につけ,学びの過程がますます生活の中心となっていきます。
教育は奉仕をする助けになる
わたしたち一人一人が「神にお会いする用意をする」(アルマ34:32)うえで知識は重要な助けになると,クリスティーナは証しています。「わたしたちは学ぶことによって成長し,自らの可能性を発揮できるようになります」とクリスティーナは言います。謙遜に知識を求めるとき,わたしたちはより天の御父とイエス・キリストのようになり,再び御二方とともに住むための用意をすることができます。
個人の可能性を解き放つことで,教育はほかの人々に奉仕する能力も高めます。ラッセル・M・ネルソン大管長は次のように言っています。「教育とは,ほかの人を助けたいと願う人を,助けることができる人に変えるものです。」3
これは,クリスティーナが教育から見いだした最大の祝福の一つです。「教育はわたしに,自分はほかの人にスキルを教えられるという自信を与えてくれます」とクリスティーナは言います。「教会で教えることにも,多くの責任が伴います。ですから,自信を持って若い女性や青少年を教えられるのはすばらしいことです。」
神がわたしたちを助けてくださる
教育を得るためには,根気と強さが必要です。しかし,それは可能です。最初,クリスティーナは目標をどのように達成すればよいか分かりませんでした。「どこで資金を得られるか分かりませんでした」と言います。しかしクリスティーナは次のことを知ります。わたしたちが神を信頼し,神の助けを求めるとき,神は御自分がお求めになっていることを達成できるよう,わたしたちを助けてくださるのです。
「自分の夢や計画のどれについても,わたしは必ず天の御父に二つのことを教えてくださるよう求めました。わたしに何が行えるのかと,どうすればそれを行えるのかです。そして,御父は決してわたしを放っておくことはなさいませんでした。わたしにとってより良いものがあることを御存じで,わたしを導いてくださいました。その間ずっと,わたしは天の御父がともにいてくださることを知っていました。また,今もともにいてくださいます。」
そして,わたしたちが天の御父の助けを求めるとき,御父はさらに教育と知識を得る機会を授けてくださいます。
教育を受けることは努力に値するということを,クリスティーナは知っています。「自分にはできないと考えている人には,神がわたしたちに与えてくださっている莫大な可能性を思い出してほしいと思います。神がその可能性を与えてくださっていると信じることで,わたしたちはそれを解き放つことができます。」