セミナリー
ジェロム-オムナイ:自分自身をキリストへささげる


「ジェロム-オムナイ:自分自身をキリストへささげる」『モルモン書 教師用手引き』(2024年)

「ジェロム-オムナイ」『モルモン書 教師用手引き』

ジェロム—オムナイ

自分自身をキリストへささげる

祈りをささげる若い女性

人生で重要な選択をするとき,あなたはどこに導きを求めますか。天の御父とイエス・キリストは,あらゆる人の導きと助けのための一次情報源として,聖典を与えてくださいました。ジェロム書とオムナイ書には,あなたの生活を祝福する様々な教えが含まれています。この課は,あなたの生活を祝福して導きとなる聖文の原則を見いだし,実践する練習をするのに役立ちます。

学習者が福音の教義と原則を見いだすのを助ける。教義とは,イエス・キリストの福音の根本的で不変の真理です。原則とは,個人が物事を決断するときに指針となる,永続する真理です。福音の原則は普遍的で,人々が福音の教義を生活に応用するのを助けてくれます。

生徒の準備:生徒に,日々の聖文研究で,自分の生活に有益となるであろう原則を特定する練習をしてもらいます。見つけた原則を少なくとも一つ分かち合う準備をしてきてもらうよう生徒を励まします。

学習活動案

船を操舵する

船の舵輪

クラスを始めるに当たり,船の画像を表示するかホワイトボードに船の絵を描くとよいでしょう。または,生徒に船の絵をホワイトボードに描いてもらってもよいでしょう。船員が目的地に向けて航行するには,船にどのような部品が必要かを生徒に質問するとよいでしょう。

あなたの人生の旅は,海を航海する船のようなものだと想像してください。この船旅を導く,舵輪や舵にたとえられるものにはどのようなものがあるでしょうか。

ホワイトボードに生徒の答えを書くとよいでしょう。

十二使徒定員会のデビッド・A・ベドナー長老は,答えの一例を次のように述べています:

「皆さんやわたしにとって,福音の原則は船の舵のようなものです。正しい原則はわたしたちが闇と混乱の荒れ狂う末日の嵐の中でバランスを失って倒れることのないよう,道を見いだし,堅く,しっかりと,動かされないように立つことができるようにしてくれます。」(デビッド・A・べドナー「わたしの福音の原則『リアホナ』2021年5月号,126)

  • 福音の原則は,なぜ船の舵輪や舵のようなものだと言えるのでしょうか。

  • 1から10の段階で,あなたは聖文から真の原則を特定し,生活を導くためにそれらを使うことのできる自信がどの程度ありますか。それはなぜですか。

  • これまでどのようなことが聖句の中から原則を見つけるのに役立ちましたか。

生徒の答えに注意深く耳を傾けます。クラスメートの助けになるよう,生徒の発言をホワイトボードに書くとよいでしょう。

原則を特定する方法を復習したければ,「2ニーファイ1章」と「ヤコブ4章」の課を復習するとよいでしょう。

少し時間を取り,セミナリーや個人の聖文研究で,最近あなたが見いだした原則を一つ振り返ってください。

  • どのような原則を見つけましたか。その原則は,あなたの生活にどのような祝福をもたらしましたか。

数人の生徒に分かち合ってもらうとよいでしょう。注意深く聞きながら,生徒がどれだけ原則を見いだせているか,どうすればこのレッスンを通して生徒の能力を伸ばせるかを評価してください。また,生徒の研究を褒めて,そのまま続けるように励ましましょう。

福音の原則を見いだす

ジェロム書とオムナイ書には,ニーファイの小版に書かれた最後の記述が含まれており,わたしたちの生活に祝福をもたらす原則が多く含まれています。ジェロムは父エノスからこの版を受け取り,およそ40年間にわたってニーファイ人の苦闘と祝福を記録しました。この版はその後,ジェロムから息子のオムナイの手に渡されました。オムナイ書には,5人のニーファイ人の記録者による記述が含まれ,およそ190年の期間にわたっています。

生徒が福音の原則を見いだすという有意義な経験をするためには,何が最も良いかを判断しましょう。生徒には個別で,または少人数のグループに分かれて協力してもらい,一つまたは複数の参照聖句にある原則を見いだしてもらうとよいでしょう。

以下の聖句を読み,あなたの人生に使えそうな福音の原則を見いだす練習をしてください。一組の聖句に複数の原則が含まれていることもあります。それぞれの聖句から少なくとも一つの原則を見いだしてください。

  1. ジェロム1:3-4

  2. ジェロム1:5-9

  3. ジェロム1:10-12

  4. オムナイ1:12-16

  5. オムナイ1:25-26

生徒が見いだした原則の幾つかをホワイトボードに書いてもらうとよいでしょう。

救い主と主の業に自分をささげる

ある原則を見いだしたら,それが何を意味するのか,どうすれば自分の人生に応用できるのかを時間を取って深く考えることが重要です。例えば,オムナイ1:26で,あなたは次の原則を見いだしたことでしょう:わたしたちがキリストのもとに来て,自分自身をすべて主にささげるならば,わたしたちは救われる

  • この原則をよりよく理解して応用するためには,どのような方法があるでしょうか。

以下はアイデアの一例です:

この原則を日常生活でほかの人に何かを提供することにたとえてみると助けとなるでしょう。

  • あなたはほかの人に何を提供しますか。

  • あなたが与えられるもののうち,一部分だけを提供するような方法はありますか。それはなぜですか。

  • あなたはいつ,自分が与えられるものをすべて提供できるでしょうか。それはなぜですか。

  • これを,自分自身をすべてイエス・キリストにささげることにどのようにたとえられますか。

生徒の答えに耳を傾けながら,以下の質問をすると効果的でしょう:自分自身をすべてイエス・キリストにささげるとは,どのようなことだと思いますか。イエス・キリストに完全に身をささげるのをためらう理由には,どのようなものがありますか。

  • 自分自身をイエス・キリストへささげるとは,どういう意味だと思いますか。

  • なぜ主は,わたしたち自身を主にささげるよう求めておられると思いますか。

  • イエス・キリストに自分自身をすべてささげようとしている良い模範となる人をだれか知っていますか。その人は,そうすることでどのような祝福を受けましたか。

ChurchofJesusChrist.org

3:26

あなたの生活を表す円を描くとよいでしょう。今,自分自身を主にささげていると思う割合だけ,円の一部を塗りつぶしてください。少し時間を取り,イエス・キリストにさらにに自分自身をささげるにはどうすればよいか,深く考えましょう。そのための方法を一つか二つと,それを実践することが自分の生活にどう役立つのかを書き留めましょう。

原則を理解して応用する

先ほどジェロム書とオムナイ書で見いだした原則を思い出してください。

  • あなたが見いだした原則のうち,自分にとって最も有意義なものはどれですか。それはなぜですか。

  • どうすればその原則をよりよく理解し,応用することができますか。

  • その原則に従って生活することが,あなたの人生をさらにイエス・キリストに向けて進めるうえでどう役立つでしょうか。