虐待
虐待のパターンを認識する


「虐待のパターンを認識する」防止と保護

「虐待のパターンを認識する」防止と保護

虐待のパターンを認識する

虐待には,その始まりと継続時にしばしば見られる一般的な兆候があります。そうしたパターンを理解することにより,虐待の発生を未然に防ぎ,またすでに起きている場合は食い止めるために,どこで行動を起こすべきかを知ることができます。

虐待的な状況に見られる共通性

  1. 被害者はほとんどの場合,知り合いから虐待を受けている

    虐待者は,両親や祖父母,おじ,おば,いとこ,きょうだいといった家族や親戚の一員であることや,家族ぐるみの友人や隣人である場合もあり得ます。虐待者には,あらゆる年代の人がいます。まれに,まったく知らない人が虐待者となることもあります。

  1. 虐待に至る前に,虐待者が被害者やその家族の信頼を徐々に得ていくことがある

    これを「グルーミング」と呼びます。グルーミングの対象となるのは,ほとんどの場合子供や青少年です。グルーミングは,虐待を目的とする人が相手を助けたり,愛着心を育もうとしたりするときに起こります。グルーミングの行為には,二人きりで過ごす時間を要求する,秘密にするよう勧める,性的なテーマについて話す,ポルノグラフィーを見せる,子供に身体的な接触を行う,などが挙げられます。虐待者は一対一の長時間のコミュニケーションや接触を持とうとします。グルーミングは,子供の携帯機器を通してインターネット上で行われることもあります。

  1. 虐待者はしばしば,初めに境界線を侵す

    境界線とは,その人にとって問題のない,安全が保たれる言動に関する個人的な限度のことです。人の境界線を侵害することが虐待であり,虐待においては時折,当事者間に適切な行動の境界線が存在しません。虐待者は初めに境界線を少しだけ越え,相手がもっと安心感を覚え,鈍感になり,不適切な言動に慣れるようにします。虐待者はまた,境界線を完全に無視することもあります。

  1. 虐待者はしばしば,自分が容易に付け込める人を探し出す

    虐待者は,自分より弱い立場の人(高齢者,障がい者,18歳以下の子供など)を探す場合が多いものです。同意するだけの能力や理解力のない人を探すのです。また,信頼されそうにない人を求めます。虐待者はそのほか,抵抗しないと思える人や,虐待について周囲に話せない人を見つけようとします。

  1. 虐待者はしばしば,被害者を孤立させようとする

    虐待者は,グルーミングや虐待を行っている相手が,ほかの人を信頼したり,だれかと話したりするのを遠ざけようとする傾向があります。被害者を孤立させ,支援や助けを求めることができない,あるいは方法が分からなくなるように仕向けるのです。さらに,被害者の家族を脅し,非難し,恥じ入らせる,あるいは脅迫するなどして,虐待を続けようとすることもあります。

    こうした共通性を理解することは,虐待につながる可能性のある状況を認識する,または防ぐうえで役立ちます。虐待が起こる前に,阻止に向けた行動を取ることができるのです。

地域社会と教会のリソース

(下記のリソースの中には,末日聖徒イエス・キリスト教会によって作成,維持,管理されていないものもあります。これらの資料は,追加のリソースとして役立てるように意図されていますが,教会の教義や教えと一致しない内容について,教会が是認するものではありません。)

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