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人々に福音を分かち合う3つの簡単な(怖くない)方法
以前は,拒絶を恐れて福音を分かち合うのが怖かったのですが,幾つかの経験を通して,福音を分かち合うのは簡単だと分かってきました。
若いころ,友達に福音を分かち合うのをいつもとても怖く思っていました。
伝道の召しを受けたとき,学校の友人たちは皆,わたしが卒業後にスペインに行くことを知っていましたが,その理由まではよく分かっていませんでした。そこで,彼らが質問してくるのを利用して,モルモン書について,自分が宣教師として何を行うか,そしてイエス・キリストについて詳しく話しました。
最終的に,その年の終わりまでにモルモン書を5冊,親しい友人や学校の先生数人にも渡すことになりました。そのときも恐怖で緊張しましたが,すぐに御霊から励ましを受けてワクワクしました。
その経験から分かったのは,イエス・キリストの福音に対する証を分かち合うことは,強いられるものではなく,恐ろしさや不快さを感じる必要はないということです。実際,心の中にある福音に対する愛を自然に分かち合う方法は,対面であれ,オンラインであれ,たくさんあります。「(キリストの)福音……は,……救いを得させる神の力」(ローマ1:16)ですから,福音を分かち合うときに,あなたは自信と勇気を持ち,謙虚になることができます。
わたしの経験と聖文から,助けになったアイデアを幾つか紹介します。
1.真の友人になる
伝道中にバルセロナにいたとき,同僚とわたしが教会の建物のそばを歩いていると,わたしたちに向かって歩いてくる若い女性が見えました。話しかけるようにという促しを感じたので,彼女を呼び止め,教会の建物を見たことがあるかどうか尋ねました。彼女の名前がマヤであることを知り(名前はすべて変更されています),次の金曜日にほかのヤングアダルトと計画しているゲームナイトに来るよう誘いました。彼女は誘いに応じました。
ゲームナイトで,最近改宗した友人のアリシアとマヤが笑い合っていたのを今でも覚えています。アリシアはマヤととても良い友達になりました。マヤに家族や興味,宗教的信条について尋ね,やがてマヤと友情を築いたのです。わたしたちは,マヤの宗教的背景や神への献身についてさらに学び,マヤも神とどのように交わるかについてさらに学ぶことに興味を示しました。
同僚やわたし,アリシアとワードのほかの会員たちがマヤと知り合い,招き,愛を示し続けるにつれて,彼女はイエス・キリストの回復された福音の御霊を感じ,バプテスマを受ける決意をしました。忍耐と兄弟愛を思い起こすとき(教義と聖約4:6参照),マヤが感じた真の友情が彼女の決断に影響を与えたと知っています。
2.伝道の機会に気づけるように祈る
伝道から帰還後,グアテマラの自宅を離れ,アメリカ合衆国ユタ州のブリガム・ヤング大学に通い始めました。福音を分かち合う機会があまりないように思える場所に引っ越すのが悲しく,少し落胆しました。そこでわたしは,真理を聞く必要のある人を見つけるために熱心に祈りました。
数週間後,教会が終わって散歩に行くと,大学のキャンパスでポスターを見ている背の高い男性が見えました。わたしはすぐに彼と話すべきだと感じました。まだ英語を学んでいる段階なので何と言えばよいか分からず,緊張していました。わたしは彼のそばを通り過ぎましたが,天の御父が助けてくださると信頼しながら,振り返って自己紹介をしました。( 教義と聖約100:5-6参照)。
会話は弾み,彼は教会員ではないものの学生であり,教会が人々のために行う奉仕に驚いたと言いました。BYUのキャンパスで教会員でない人と話しているなんて信じられませんでした。電話番号を交換し,最終的に彼をさらに多くの教会員に紹介し,彼が福音についてさらに学べるよう助けました。
その男性は教会に入りませんでしたが,その経験を通して,ほかの人々の生活を祝福したいと望むならば,神はわたしたちが周りのあらゆる機会をとらえられるように助けてくださることを学びました(教義と聖約4:3 参照)。ですから,今は伝道の機会を求めて祈るのではなく,目の前にある伝道の機会に気づけるよう祈っています。
3.キリストの完全な愛を人々に示す
結婚するころ,親しい親戚のマリアが訪ねてきました。マリアは以前,別の女性との関係を追い求めて教会を離れることを決意しました。彼女のすべての選択に賛成できるわけではありませんが,わたしはマリアを愛し,彼女の選択の自由を尊重し,良い関係を保てるよう努めてきました。
マリアとクリステンが訪問してきたとき,二人は生活の中で幾つかの困難を乗り越えて導きを求めていたので,二人に神権の祝福を授ける機会がありました。救い主はしばしば,聖約の外にいる人々や戒めを守っていない人々の信仰にこたえられました(マタイ8:5-13;マルコ7:24-30;ルカ7:36-50参照)。何と言えばいいのか分かりませんでしたが,神の力が自分を通して流れ込むよう,身なりを整えて備えました。
祝福の間,マリアとクリステンの両方に具体的な勧告を伝え,特定の約束をするようにという促しを感じました。感じた強い御霊を決して忘れないでしょう。その御霊が,わたしたち全員を良い方に変えたと思います。
お互いへの愛のおかげで,わたしはマリアがほかの人からは受け入れ難い方法で,福音に対する自分の気持ちを分かち合うことができます。愛は,主の福音を分かち合う扉を開き,わたしたちの努力に主の助けを招くことによって,わたしたちが主の業を行うにふさわしいとします(教義と聖約4:5参照)。救い主は完全な愛をもって,井戸の近くにいる女性に真理を分かち合われました。彼女は罪を犯し,サマリヤ人であったにもかかわらずです(ヨハネ4章参照)。彼女は主が自分に伝えてくださった愛と真理を感じ,主のメッセージによって永遠に変わりました。
福音に従って生活するようにという招きが受け入れられることはなくても,神の愛を人々に分かち合うことで,彼らの生活に永続する違いを生み出すことができます。
人々がキリストに向かって進むのを助けるときに勇気を持つことができる
十二使徒定員会のディーター・F・ウークトドルフ長老は,伝道活動についてこのように語りました。
「奇跡を起こしてくださる主を信頼します。人々を改心させるのはあなたの仕事ではないことを理解してください。それは聖霊の役割です。あなたの役割は自分の心の中にあることを伝え,自分が信じていることに従って生活することです。
ですから,人がすぐに福音のメッセージを受け入れなくても,がっかりしないでください。……
それは,その人と天の御父の間の事柄なのです。
あなたの役割は,神を愛し,隣人,つまり神の子供たちを愛することなのです。
信じ,愛し,行ってください。
この道に従ってください。そうすれば神はあなたを通して奇跡を行い,御自分の貴い子供たちを祝福されます。」1
人々に対する愛が拒絶に対する恐れを上回るとき,わたしたちはイスラエルの集合に向けて努力しながらキリストの美しい祝福が明らかにされるのを目にするのです。10代のころに抱えていた壁を取り除いたことは,生活における伝道活動の大切さについて強い証を築く助けとなりました。特に人々と知り合い,助けを与え,愛することによって,自然でささやかな簡単な方法でキリストのもとに来るよう人々を招くことができます。
心の中にあることを分かち合う努力がすべて改心につながったわけではありませんが,福音を分かち合う勇気を持つときに,人々がキリストに向かって一歩踏み出すのを助け,聖約の道を歩む旅路を前進している自分に気づきます。結局のところ,イエスのようになろうと努め,人々を主のもとへ連れて来るとき,わたしたちはより大きな幸福と祝福を見いだすことができるのです。