セミナリー
モルモン1-2章:預言者モルモン


「モルモン1-2章:預言者モルモン」『モルモン書 教師用手引き』(2024年)

「モルモン1-2章」『モルモン書 教師用手引き』

モルモン1-2章

預言者モルモン

幼いころのモルモン

キリストに従おうと努力するとき,自分の行動が周りの人とは異なることに気づくことがあるかもしれません。また,こう考えたことがあるかもしれません。「ほかの人がキリストに従っていないように見えるときに,どうすればキリストに従えるほど強くなれるだろうか。」預言者モルモンも若いころ,同様の状況を経験しました。この課は,モルモンの模範から,ほかの人の選択に左右されることなく,キリストに従う方法を理解するのに役立ちます。

生徒に,ほかの人の生活の中に救い主の特質を探すように教える。聖典には,イエス・キリストの特質を模範的に示した忠実な男女の記録が数多くあります。救い主に倣おうと努める人々の生活を調べることで,生徒が救い主について学べるようにしてください。

生徒の準備:生徒に,イエス・キリストに従うためにほかの人と異なることを選んだ経験と,なぜそうする価値があったのかを分かち合う準備をしてきてもらいます。

学習活動案

イエス・キリストの弟子として際立った存在になる

黄色いゴムアヒルのグループにまぎれる1羽の紫色のゴムアヒル

この写真のように,周囲のものと明らかに異なるものを示す写真を示すとよいでしょう。続いて,次の質問をしてください:

  • この写真は,今日の世の中でキリストに従おうと努力している人に,どのようにたとえられるでしょうか。

  • 正しいことを行うか,それとも周りの人の行いに従うかを青少年が選ばなければならない状況には,どのようなものがありますか。

預言者モルモンの生涯と教えを学ぶ時には,周りの人が違う道を選ぶかもしれないとき,あなたが救い主に従う助けとなる洞察を探してください。

預言者モルモン

以下のモルモンの絵を表示するとよいでしょう。生徒を一人募り,モルモンが取り組んでいる金属の版について説明してもらいます。必要に応じて,次の段落の情報を分かち合ってください。

金版とモルモン

モルモンは,自分の民の神聖な記録を残して保存するとともに,そこに彼自身の物語と経験を加えるよう,神によって選ばれました。モルモンが書いて,要約し,保存した記録の幾つかは,後に預言者ジョセフ・スミスによってモルモン書として翻訳されました。

生徒が主体的に活動できるように,次のことを行ってもよいでしょう:生徒に,モルモンのためにソーシャルメディアのプロフィールを作るか,またはモルモンをグループに紹介する準備をしていると想像してもらいます。各聖句の後にいったん間を取り,学んだことをプロフィールや紹介文に追加してもらいます。

以下の聖句を読み,モルモンについて幾つか学んでください:

  • モルモンの記述で,何が印象に残りましたか。

モルモンは若いころから,周りの多くの人がやっていることに従うのか,それともイエス・キリストの弟子として,目立つ存在になるのかを決めなければなりませんでした。

救い主がアメリカ大陸を訪れた後に確立された,義にかなった文明について学んだことを覚えているかもしれません。悲しいことに,200年近く義にかなった生活を送った後,ニーファイ人とレーマン人は高慢になり始めました。やがて彼らは非常に邪悪になり,争うようになりました(4ニーファイ1:24-49参照)。

モルモン1:13-14,162:18-19を読み,自分が育った社会についてモルモンが説明していることを見つけてください。

  • モルモンの模範からあなたは何を学べるでしょうか。

生徒が特定するであろう一つの真理は,周りの人がそうしなくとも,わたしたちは救い主に従うことを選ぶことができる,ということです。ホワイトボードにこの真理を書くとよいでしょう。

モルモンは正しい人であったので,10代の若者でありながら神から驚くべき祝福を受けました。モルモン1:15を読み,これらの祝福の一つを見つけてください。

  • 現代の10代の若者が祝福され,「イエスの慈しみを味わって知〔る〕」方法には,どのようなものがあるでしょうか。

    この質問に対する答えとしては,罪の赦しを受けることや,困難な時期に平安を経験することなどが考えられます。生徒はまた,自分には資格がなく,できないと思っていたことができるように,イエスの力が助けてくれたと感じたときのことを挙げるかもしれません。

  • たとえほかの人がそうしなくても,あなたがイエス・キリストの模範に従うことで,天の御父はどのような祝福を与えてくださいましたか。

生徒がモルモンを紹介する用意やモルモンのソーシャルメディアプロフィールを用意してきた場合は,その内容を少人数のグループで発表してもらいます。

モルモンの模範

モルモンの模範は,たとえ周りの人がそうしなくても,あなたがキリストに従うための具体的な方法を見いだすのに役立ちます。以下の活動は,モルモンの特質について理解を深め,キリストに従うためにそれらを応用する方法を見いだすのに役立ちます。

配付資料のアイコンクラスを少人数のグループに分けるとよいでしょう。各グループに次の特質を一つ割り当てて研究してもらい,それに対応する配付資料を配ります。続いて生徒に,別の特質を研究したグループに向け,学んだことを発表してもらいます。

活動1

まじめになる

『モルモン書 教師用手引き』(2024年)-「モルモン1-2章:預言者モルモン」

モルモン1:2,15を読み,「まじめ」という言葉に印を付けるとよいでしょう。(自分の聖典に,「まじめ」には「敬虔な」,「真剣な」,「思慮深い」という意味があることを記録しておくとよいでしょう。)

十二使徒定員会のボイド・K・パッカー会長(1924-2015年)の,次の言葉を読んでください:

「わたしたちは教会内で敬虔な人とそうでない人と,様々な人を見てきました。褒むべき人が多いことは確かですが,道を外れている人もいるのです。わたしたちが深く憂慮するのはそれなりの根拠があるからです。……

敬虔さを失わせることは,まさしくサタンのもくろみなのです。知性と霊性の両方における啓示の伝達経路を妨害することになるからです。」(ボイド・K・パッカー「啓示をもたらす敬虔さ『聖徒の道』1992年1月号,24)

  • 敬虔さと真剣さをもって扱うべきことなのに,時に軽々しく扱われていることにはどのようなものがありますか。

  • 救い主はまじめ(敬虔で,真剣で,思慮深い)であることの模範を,どのように示されましたか。

活動2

観察が鋭い

『モルモン書 教師用手引き』(2024年)-「モルモン1-2章:預言者モルモン」

モルモン1:2を読み,「観察が鋭い」という言葉に印を付けるとよいでしょう。

十二使徒定員会のデビッド・A・ベドナー長老が語った,次の言葉を読んでください:

「観察が鋭ければ,わたしたちは即座に注意を向けて,従うでしょう。注意を向ける,そして従うという二つの基本要素は,観察が鋭くなるためには不可欠です。預言者モルモンは,この賜物を用いた見事な模範です。」(デビッド・A・ベドナー「観察が鋭い『リアホナ』2006年12月号,16)

  • 素早く気づき,従うために,どのような教えが役に立ったと感じますか。それはなぜですか。

  • 主に従うことを先延ばしにしてもかまわないと感じている友達に,あなたならどのようなアドバイスをしますか。

  • イエス・キリストはどのように,鋭い観察の模範を示されましたか。

忠実であり続けるための助けと力

以下の活動は,生徒を少人数のグループに分けて行うとよいでしょう。その後,クラスで答えを発表してもらいます。

これらのキリストのような特質を自分自身の生活に応用する方法を理解するために,現代に生きる青少年が直面する課題を少なくとも二つ挙げてください。次に,あなたが研究した特質のうちの一つあるいは両方が,青少年が天の御父とイエス・キリストから助けと力を受けるのにどのように役立つかを書いてください。

キリストに従うことによって受けた祝福を分かち合うとよいでしょう。次に,今日学び,感じた事柄に基づいて行動する計画を立てるよう,生徒を促します。