セミナリー
アルマ43,48-50章:戦争の章から学ぶ


「アルマ43,48-50章:戦争の章から学ぶ」『モルモン書 教師用手引き』(2024年)

「アルマ43,48-50章」『モルモン書 教師用手引き

アルマ43,48-50章

戦争の章から学ぶ

防衛拠点にいる武装したニーファイ人

アルマ書の終盤には,争いと戦争の時代が描かれています。ニーファイ人がこれらの戦争で使った戦略は,わたしたちがサタンとの日々の戦いのために戦略を練るのに役立ちます。この課は,聖文を自分自身に当てはめ,絶え間なく,そして激しさを増すサタンの攻撃に対する主の守りを受けるのに役立ちます。

生徒が聖文に個人的な意味を見いだせるように助ける。聖文の理解を深めるために,様々な学習スキルを使うよう,生徒を励ましましょう。生徒は物語の詳細を調べ,聖文の話と自分の人生を比較して結びつけ,学んだことをどのように実践していくかを決めることができます。

生徒の準備:生徒にアルマ43:18-21,37-38を研究してもらい,サタンとの戦いに役立つ教訓を探してもらいます。

学習活動案

敵を認識する

次の言葉を表示しながら,それに続く質問への回答を生徒に話し合ってもらうとよいでしょう。

十二使徒定員会のボイド・K・パッカー会長(1924-2015年)は,次のように警告しています:

「皆さんは敵陣の中で成長しています。〔敵は〕家庭,娯楽,メディア,言葉など,皆さんを取り巻くあらゆるものに潜んでいます。たいていの場合,人はその存在に気づきません。」(ボイド・K・パッカー「敵陣で生き残る方法」『リアホナ』2012年10月号,34-35)

  • この言葉について,どのような考えや感想を持ちましたか。

  • パッカー会長が話していたことを示す例として,何が思い浮かびますか。

生徒には,声に出して答えるのではなく,次の段落の質問に対する答えを考えることに集中してもらいます。

パッカー会長の言葉が自分にどのように当てはまるか,少し考えてみてください。サタンの誘惑が自分や大切な人に影響を与えていることに気づくには,どのような方法がありますか。サタンの攻撃から身を守るために,どのような努力をしていますか。

ニーファイ人とレーマン人の間の戦争

アルマ書の終わりには,ニーファイ人とレーマン人の間で起こった戦争の一部が描かれています。これらの話を研究すると,サタンとの戦いに役立つ貴重な教訓を学ぶことができます。例えば,レーマン人の目的と戦術は,わたしたちに対するサタンの目的と戦術と比較することができます。

次の聖句の場所と名前をホワイトボードに書くとよいでしょう。アルマ43:5-8の上に,ゼラヘムナと書いてください。アルマ46:3-5,10の上には,アマリキヤと書いてください。生徒をグループに分け,それぞれ別の聖句を研究するように割り当てるとよいでしょう。

アルマ43:5-846:3-5,10を読んで,サタンの目的や戦術に似ている,レーマン人の邪悪な指導者たちが行ったことを見つけてください。

数人の生徒を募り,研究した人物の目的と戦術をホワイトボードに書き出してもらうとよいでしょう。

  • これらの指導者の目的と戦術は,サタンのものとどのように似ていましたか。

自由の旗を持つモロナイ

ニーファイ人の軍勢は,モロナイという名の義人に率いられていました。

次の聖句の場所を,ホワイトボードに書かれたゼラヘムナとアマリキヤに関する聖句の場所の隣に書くとよいでしょう。追記した聖句の場所の上にモロナイと書いてください。

アルマ48:11-13,17を読んで,モロナイが持つキリストのような特質や特徴を探してください。

数人の生徒を募ってホワイトボードの前まで出てきてもらい,救い主を思い出させるモロナイの特徴を書き出してもらいます。

  • 何が見つかりましたか。

聖文を自分に当てはめる

聖文の中でこれまでに行った比較は,これらの記述の他の詳細を自分の生活に当てはめたり,関連づけたりするための準備となります。

以下の手順を掲示して,レッスン中に生徒が参照できるようにします。

以下の手順は,聖文を自分の生活に当てはめるのに役立つでしょう。これらの手順を学習帳に記録します。

  1. 聖文の重要な箇所を見つける。

  2. 自分の生活と比べる。

  3. 貴重な教訓を見いだす。

  4. 実生活に応用する方法を決める。

ニーファイ人とレーマン人の間に起きた戦いの一つについて学ぶとき,この手順を使用して,「当てはめる」という聖文研究スキルを練習してください。

以下は,生徒が聖文を当てはめるように導き,この課の後半で実際に自分でこれを行う準備をしてもらうためのものです。

ステップ1:聖文の重要な箇所を見つける

アルマ43:17-21,37-39,51-54を読んで,重要な箇所を探してください。重要な部分には,強調されている人,場所,物,行動などが含まれます。

これらの聖句で見つけた重要な箇所を生徒に発表してもらいます。ホワイトボードに書き出してもよいでしょう。必要に応じて,生徒が以下の重要な箇所を見つけられるように助けます。

あなたが気がついた重要な箇所には,モロナイが軍隊をよろいと厚い服で守っていたこと,レーマン人は身を守るための装備をしていなかったこと,ニーファイ人は数では非常に劣っていたにもかかわらずレーマン人を打ち負かしたこと,などがあるかもしれません。

ステップ2:自分の生活と比べる

前のステップで見つけた重要な箇所は,霊的な物事や自分の生活状況と,どのように比べることができるか,考えてください。

あなたは,ニーファイ人の武器を神の武具と比較したかもしれません。また,ニーファイ人の勝利をサタンやサタンの誘惑に打ち勝つことと比較したことでしょう。

ステップ3:重要な教訓を見つける

この話から学んだことの中で,自分に当てはめられそうな部分について考えます。また,救い主について学んだことも考えるとよいでしょう。

複数の生徒に,次の質問に対する回答を分かち合ってもらいます。

  • ニーファイ人とレーマン人の間で行われたこの戦いから得られる教訓のうち,あなたとサタンとの戦いに役立つものは何ですか。

  • この話から,イエス・キリストについて何が分かりますか。

わたしたちが学べる原則の一つは,イエス・キリストが,サタンとの戦いに必要な守りを与えてくださる,ということです

ステップ4:実生活に応用する方法を見つける

前のステップで見つけた教訓をどのように応用できるか,深く考えてください。

  • サタンの攻撃に対するイエス・キリストの守りを受けるために,あなたには何ができますか。

この真理を応用する方法は多くありますが,祈り(教義と聖約10:5参照),聖文研究(1ニーファイ15:24参照),主の戒めを守る(モーサヤ2:41参照)などの信仰の行動を通して,救い主の守りを受けることを考えたかもしれません。

再度聖文を自分に当てはめる練習をする

以下は,聖文を自分に当てはめるスキルを,生徒が自分で使えるように助けるためのものです。必要に応じて,一緒に作業が行えるよう,生徒に二人一組またはグループになってもらいます。次の聖文を表示し,生徒が研究に使えるよう,レッスンの前半に表示した4つのステップを生徒に紹介します。

次の聖句の中から少なくとも2セット選び,研究しながら,聖句を自分に当てはめるための4つのステップを実践してください。

生徒に,研究して学んだことや感じたことを分かち合ってもらいましょう。また,これらの節から得た自分の洞察も伝えるとよいでしょう。

  • 研究した話の中に,どのような重要な箇所を見つけましたか。

  • それらの重要な箇所を,自分の生活のどのような場面に当てはめましたか。

  • この話から学んだ教訓は何ですか。

  • その教えを,自分の生活にどのように応用できますか。