セミナリー
マスター教義:アルマ34:9-10―「贖罪が行われなければならず,……無限にして永遠の犠牲でなければならない。」


「マスター教義:アルマ34:9-10―『贖罪が行われなければならず,……無限にして永遠の犠牲でなければならない』」『モルモン書 教師用手引き』(2024年)

「マスター教義:アルマ34:9-10」『モルモン書 教師用手引き』

マスター教義:アルマ34:9-10

「贖罪が行われなければならず,……無限にして永遠の犠牲でなければならない。」

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十字架上のキリスト

以前の課で,あなたはイエス・キリストの無限にして永遠の贖罪について学びました。この課は,あなたがアルマ34:9-10の聖句の場所と重要語句を暗記し,それらの節が教える教義を説明し,その聖句を使って霊的な知識を得るための原則を実際の状況に応用するのに役立ちます。

生徒が「霊的な知識を得るための原則」を活用する練習をするのを助けます。原則に言及するときは,その記述全体で言及するように努めてください。そうすることで,クラスの話し合いの中で,原則がいつ,どのように使われているのか,生徒がすぐに認識できるようになります。

生徒の準備:アルマ34:9-10で教えられている真理と,霊的な知識を得るための原則が,自分の罪が赦されないと感じている人にどのように役立つかを,生徒に考えてもらうとよいでしょう。

学習活動案

このマスター教義聖句の課は,「アルマ34:1-17」の課を学んだ後で学習するようになっています。その課は,マスター教義聖句「アルマ34:9-10」の背景を学ぶためのものだからです。このマスター教義聖句の課を別の週に移動する必要がある場合は,その週のうちに背景の課も教えるようにしてください。

説明と暗記

言葉で説明するよりも,心の中で理解する方が簡単であると気がついたことはありますか。マスター教義の目的の一つは,マスター教義聖句の教義を自分自身の言葉で説明する機会を与えることです。

最近研究したアルマ34:9-10では,イエス・キリストの無限にして永遠の贖罪がなければ,全人類は永遠に迷った状態になることを学びました。

生徒に次の指示を示し,アルマ34:9-10が教える教義を生徒自身の言葉で説明する機会を設けましょう。

アルマ34:9-10の意味を,イエス・キリストについてほとんど何も知らない人に説明する機会があると想像してください。少し時間を取って,これらの聖句を復習し,その人に理解してもらいたい言葉や語句に印をつけるか,書き留めてください。

準備する時間を十分に取った後で,生徒に二人一組か少人数のグループに分かれてもらい,それぞれの生徒に説明を分かち合う練習してもらうとよいでしょう。

アルマ34:9-10の重要語句は,「贖罪が行われなければならず,……無限にして永遠の犠牲でなければならない」です。

生徒がこの聖句の場所と重要語句を暗記できるように助けてください。生徒に二人一組になってもらいます。一人の生徒に前半の語句を繰り返してもらってから,もう一人の生徒に後半の語句を繰り返してもらうとよいでしょう。その後,二人一緒に聖句の場所を述べてもらうことができます。これを数回繰り返した後,生徒は担当を交代し,もう片方の語句を繰り返すとよいでしょう。

実践練習

次のシナリオを分かち合う前に,霊的な知識を得るための原則が何か生徒に尋ねてみるとよいでしょう。生徒の回答に応じて,ホワイトボードにそれぞれの原則を書きます。生徒に,このレッスンの最中に,これらの原則を復習し,原則を応用する練習の機会があることを説明します。

その後,生徒が活動をする際に参照できるよう,シナリオを表示するか,シナリオのコピーを配付してください。

イエス・キリストの贖罪について日曜学校のクラスで教えるよう頼まれたと想像してください。あなたは,準備の一環として,ワードにいる明美という名前の若い女性に声をかけ,主の贖罪によりイエス・キリストが自分の人生をどのように祝福してくださったかを分かち合ってくれるよう頼みました。

明美の回答にあなたは驚かされました。彼女はこう言いました。「正直なところ,イエス・キリストの贖罪はほとんどの人にとってすばらしいものだと思います。でも,自分がこれまでに犯してきた,そしてこれからも犯し続ける過ちを考えると,贖罪がどれだけ自分に当てはまるのか分からないんです。わたしは,いつか克服できるかも分からない罪を抱えているんです。」

レッスンの準備を続けながら,あなたは明美が話したことについて考え続け,明美を助けたいと考えました。アルマ34:9-10の教えと,霊的な知識を得るための原則が,明美の悩みにどのように役立つかをよく考えてください。

生徒に少人数のグループに分かれてもらい,各グループに霊的な知識を得るための原則の一つに焦点を当てるよう割り当てるとよいでしょう。生徒には,この原則が明美の状況にどのように役立ち得るか,考えられるすべての点を紙かホワイトボードに箇条書きにしてもらうとよいでしょう。次に,各グループの生徒に,話し合ったことをクラス全体に発表してもらいます。

必要に応じて,次の質問をグループに紹介すると,話し合いの際に活用できるでしょう。

信仰をもって行動する

  • 明美に役立つと思われる忠実な行動として,具体的にどのようなものがありますか。

  • 明美が信仰をもって行動するよう助けるために,あなたはイエス・キリストと主の贖罪について何を教えることができますか。アルマ34:9-10の教えは,どのように役立つでしょうか。

明美がどのように信仰をもって行動できるかについて,さらにアイデアが必要な場合は,『マスター教義に関する基本文書』の「霊的な知識を得る」の項の第5-7段落を読むとよいでしょう。

永遠の視点から概念や疑問について調べる

この項を教える別の方法として,イエス・キリストと主の贖罪や,救い主の憐れみを受けるための自分の役割について,明美が間違って思い込んでいることを,生徒にホワイトボードに箇条書きにしてもらうとよいでしょう。その後,明美が自分の悩みを捉え直す(または別の見方をする)ことができるように,イエス・キリストと主の贖罪,救い主の憐れみを受けるうえでのわたしたちの役割について,生徒が理解している真理を分かち合ってもらいます。

  • 天の御父とイエス・キリストは,明美が抱いたような悩みをどのように御覧になると思いますか。

  • 救い主の贖罪が「無限にして永遠」(アルマ34:10)であることを覚えておくことが,明美にとって大切なのはなぜでしょうか。

  • 救い主の贖罪なしではすべての人が堕落し,迷った状態にとどまることを思い出すことは,明美の悩みを違った見方で捉え直すのに,どのように役立つでしょうか。

明美が永遠の視点で概念や疑問を考察するために,さらにアイデアが必要な場合は,『マスター教義に関する基本文書』の「霊的な知識を得る」の項の第8段落を読むとよいでしょう。

神が定められた情報源を通してさらに理解を深める

  • 神が定められた情報源のうち,明美が導きや指示を受ける助けとなるよう,どの種の情報源を勧めますか。それはなぜですか。

  • アルマ34:9-10に加えて,明美と分かち合うことができる聖句や教会指導者の言葉にはどのようなものがありますか。それはどのように彼女を助けることができますか。

神が定められた情報源を通して,明美がさらに理解を深める方法について,さらにアイデアが必要な場合は,『マスター教義に関する基本文書』の「霊的な知識を得る」の項の第11-12段落を読むとよいでしょう。

生徒に,今日学んだことや感じたことの中で,自分や知り合いの人生を祝福できることについて考えてもらいます。霊的な知識を得るための原則と,聖文で教えられている教義を,現在直面している状況に応用する機会を見つけるよう促しましょう。

マスター教義の復習

今後のレッスンで,アルマ34:9-10の聖句の場所と重要語句「贖罪が行われなければならず,……無限にして永遠の犠牲でなければならない」を生徒が復習できるよう助けてください。

これを行う方法の一つとして,ホワイトボードに聖句の場所と重要語句の最初の文字を書き,各文字に関連する言葉を生徒に思い出してみてもらうことが挙げられます。生徒がこの聖句の場所と重要語句を暗唱できるようになるまで,これを数回練習してください。

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