セミナリー
霊的な知識を得る,第1部:信仰をもって行動する


「霊的な知識を得る,第1部:信仰をもって行動する」『モルモン書 教師用手引き』(2024)

「霊的な知識を得る,第1部」『モルモン書 教師用手引き』

導入資料

霊的な知識を得る,第1部

信仰をもって行動する

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読書し研究する若い女性

マスター教義の目的の一つは,霊的な知識を得るための原則を応用して,イエス・キリストを土台にした生活を送ることができるよう学ぶことです。この課は,人生における疑問や懸念への答えを求めるときに,イエス・キリストを信じる信仰をもって行動する助けとなります。

霊的な知識を得るための原則を生徒に教える。生徒が霊的な知識を得るうえでの原則を知り,それを応用すると,マスター教義の目的をよりよく達成することができます。これらの原則はクラスで定期的に復習し,生徒が理解できるよう助けます。生徒には,これらの原則をマスター教義の課で応用する機会があります。

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生徒の準備:イエス・キリストへの強い信仰を示している家族や教会指導者に,福音に関する疑問や懸念に直面してもその強さを維持するために何をしているのかを,生徒に尋ねてきてもらいます。

学習活動案

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注:この課は,学年の初めに,または生徒が最初に霊的な知識を得るための原則を紹介されたときに教えるのが最適かもしれません。

疑問を持つことは良いことですか,悪いことでしょうか

次の質問に対して以下のどの答えが当てはまるかを考えます:

  • だれかが福音やイエス・キリストの教会に関して疑問を持っているとしたら,その理由として可能性のありそうなのは次のうちどれでしょうか。

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    生徒に向けて,次の選択肢を読みます。各選択肢を読んだ後に一旦間を置いて,何人かの生徒に,なぜそれが当てはまる,または当てはまらないと思うかを尋ねます。これらの選択肢はいずれも,その人の望みや選択によって正しくもなり誤りにもなることを,生徒が理解できるよう助けます:

    1. まだ福音についての証を得ていないから。

    2. もっと理解したいと思うほど,福音に関心を持っているから。

    3. かつて持っていた信仰を疑っているから。

    4. 神が教えたいと思っておられることに彼らが意識を向けるように,霊感を与えているのかもしれないから。

      答えは,その人の質問に対する姿勢やその理由によって異なります。『マスター教義に関する基本文書』(2022年)の「霊的な知識を得る」の項の第3段落を読み,福音についての疑問に対する取り組み次第で,イエス・キリストに対するわたしたちの信仰がどれほど強くもなり,弱くもなるかを見つけましょう。

  • この段落の中で心に残ったのはどの部分ですか。それはなぜですか。

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生徒に,疑問や懸念が自分の霊的な成長にどのように影響するかを考えてもらうとよいでしょう。次の文はそのための助けになるかもしれません。

だれにも疑問や懸念はあります。疑問を持っているというだけでその人の信仰を判断しないように注意しましょう。わたしたち自身も疑問を抱いたからといって自分の信仰を疑う必要はありません。わたしたちのイエス・キリストを信じる信仰と回復された福音についての証は,疑問や懸念に対するわたしたちの取り組み次第で,強くもなり弱くもなり得ます。今日聖文を研究するとき,疑問が自分の霊的な成長において果たす役割について考えます。福音やイエス・キリスト教会に関してどのような疑問を抱いていますか。その疑問が,あなたを救い主と主の教会に近づけていると感じますか。

霊的な知識を得る

セミナリーでの経験を通じて,霊的な知識を得るための原則を使用して実践する機会があります。次の3つの原則は,人生において疑問や懸念が生じたときにイエス・キリストに近づくのに役立ちます:

  1. 信仰をもって行動する。

  2. 永遠の視点から概念や疑問について調べる。

  3. 神が定められた情報源を通してさらに理解を深める。

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クラスの一部の生徒が過去にセミナリーを受けた経験がある場合は,この3つの原則についてすでに知っていることについて尋ねるとよいでしょう。これにより,クラスの全員に原則の概要を簡単に説明し,生徒の現在の理解度を把握することができます。

この課の残りは,イエス・キリストを信じる信仰をもって行動するという原則に焦点を当てます。

『マスター教義に関する基本文書』の「霊的な知識を得る」の項の第5-7段落を読み,次の文章を完成させるための幾つかの方法を見つけます。

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ホワイトボードに次の未完成の文章を書いてもよいでしょう:

疑問や懸念が生じたとき,わたしたちは……によってイエス・キリストを信じる信仰をもって行動することができます。

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何人かの生徒にホワイトボードの所に来てもらい,この文章を完成させてもらいます。見つけたものを自分に向けられたものと生徒が捉えるのに役立つ,追加の質問をするとよいでしょう。以下はその例です:

生徒が「戒めを守り続ける」と書いた場合(第5段落参照)の追加の質問は,「難しい問題に直面したとき,戒めを守り続けることがどのようにイエス・キリストから離れないでいるのに役立つと思いますか。これについて自分の経験を分かち合いたい人はいますか。」

生徒が「すでに真実であると知っているものにしっかりつかまる」と書いた場合(第6段落参照)の追加の質問は,「疑問が生じたときにもつかまることができる,真実であると知っていることについて深く考える時間を取ってください。それらのことが真実であるとどのようにして分かりますか。」

生徒が「答えが出るまで神を信頼する」と書いた場合(第7段落参照)の追加の質問は,「あなたが神について知っているどのようなことが,答えを待つ間に神を信頼するうえで助けとなりますか。なぜ神は,すぐに完全な答えを示してくださらないことがあるのでしょうか。」

  • あなたが選択した方法のうちで,現代の10代の若者にも,あなたの人生にも最適だと思うのはどれですか。それはなぜですか。

  • その方法を信仰をもって行動に起こすと,人と救い主との関係性にどのように影響するでしょうか。

  • 疑問や懸念に対処する際に,信仰をもって行動してきた人をだれか知っていますか。その人は何をしたでしょうか。

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ChurchofJesusChrist.orgにあるビデオ「信仰をもって行動する—石工」(4:57)を生徒に見せてもよいでしょう。すでにこのビデオを見せている場合は,生徒に,ビデオに登場する青少年がどのように真理を示しているかのを見つけ,ホワイトボードに書いてもらいます。ビデオを見るかどうか判断する際は,その後の聖句探しの活動時間が十分に残るかどうかを確認してください。

ChurchofJesusChrist.orgにあるビデオ「信仰をもって行動する—石工」(4:57)を見せてもよいでしょう。重要な疑問や懸念に直面したときに,ビデオに登場する青少年が救い主を信じる信仰を用いてどのように行動したのかを見つけましょう。

聖典から引用する例

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姿勢や選択がいかにイエス・キリストを信じる信仰を強くもすれば弱くもするかを生徒が理解することができるよう,「補足学習活動」の項の提案と次の活動を組み合わせるとよいでしょう。

聖文には,イエス・キリストを信じる信仰に関して難しい疑問や懸念に直面した人々についての多くの記述が含まれています。その一人が預言者ニーファイです。ニーファイの生涯から次の例を読み,疑問やそのほかの問題に直面したときに,ニーファイがイエス・キリストを信じる信仰をもってどのように行動したかを見つけてください:

  • 1ニーファイ2:16-彼の大切な人の中には,父である預言者リーハイが彼らに行うよう求めたことに怒った人もいました。

  • 1ニーファイ3:7-彼は困難なことを行うよう命じられました。

  • 1ニーファイ9:5-6-主は,彼には分からない理由で,あることを行うよう命じられました。

  • 1ニーファイ10:1711:1-5-彼は,預言者である父が教えたことについて自分自身の目で確かめたいと思いました。

  • 1ニーファイ11:17-彼は,福音について問われた質問への答えを完全に知っていたわけではありませんでした。

  • ニーファイが信仰をもって行動する要素として,最もよい模範はどれですか。

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より多くの生徒が発表する機会を持てるように,生徒を少人数のグループに分けてから,以下の質問に対する答えを分かち合ってもらうとよいでしょう。

イエス・キリストまたは主の教会に対する人々の信仰に影響を与えそうな,現代の疑問や懸念について記述します。その疑問や問題に直面したとき,人々はどのように信仰をもって行動することができるでしょうか。

  • 信仰をもって行動するか,もたずに行動するかを選ぶことで,その人と救い主との関係性はどのように影響を受けるでしょうか。

  • 今日研究したことの中で,自分の生活に最も適用したいことは何ですか。それは,どのようにあなたの生活で助けになるでしょうか。

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