マリヤの模範によって強められる

ルーシー・スティーブンソン・イーウェル，教会機関誌

マリヤはわたしに，心配する代わりに，神と，神がわたしのために用意しておられる計画を信頼することを選べるのだということを教えてくれました。

伝道に出たことがある人ならだれでも，転勤の電話を待つのは時にストレスを感じるものであることを知っているでしょう。新しい伝道部会長の赴任後，その電話を待つ間，わたしの不安はとりわけ大きくなりました。

これから自分はどこで奉仕し，新しい同僚はだれになるのだろうかと考えました。また，新任の伝道部会長はどんな人だろうか，どんなやり方をするのだろうかとも考えました。

転勤が近づいたある朝，天使ガブリエルがマリヤに現れた話を読みました。わたしはガブリエルがマリヤに分かち合った証に胸を打たれました。「神には，なんでもできないことはありません。」（ルカ1：37）また，マリヤの謙遜な返答にも驚きました。「わたしは主のはしためです。お言葉どおりこの身に成りますように。」（ルカ1：38）

確かに，マリヤは未来に恐れを感じて当然でした。ヨセフは何と言うでしょう。ほかの人からはどう思われるでしょう。それでもマリヤは，神と，神が自分のために用意された計画に，従順な信頼を寄せました。

まさに自分自身の恐れに直面していたわたしは，自分がマリヤのようになりたいと思っていることに気づきました。自分なりの方法で，「わたしは主のはしためです」と言いたいと思いました。神から求められることを何でも行い，神から召された所へはどこへでも行きたいと思いました。神がともにいてくだされば何でもできることを思い起こさせるガブリエルの言葉に慰められました。

その週の残りの時間，不安な思いにかられる度に，わたしはマリヤのことを思いました。マリヤの模範はわたしに，心配を脇に置いておく勇気と強さを与えてくれました。

救い主もまた，同じ謙遜さと強さを，ゲツセマネの園でこう言われたときに示されました。「アバ，父よ，あなたには，できないことはありません。どうか，この杯をわたしから取りのけてください。しかし，わたしの思いではなく，みこころのままになさってください。」（マルコ14：36；強調付加）その瞬間，救い主は，神にはあらゆることが可能であることを認められました。しかし御自身の母親と同じように，主は御父の御心に従順な信頼を寄せられました。

わたしは新しい地域で，新しい同僚とともにすばらしい経験をしました。今日，わたしは以前よりもさらにおじけづくような未知の事柄に直面しています。それでもマリヤと救い主を思うとき，心配する代わりに，神と，神がわたしのために用意しておられる計画を信頼することを選べるのだということを思い出します。何か難しいことを行うよう主から求められるとき，わたしは信仰をもってその務めに臨むことができます。主にはできないことはないからです。