「1ニーファイ13:20-42:分かりやすくて貴い真理」『モルモン書 教師用手引き』(2024年)
「1ニーファイ13:20-42:分かりやすくて貴い真理」 『モルモン書 教師用手引き』
1ニーファイ13:20-42
分かりやすくて貴い真理
救い主の福音の回復は,非常に多くの点で祝福です。一つの祝福は,聖書から失われた多くの分かりやすくて貴い真理を明らかにしたことです。ニーファイは回復が起こるずっと前にそれを見ており,回復において自分の記録が果たす重要な役割を理解していました。この課は,モルモン書やそのほかの啓示された聖文が,救い主の福音の分かりやすくて貴い真理を回復するのに,どのように役立つかを理解する助けとなります。
教える準備をする。福音を力強く教えるということは,レッスンの準備だけでなく,自分自身も備えることです。福音を効果的に教える教師は,レッスンの時間をどう使うかを考える前に,自分の心を聖霊で満たすことに心を向けます。御霊は真理を証し,改心の源であるからです。「わたしは御霊によって教える準備ができているだろうか」と自問するとよいでしょう。
生徒の準備:生徒に,個人の聖文研究で最近学んだことを分かち合えるよう準備してきてもらうとよいでしょう。
学習活動案
安全確認
生徒に自転車の画像を見せるか,可能であれば,自転車をクラスに持ち込むとよいでしょう。生徒に,自転車に不可欠な部品を考えてもらい,それらをホワイトボードに列挙してもらいます。
自転車はシンプルかつ効果的な移動手段です。また,サイクリングは楽しく,満足感のある体験にもなります。では,安全で効果的に自転車に乗るのに不可欠な部品にはどのようなものがあるでしょうか。あなたの自転車から,だれかがある重要な部品をわざと外してしまったと想像してください。
-
この行為は,あなたに対するその人のどのような気持ちを表しているでしょうか。
-
部品が外された自転車に乗ろうとすると,どうなりますか。
-
自転車を修理し,正常に機能させるようにするには,だれに連絡するべきでしょうか。
これと同じように,サタンはイエス・キリストの福音の重要な部分を取り去ったり変更したりすることで,神の子供たちを害し,混乱させようとしてきました。1ニーファイ13章を研究しながら,わたしたちがサタンの妨害を克服できるように救い主がしてくださったことを見つけます。
つまずく人は多い
ニーファイは末日の重要な出来事の示現を見ましたが,その中に異邦人によって約束の地に持ち込まれた1冊の書物がありました。1ニーファイ13:20-25を読み,その書物に何が書かれていたかを見つけます。
「主〔の〕聖約」「聖なる預言者たちの語った……預言」「完全な福音」(1ニーファイ13:23-24)など,生徒が見つけたことをリストにしてホワイトボードに書くとよいでしょう。20節の書物が何か知っているかどうかを生徒に聞いてから,聖典にメモしてもらうとよいでしょう。
-
読んだ内容から,どのようなことを学びましたか。
20節でニーファイが見た書物とは聖書のことであるとメモしておくとよいでしょう。聖典にメモを書くことで自分用に使いやすくなり,聖文研究の効果も高まります。例えば,聖典にメモを書いておくと,将来,霊的な洞察を思い出す助けとなったり,必要なときに自分やほかの人にとって祝福となるでしょう。
-
聖書の記述のされ方について,どのようなことに気づきましたか。
以下の聖句は,生徒を二人一組または少人数のグループで研究できるようにして,以下のような質問を話し合ってもらうとよいでしょう。生徒が読み終えたら,分かりやすくて貴い真理を取り去ろうとするサタンの策略により,世の人々がつまずくのを見たことがあるかを考えてもらうとよいでしょう。
1ニーファイ13:26-29を読み,「小羊の……使徒」から聖書が伝えられた後に何が起こったかを見つけます。
-
聖書はどうなりましたか。
-
聖書から分かりやすくて貴い真理を失わせることが,なぜ人々を霊的につまずかせることになるのでしょうか。
-
これらの節は,自転車のたとえとどのように似ているでしょうか。
「小羊の賜物と力」
分かりやすくて貴い真理が聖書から変えられたり,取り去られたりしたのを見た後,ニーファイは主がその慈しみから,世界を混乱させたり盲目のままにしたりするのを許されないことを知りました(1ニーファイ13:30-34参照)。そしてニーファイは,福音が「小羊の賜物と力」(1ニーファイ13:35)によって完全に回復されるのを見ました。
救い主がこれをどのように成し遂げられたかを学ぶために,1ニーファイ13:35-39を読み,以下の語句に印をつけ,聖典か学習帳にその意味を書き留めるとよいでしょう。
以下の情報を単に生徒に伝えるのではなく,ホワイトボードの片方の欄に聖句の場所と括弧内の語句を列挙し,もう片方の欄には,ここに記載されているものとは順序を変えて解釈を列挙します。生徒には,これらの聖句を研究して,その語句と解釈を一致させてもらいます。生徒がこれらの節について質問する機会を設けてもよいでしょう。
参照聖句と語句 |
解釈 |
---|---|
参照聖句と語句 1ニーファイ13:35「これらのこと」 | 解釈 モルモン書 |
参照聖句と語句 1ニーファイ13:39「ほか〔の〕幾つかの書物」 | 解釈 モルモン書,教義と聖約,高価な真珠,聖書のジョセフ・スミス訳が含まれる |
参照聖句と語句 1ニーファイ13:39「預言者たちと小羊の十二使徒の記録」 | 解釈 聖書 |
1ニーファイ13:40-41を読み,回復された聖典が何をあらゆる人に明らかにすると記述されているのかを見つけます。
-
どのようなことが見つかりましたか。
聖典か学習帳に次の真理を記録するとよいでしょう:モルモン書やそのほかの末日の聖典は,イエス・キリストを証し,主の完全な永遠の福音を確立する分かりやすくて貴い真理を回復する。
生徒に,以下の2番目と3番目の質問への答えを1枚の紙に書いてもらうとよいでしょう。答えを集めて教室内に掲示し,ほかの人が読めるようにします。
-
なぜ,救い主の福音の真理は分かりやすくて貴いと記述されていると思いますか。
-
分かりやすくて貴い真理を回復するという役割から,主について何を学べるでしょうか。
-
あなたにとって,分かりやすくて貴い真理,または末日の聖典の教えとは何でしょうか。
-
その真理は,あなたがイエス・キリストに近づくうえでどのような助けとなってきましたか。
分かりやすくて貴い真理が回復された
ホワイトボードに,以下のテーマと関連する聖句を示します。生徒には,より詳しく研究したいものを一つ以上選んでもらいます。その聖句をまず聖書で研究してもらい,それがこのテーマに関する唯一の情報だと想像してもらいます。その後,ほかの聖句も研究し,聖書に書かれていることをどのように明らかにしているかを見つけてもらいます。これは二人一組で行い,生徒はお互いに気づいたことを話し合うとよいでしょう。あるいは,生徒が個別に研究してから,クラス全体で気づいたことを話し合ってもよいでしょう。
神会(マタイ3:16-17)
イエス・キリストの贖罪(ルカ22:41-44)
前世(エレミヤ1:5)
聖餐(マタイ26:26-28)
イエス・キリストの福音(マルコ1:14-15)
-
発表してもいいという生徒に,学んだことを発表してもらいます。以下のような質問を用いるとよいでしょう:
-
選んだテーマについて何を学びましたか。
-
この真理は,あなたがイエス・キリストを喜び,よりよく従ううえでどのように役立つでしょうか。
-
なぜあなたは,天の御父とイエス・キリストが聖文を加えられ,分かりやすくて貴い真理を回復されたことに感謝するのでしょうか。