セミナリー
マスター教義:モーサヤ2:17—「あなたがたの神のために務める」


「マスター教義:モーサヤ2:17—『あなたがたの神のために務める』」『モルモン書 教師用手引き』(2024年)

「マスター教義:モーサヤ2:17」『モルモン書 教師用手引き』

マスター教義:モーサヤ2:17

「あなたがたの神のために務める」

老人を訪ねる青少年

モーサヤ2:1-18」の課で,「あなたがたが同胞のために務めるのは,……あなたがたの神のために務めるのである」(モーサヤ2:17)ことを学びました。この課では,モーサヤ2:17のマスター教義聖句と重要語句を暗記して,教義を説明し,霊的な知識を得るための原則を実際の状況に応用する練習をします。

シナリオを使用する。現実の状況やシナリオについて話し合うことで,福音の真理が日常生活にどのように応用できるかについて,生徒が理解を深めるのに役立ちます。生徒には,まず自分自身の生活から様々な状況を考え,次に霊的な知識を得るための原則を応用して,疑問に対して考えられる解決策を見つけるように勧めます。

生徒の準備:生徒には,困難だがやりがいのあった奉仕の経験や,奉仕の機会があってもその気になれなかったときのことを思い返して,クラスに来てもらいます。

学習活動案

このマスター教義聖句の課は,「モーサヤ2:1ー18」の課を学んだ後で学習することが想定されています。つまりこの課は,マスター教義聖句モーサヤ2:17の背景を学ぶ課なのです。このマスター教義聖句の課を別の週に移動する必要がある場合は,その週のうちに背景の課も教えるようにしてください。

説明と暗記

モーサヤ2:17と新約聖書のマスター教義聖句であるマタイ22:36-39を読み,類似点を見つけてください。

変化をつけるため,生徒を二人一組に分けて,それぞれが聖句の一つを読むようにするとよいでしょう。次に,以下の質問について話し合ってもらいます。

  • マタイ22:36-39モーサヤ2:17には,どのような類似点があるでしょうか。

  • これらの聖句を使って,あなたなら奉仕の教義をどのように説明しますか。

生徒がこの重要語句を暗記できるよう,クラスを二つに分けるとよいでしょう。語句の前半部分である「あなたがたが同胞のために務めるのは」をクラスの半分に割り当ててください。語句の後半部分「とりもなおさず,あなたがたの神のために務めるのである」をクラスの残り半分に割り当てます。最初のグループに,割り当てられた語句を繰り返してもらいます。二つ目のグループにも同じようにします。両方の語句を繰り返したら,クラス全体で「モーサヤ2:17」と声をそろえます。二つのグループが繰り返す語句を入れ替えて,この活動を繰り返してもよいでしょう。神について話すときは敬虔であるように,生徒に思い出してもらいます。

実践練習

霊的な知識を得るための原則を復習する目的は,原則に対する深い理解を持ち,生活の中で霊的な疑問に直面したとき,自然にそれらの原則を使えるようにすることです。これらの復習演習を使って,その原則に関する生徒の知識を評価してください。必要に応じて,調整したり繰り返したりしてください。

生徒を3人一組のグループに分け,グループのそれぞれの生徒に『マスター教義に関する基本文書』(2022年)の中に記載されている,以下の原則を一つずつ割り当ててください:信仰をもって行動する,永遠の視点から概念や疑問について調べる,神が定められた情報源を通してさらに理解を深める。それぞれの生徒に,割り当てられた原則を理解するうえで重要と思われる語句を二つ見つけてもらいます。生徒に,選んだ語句と,それを選んだ理由をグループに分かち合ってもらいます。

以下の活動は個人でも,二人一組でも,少人数のグループで行ってもかまいません。生徒がシナリオを書くことを選択した場合は,そのシナリオには霊的な知識を得るための原則の視点で考えることが可能な課題や対立を含める必要があります。生徒同士でシナリオを交換してもらいます。次に,霊的な知識を得るための原則を適用して,受け取ったシナリオに対処するよう取り組んでもらいます。必要に応じて,各項に挙げられている質問を生徒にしてください。

奉仕は,一般的には行う人と受ける人の双方にとって有益な経験です。しかし,奉仕には困難も伴います。あなたが最近行った奉仕の機会についてよく考えてみましょう。その奉仕には,どのような困難が伴いましたか。人が奉仕をしない理由には,どのようなものがありますか。

奉仕に伴う困難を描いたシナリオを,自分自身で書いてください。以下はその一例です:智子は教会の指導者から,自分の若い女性クラスにいるあまり活発でない少女に誕生日のごちそうを持って行くよう頼まれました。玄関に現れたその少女は,智子にぶしつけな態度をとりました。傷ついた智子は,この奉仕をしたことを後悔して立ち去りました。

信仰をもって行動する

  • 困難があっても奉仕することが,なぜ信仰をもって行動することになるのでしょうか。

  • モーサヤ2:17で教えられている教義は,この状況にある人が信仰をもって行動することにどのように役立ちますか。

永遠の視点から概念や疑問について調べる

  • 永遠の視点からこのシナリオを見ると,何が変わりますか。

  • モーサヤ2:17で教えられている教義は,この人が永遠の視点から物事を見ることにどのように役立ちますか。

  • 救い主なら,この状況でどのように行動されると思いますか。

神が定められた情報源を通してさらに理解を深める

生徒が言葉を見つけやすいように,「モーサヤ2:1-18」の課の「注釈と背景情報」の項からの引用を表示するとよいでしょう。

人が喜んで奉仕するのを助けるために,分かち合うことのできる聖文や総大会からの言葉をほかにも見つけてください。そのためには,「福音ライブラリー」アプリで「奉仕」を検索してみて,ヒットした聖文や総大会の説教を見るとよいでしょう。『聖句ガイド』で「奉仕」を調べることもできます。

生徒に,見つけたことを分かち合ってもらいます。最後に,奉仕の妨げとなる障害を克服する努力をするよう生徒を促し,締めくくるとよいでしょう。モーサヤ2:1-18の研究中に生徒が作った奉仕の計画と,自分の日常にある周りの人に奉仕する機会を思い出してもらいましょう。

マスター教義の復習

ホワイトボードに聖句の場所と重要語句を書き,クラス全体でそれらを声に出して繰り返してもらいます。幾つかの言葉を消してから,もう一度生徒に聖句の場所と語句をすべて繰り返してもらいましょう。すべてを消しても,生徒が記憶だけで聖句の場所と語句をすべて繰り返せるようになるまで,この手順を繰り返してください。