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福音を分かち合うための5つのアイデア
これら5つのアイデアは,普通で自然な方法で福音を分かち合い,キリストのもとに来るよう人々を招く助けとなります。
末日聖徒イエス・キリスト教会の会員として,わたしたちには天の御父のすべての子供たちに福音を分かち合う責任と祝福があります。天の御父は御自分の子供たち一人一人を完全に愛しておられ,御自分のすべての祝福を受けられるように望んでおられます。主への愛を示す一つの方法は,「福音を受け入れるようすべての人を招く」ことです。それには「以下の事柄が含まれます。
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伝道活動に参加し,宣教師として奉仕する。
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新会員や教会に再び集うようになった会員が聖約の道に沿って成長できるように助ける。」1
兄弟姉妹を愛し,仕えるなら,彼らがイエス・キリストの福音に従って生活することからもたらされる「非常な喜び」を経験できるように助けたいという望みに満たされるでしょう(アルマ36:24)。福音を分かち合うことは,ときに圧倒されるように感じることがあるかもしれませんが,「主が命じられることには,それを成し遂げられるように主によって道が備えられている」のです。(1ニーファイ3:7)「わたしの羊を養いなさい」(ヨハネ21:16-17)という主の呼びかけに聞き従うときに,主が助けてくださると信頼することができます。
キリストのもとに来るよう人々を招く努力をするときに,次の原則について考えるとよいでしょう。
聖約の一部として福音を分かち合う
ラッセル・M・ネルソン大管長は次のように教えています。「神と聖約を交わした人は皆,ほかの人を気遣い,助けの必要な人に仕えると約束しています。神への信仰を示し,『〔わたしたち〕の内にある望み』(1ペテロ3:15)について尋ね求めるすべての人にいつでもこたえられるように備えることができます。わたしたち一人一人に,イスラエルの集合において果たすべき役割があります。」2
福音を分かち合うために専任宣教師である必要はないことを覚えておいてください。十二使徒定員会会長代理のM・ラッセル・バラード会長は,「福音を研究し,日々福音を分かち合うことは,正式な召しを受けた人も,そうでない人でも,だれでも成し遂げられる」ことを思い起こさせてくれました。「伝道活動を行うために名札は必要ないことを覚えておいてください。」3十二使徒定員会のニール・L・アンダーセン長老も同じように教えています。「上着に宣教師の名札を付ける専任宣教師でない場合,パウロが『墨によらず生ける神の霊によって書かれ』(2コリント3:3)と述べたように,今こそ皆さんの心にそれを描く時です。」4
福音を分かち合おうと努めるとき,わたしたちは「いつでも,どのようなことについても,どのような所にいても,神の証人になる」(モーサヤ18:9)というバプテスマの聖約を果たすのを助けています。
キリストのもとに来るようにすべての人を招く
イエス・キリストは「人をかたよりみないかた」です。(使徒10:34)昔,金持ちの若い役人を招いたように,主はすべての人に,「わたしに従ってきなさい」(ルカ18:22)と招いておられます。わたしたちも同じように,だれであろうとすべての人に,その招きを受け入れないと思う人を裁かずに,キリストに従うよう勧めることができます。イエス・キリストこそ,多くの人が探し求めている答えです。
ラッセル・M・ネルソン大管長が「世界の多くの人々が恐怖で呆然としている中,主の福音が唯一の答えです」と教えた通りです。これは,「全世界に出て行って,すべての造られたものに福音を宣べ伝えよ」(マルコ16:15;強調付加)という主の弟子たちへの指示に従うことの緊急性を際立たせています。わたしたちには,耳を傾け,人生の中で神に勝利を得させるすべての人に,イエス・キリストの力と平安を分かち合う神聖な責任があります。」5
わたしたちが福音を分かち合う人々は,わたしたちの招きや証を受け入れるかもしれませんし,そうでないかもしれません。しかし,それがわたしたちの成功を決めるわけではありません。わたしたちは分かち合うことで神の業を行います。
聖霊が証してくださることを信頼する
自分の最も貴く神聖な信条を分かち合うときに,恐れを感じることもあるかもしれません。しかし主は,御霊をもたらす方法でわたしたちを導き,相手とのコミュニケーションを助けると約束しておられるのです。口を開いて分かち合うときに,聖霊がわたしたちの言葉を導いてくださると信頼することができます。わたしたちの役割は分かち合うことで,聖霊の役割はイエス・キリストについて証することです。
教義と聖約100:5-8はこう述べています。「それゆえ,まことに,わたしはあなたがたに言う。この民に向かって声を上げなさい。わたしがあなたがたの心の中に入れる思いを語りなさい。そうすれば,あなたがたは人々の前で辱められることはないであろう。
あなたがたの言うべきことは,まさにそのときに,まことにその瞬間にあなたがたに授けられるからである。
しかし,わたしはあなたがたに一つの戒めを与える。あなたがたがわたしの名によって告げることは何であろうと,すべてのことについて厳粛な心と柔和な心で告げなければならない。
わたしはあなたがたにこの約束を与える。すなわち、あなたがたがこれを行うならば、聖霊が注がれて、あなたがたの述べるすべてのことを証するであろう。」
十二使徒定員会のディーター・F・ウークトドルフ長老は,次のように教えています。
「奇跡を起こしてくださる主を信頼します。人々を改心させるのはあなたの仕事ではないことを理解してください。それは聖霊の役割です。あなたの役割は自分の心の中にあることを伝え,自分が信じていることに従って生活することです。
ですから,人がすぐに福音のメッセージを受け入れなくても,がっかりしないでください。あなたのせいではありません。
それは,その人と天の御父の間の事柄なのです。
あなたの役割は,神を愛し,隣人,つまり神の子供たちを愛することなのです。
信じ,愛し,行ってください。」6
福音について自然に言及する
福音を分かち合うことが複雑である必要はありません。ウークトドルフ長老が勧めたように,「普通で自然な方法で人々が,来て見るように,来て手伝うように,来て留まるように招くことができます。」7自分の興味や趣味,苦労,そしてイエス・キリストが自分の生活の中で果たされる役割を通して経験する祝福について話すとき,福音を取り入れる方法を見いだすことができます。
バラード会長はこう助言しています。「主イエス・キリストに従う者としてのあなたのストーリーや経験を,恐れることなく人々に伝えてください。だれにでも,自分のアイデンティティーに影響を与えた興味深いストーリーがあるものです。そうした経験談を伝えることは,ほかの人たちに威圧的になることなく話をする良い方法です。また,自分の影響力が及ぶ範囲で,教会についての多くの誤解を解く助けもできるでしょう。」8
福音を分かち合う能力に自信がない場合は,ウークトドルフ長老の次の勧告を覚えておいてください。
「主は決して熟達した完璧な伝道の取り組みを求めてはおられません。むしろ,『心と進んで行う精神』(教義と聖約64:34)を求めておられるのです。
大切なのは諦めないこと,できるようになるまで努力し続けることです。そのうちにもっとよく,もっと幸せに,もっと本物になるでしょう。あなたが信じていることについてほかの人に話すことが,普通で自然になります。実際に,福音はあなたの生活に欠かせない大切なものとなり,それについてほかの人と話さないことが不自然だと感じるようになります。すぐにはそうならないかもしれません。それは生涯にわたる取り組みだからです。しかし,必ずそうなります。」9
福音を分かち合うために福音に従って生活する
「行動は言葉よりも雄弁」ということわざを聞いたことがありますか。十二使徒定員会のゲーリー・E・スティーブンソン長老はこう教えています。「言葉を使わなくても,隣人にキリストの愛を示すことで,福音を宣べ伝えることができます。」10
スティーブンソン長老はまた,福音を分かち合う簡単な手本を示しました。「救い主から託されている偉大な務めは,子供のころから教えられてきた,単純で簡単で理解しやすい原則を通して達成できます。愛し,分かち合い,招くことです。」11
また,「〔わたしたちの〕証に責任を持つ」というネルソン大管長の勧告に従うこともできます。12十二使徒定員会のクエンティン・L・クック長老が教えたように,改心することも,模範によって福音に従って生活するうえで重要な要素です。「福音を伝えるようにとの救い主の任務が,わたしたち自身の一部となるためには,わたしたちは,主の御心に改心した人になる必要があります。隣人を愛し,イエス・キリストの回復された福音を伝えて,来て見るようにすべての人を招く必要があります。」13
わたしたちが「キリストのことを話し,キリストのことを喜び,キリストのことを説教し,〔そして〕キリストのことを預言〔する〕(2ニーファイ25:26)ことを求めるときに,主が助けてくださると信頼することができます。スティーブンソン長老の次の約束からも力を見いだすことができます。「愛し,分かち合い,招く方法について考えてみてください。そうするときに,愛する救い主の言葉に従っているという大きな喜びを感じるでしょう。」14