「アルマ1:1-18:偽善売教の悪」『モルモン書 教師用手引き』(2024年)
「アルマ1:1-18」『モルモン書 教師用手引き』
アルマ1:1-18
偽善売教の悪
わたしたちの世の中では,人々が個人的な栄誉と利益のために,自分自身や自分の考えを売り込んでいます。これらの誤った行為を信じたために,多くの人々が罪を犯し,救い主イエス・キリストを拒んでいます。ニーファイ人にも同じことが当てはまりました。ニーホルいう名の男が偽りの教義を教えたため,彼の時代,そしてその後何年にもわたって,人々が救い主を拒むようになったのです。この課は,イエス・キリストから背を向けさせられそうな偽りの教えを,あなたが認識して拒むのに役立ちます。
学習活動案
偽りの教え
-
1-5段階の評価で(「まったくそう思わない」を1,「非常にそう思う」を5とします),以下の文章にどの程度同意するかを答えてください。それはなぜですか。
わたしが毎日受け取る情報は,ほとんどがほんとうのことである。(例えば,ソーシャルメディア,広告,社会の指導者層やインフルエンサーなどの情報。)
わたしが受け取る情報は,自分のイエス・キリストに対する信仰に影響している。
神は,わたしが誤りと真実を見極めるのを助けてくださったことがある。
わたしたちが生きる世界は,イエス・キリストへの信仰を弱めるような偽りのメッセージに満ちています。アルマ1章を研究しながら,イエス・キリストに背を向けさせるような偽りの教えをあなたが認識できるよう,御霊の導きを求めてください。
モーサヤ王は,死ぬ前に新しい統治制度を確立しました。王を持つ代わりに,人々は法を執行するさばきつかさを選びました。息子アルマは,最初の大さばきつかさ,すなわち総督に選ばれました(アルマ2:16参照)。彼はまた,大祭司で,教会指導者でもありました(モーサヤ29章参照)。統治制度が変わってから,人々は時間経過を記録し始めたのです。
さばきつかさの統治の元年に,ニーホルという邪悪な男がニーファイの民に影響を及ぼし始めました。十二使徒定員会のD・トッド・クリストファーソン長老が,ニーホルの話がモルモン書に含まれている理由を教えています:
「モルモン書にはニーホルという名の男の話が記されています。モルモンがニーファイ人の1,000年間の記録を要約するに当たって,この男について,また彼の教義が及ぼした果てしない影響についての話を含めるのが大事だと思った理由は,容易に理解できます。彼が教えたような人生観が現代に再び広められることを知っていたモルモンは,わたしたちに警告したいと考えたのでした。」(D・トッド・クリストファーソン「悔い改めという神の賜物」『リアホナ』2011年11月号,38)
アルマ1:2-6を読み,ニーホルが人々に教えたことを見つけてください。ニーホルの教えをリストにしてください。そして「真実」,「偽り」,あるいは「両方」とラベルをつけてください。
ニーホルは偽りの教えに真実を混ぜていたことに,あなたは気づいたことでしょう。これはサタンが使う計略と同じです。こうしてニーホルとサタンを比べると,サタンは人々を欺き,イエス・キリストから背を向けさせるために,うそに真実を混ぜて使うことが分かります。
-
現代では,どこにその証拠を見ることができるでしょうか。
十二使徒定員会のデール・G・レンランド長老は,ニーホルの偽りの考えが現代の一部の人々にどう影響しているかを説明しています:
「(悔い改めを妨げる偽りの教えの)もう一つの考え方は,何をしようと神は自分を愛してくださるのだから罪など関係ないという考えです。偽善者ニーホルがゼラヘムラの人々に教えた『全人類は終わりの日に救われるので,人は恐れる必要もおののく必要もない,……結局すべての人が永遠の命を得る』(アルマ1:4)という言葉を信じるようにという誘惑は,常にあります。しかし,この考えは魅力的ですが間違っています。神はほんとうにわたしたちを愛してくださっています。しかし,神にとっても,わたしたちにとっても,わたしたちがどのような行いをするかは重要です。神はどう行動するべきかについて明確な指示を与えておられます。この指示を戒めと言います。神に認められて永遠の命を得られるかどうかは,謙遜になって心から悔い改めるかどうかを含む,本人の行動にかかっています。」(デール・G・レンランド「悔い改め─喜びに満ちた選択」『リアホナ』2016年11月号,123)
偽りの教えを見分ける
ニーホルの教えのような偽りの教えを見分けることは,時に難しいものです。幸い,あなたはそれを見分けることができます。モルモンは,メッセージや教えが「悪を行うように,キリストを信じないように,キリストを否定するように,神に仕えないように」と人に説き勧めるものは,それは悪魔から出ていると知ることができると教えています(モロナイ7:17)。
-
ニーホルの教えのうち,救い主が必要ないと思わせる可能性があるのはどれですか。
-
人々にイエス・キリストから背を向けさせる偽りの教えは,現代ではほかに何がありますか。
あなたが定期的に聞いたり読んだりするメッセージについて考えてください。それはあなたにどのように影響していますか。その中に,イエス・キリストへのあなたの信仰に悪く影響するものはありますか。
イエス・キリストへの信仰に悪影響を及ぼすような偽りのメディアメッセージを見たり,読んだりしている場合は,その情報源を生活から遮断するか,削除しましょう。そして,イエス・キリストへの信仰を築くようなメッセージに置き換えましょう。例えば,『For the Strength of Youth―青少年の強さのために』や『リアホナ』などの機関誌は,次のウェブサイトで入手できます:ChurchofJesusChrist.org。これらには信仰を築く内容が載っています。
偽善売教
ある日,ニーホルは老いた教会指導者ギデオンに出会いました。ニーホルが教会の人々を惑わそうとすると,ギデオンは「彼〔ニーホル〕に反論し,神の言葉をもって彼を諭した」(アルマ1:7)のでした。ニーホルはギデオンに対し腹を立て,彼を殺しました。ニーホルはアルマの前に連れて行かれ,法律に従って死刑にされました(アルマ1:9-15参照)。
アルマ1:12を読み,アルマがニーホルの教えをどのように表現したかを探してください。
アルマ1:16と2ニーファイ26:29を読み,偽善売教の説明を探してください。
-
ニーホルの説教は,どのような点で偽善売教に当たると思いますか。
-
なぜ,人気を集める偽りの考えがあるのだと思いますか。
-
なぜ,偽善売教はとても危険なのだと思いますか。
偽りの教えを拒む
ギデオンのように,わたしたちも神の言葉をもって,偽りの教えを拒むことができます(アルマ1:7,9参照)。ニーホルのものか,現代での聞いたことのある偽りの教えを,一つ以上選んでください。そしてその偽りを正す聖句を一つ見つけてください。例えば,アルマ1:3のニーホルの教えに対しては,マタイ23:11の救い主の教えで対抗することができます。
-
あなたが選んだ偽りの教え(複数可)と,それを正すと思う聖句(複数可)を分かち合ってください。
-
偽りの教えをどのように見分け,拒むかについて,アルマ1章で学んだことを分かち合ってください。