セミナリー
ヤコブ1章:人々がキリストのもとに来るように説き勧める


「ヤコブ1章:人々がキリストのもとに来るように説き勧める」『モルモン書 教師用手引き』(2024年)

「ヤコブ1章:人々がキリストのもとに来るように説き勧める」『モルモン書 教師用手引き』

ヤコブ1章

人々がキリストのもとに来るよう説き勧める

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家庭で教える宣教師

ニーファイは死ぬ前に,弟のヤコブに,版を保存し,「いちばん貴い〔こと〕」(ヤコブ1:2)を記録する責任を与えました。ヤコブのメッセージは人々をイエス・キリストに向けさせ,不信仰と罪の結果を避ける助けとなりました。この課は,人々がイエス・キリストのもとに来るのを助ける方法を見つけるのに役立ちます。

生徒が積極的に参加できるように助ける。一部の生徒は,聖典から学ぶ努力をすることに慣れておらず,難しいように思いがちです。しかし,生徒は自分の能力を伸ばし,次第に自分の学習に対してより多くの責任を持つことができるようになります。生徒がクラスで積極的な役割を果たせるような機会を探し,その努力や成長を褒めるようにしましょう。

生徒の準備:生徒に,イエス・キリストについてほかの人と話す機会について考えてもらいます。そのような機会や,そのときに行動する勇気を持てるよう,祈り求めるよう生徒に促します。

学習活動案

友達と話す

次の質問とビデオは,イエス・キリストについてほかの人と話すことがどのようなものなのかを,生徒が話し合うのに役立つでしょう。生徒に「生徒の準備」をするよう伝えていた場合は,自分がイエス・キリストについてほかの人と話す機会について分かち合ってもらいます。生徒が自分の気持ちや経験について話し合うことがたくさんある場合,ビデオを見せる必要はないかもしれません。

  • どのようなとき,ほかの人とイエス・キリストについて話すことに気後れしてしまうでしょうか。恐れを克服する助けとなるものは何でしょうか。

  • イエス・キリストの福音を人々に分かち合う良い模範として知っている人はだれですか。

ジュニアという若い男性は,福音を分かち合うすばらしい模範です。この男性は,唯一の若者として,アメリカ合衆国フロリダ州の小さな支部で教会に出席していました。あるとき彼は,友人の一人にイエス・キリストの福音について話し,教会に招くことにしました。ビデオ「キリストのもとに来るようにすべての人を招く—福音を分かち合う」(4:30;ChurchofJesusChrist.orgにあります)を見て,ジュニアと支部のほかの人たちから学べることを一つか二つ見つけるとよいでしょう。

ほかの人の模範は,キリストのもとに来るよう人々を招く理由とその方法のアイデアを与えてくれます。今日研究しながら,人々が救い主のもとに来るのを助けたいとあなたが思う理由と,どうすれば普通で自然な方法で行えるかについて考えてください。

イエス・キリストのもとへ人々を招く

ニーファイは死ぬ前(ヤコブ1:12参照),弟のヤコブに,自分が主から命じられて作った小版に書き記す責任を与えました。小版は霊的な事柄に焦点を当て,そのほかの版は民の歴史にささげられました(ヤコブ1:1-3)。

ヤコブ1:4-6を読み,ニーファイがヤコブに,版に記入し,人々に教えるよう頼んだ事柄を見つけてください。

  • ニーファイとヤコブは,どのようなことを知っていたでしょうか。二人はどのようにしてそれらのことを学んだのでしょうか。

ヤコブのイエス・キリストの証と,それがヤコブをどのように行動に移させたかを生徒が認識できるように助けます。

ヤコブ1:7-8を読み,自分が理解していたことが理由でヤコブが行ったことを探してください。ヤコブが行動を起こす動機となったことを示す言葉に印をつけるとよいでしょう。以下の説明が,ヤコブの動機を明確にしてくれるかもしれません。

「キリストの死について考え〔る〕」:ヤコブは恐らくニーファイ人に,イエス・キリストが自分たちのために死に,自分たちの罪を贖ってくださったことについて考えるように勧めていたと思われます。

「キリストの十字架を負〔う〕」:この言葉は,神の御心にかなわないものやこの世の欲を拒み,主の戒めを守るという決意を指しています(ジョセフ・スミス訳マタイ16:26ルカ9:232ニーファイ9:18参照)。また,わたしたちは救い主に従うときに進んで堪え忍び,犠牲を払う意思を示すことができるという意味でもあります。

  • ヤコブが書いた理由の中で,あなたのモチベーションを上げてくれるものはどれですか。キリストのもとに来るよう人々を招く理由として,ほかにどのような理由が思いつきますか。

聖句のどの言葉を理解する助けが必要か,生徒に質問するとよいでしょう。生徒たちに互いに助け合ってもらいます。

必要に応じて,「注釈と背景情報」の項にある説明を利用するとよいでしょう。

  • これらの聖句に記されているヤコブの模範から,どのようなことが学べますか。

ヤコブの模範から学ぶことができる一つの真理は,イエス・キリストと主の王国を知ることは,人々が主のもとに来るのを助けるために熱心に働く動機づけとなる,ということです。

以下の促しに対する答えを数名の生徒に分かち合ってもらうと,聞いている生徒の役に立つでしょう。

イエス・キリストについて知っていることを深く考え,ほかの人々に知ってほしいと思う真理について考えてください。

生徒は,グループ活動として次のことを行い,だれかがキリストのもとに来るのを助けることができる状況についてブレーンストーミングを行うとよいでしょう。

少し時間を取って,熱心に働いて人々がキリストのもとに来るように説き勧めるために何ができるかを考えてください。そうする機会が訪れるかもしれない状況を書き留めてください。それぞれの状況の横に,その状況においてほかの人々がイエス・キリストを知り,愛するようになるためにどのように助けることができるかを書いてください。以下の例を使って,ほかのことを加えるとよいでしょう:

  1. 自宅で

  2. 友達と

  3. ソーシャルメディアで

  4. 召しにおいて,またはミニスタリングを通して

自分が受けている召しや,果たすように求められるかもしれない召しが,どのように人々をキリストのもとに導く助けとなるかについてクラスで話し合うと,生徒の役に立つかもしれません。生徒は,ミニスタリングについて質問したり,主の教会で奉仕することについての助言を分かち合ったりするとよいでしょう。

だれかがキリストのもとに来るのを助けた経験を分かち合うとよいでしょう。

ビデオの例を見せることもできます。以下のビデオから一つ,または自分が利用できるその他のビデオから一つ選んでください。

2021年の放送:愛,分かち合い,招く」(54:06)タイムコード0:00-1:35

会員のストーリー:青少年とヤングアダルト」(5:08)

ミニスタリング—救い主のように」(6:08)

人々がイエス・キリストのもとに来るのを助ける方法を考えるとき,聖文にある約束や助言から勇気を得ることができます。

教義と聖約15:618:15-16を読み,ほかの人々が主のもとに来るのを助ける人々に主が約束されたことを見つけましょう。

アルマ31:34-35を読み,ゾーラム人をキリストのもとに導くのを助けたいと思ったアルマの模範から学びましょう。

  • あなたはこれまでどのようなときに,ほかの人々がイエス・キリストについて学ぶのを助けることができましたか。

  • キリストのもとに来るよう招きたい人はだれですか。その人を招くために,あなたに何ができるでしょうか。どうすれば救い主に助けを求めることができるでしょうか。

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