「1月31日-2月6日 創世6-11章;モーセ8章:『ノアは主の前に恵みを得た』」『わたしに従ってきなさい―個人と家族用:旧約聖書 2022年』(2021年)
「1月31日-2月6日 創世6-11章;モーセ8章」『わたしに従ってきなさい―個人と家族用:2022年』
1月31日-2月6日
創世6-11章;モーセ8章
「ノアは主の前に恵みを得た」
聖文の中の物語が,複数の霊的な教訓を与えてくれることはよくあります。大洪水とバベルの塔について読みながら,これらの話が自分にどう当てはまるか,霊感を求めてください。
印象を書き留める
何世代にもわたり,聖書を読む人々はノアと洪水の話から霊感を受けてきましたが,末日に生きるわたしたちには,この話に注意を払う特別な理由があります。イエス・キリストは,御自分の再臨をどのように待ち設けるべきかについて教える中で,次のように語られました。「人の子の来臨の時も,ちょうどノアの時代と同じようである。」(ジョセフ・スミス―マタイ1:41)加えて,「乱れて」や「暴虐が……満ちた」といったノアの時代を言い表す言葉は,現代を描写していると言ってもまったく違和感がありません(創世6:12-13;モーセ8:28)。同じくバベルの塔の話も,神の子供たちが高慢になり,その後,混乱や分裂が生じるという描写に,現代に通ずるものを感じます。
これら古代の記録に価値がある理由は,歴史の中で悪事が繰り返されているという事実を示している点にかぎりません。それよりも重要なのは,そうした悪事にどう応じればよいかをわたしたちに教えてくれていることです。周囲に悪事が満ちていたにもかかわらず,ノアは「神の前に恵みを得」ました(モーセ8:27)。またヤレドとその兄弟の一族は,主に頼り,導かれてバベルにおける悪事から逃れました(エテル1:33-43参照)。現代の堕落や暴虐の中で,自分や家族の安全をどう守ればよいのだろうと思うとき,これらの章に記されているよく知られた話が,実に教訓をもたらしてくれるのです。
個人の聖文研究のためのアイデア
主の預言者に従う人には霊的な安全がもたらされる。
回復された福音のおかげで,わたしたちはノアについて,旧約聖書に記されているよりもはるかに多くのことを知っています。モーセ8章に収められている創世6章のジョセフ・スミスによる霊感訳では,ノアが神の偉大な預言者の一人であったことが明らかとなっています。イエス・キリストの福音を宣べ伝えるために聖任され,遣わされたノアは,神とともに歩み,神と語り合い,大洪水の後には,地上に神の子供たちを再び確立するために選ばれました(『歴代大管長の教え―ジョセフ・スミス』104,201も参照)。ノアの経験から,預言者について何が分かりますか。
ノアの時代について読む中で,現代との類似点が見つかるかもしれません。以下のようなものが挙げられます。
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モーセ8:18,20-21,23-24(神の僕に対する拒絶)
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モーセ8:21(自己満足とこの世的な状態)
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モーセ8:22(悪い思いや考え)
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モーセ8:28(堕落と暴虐)
今日の預言者たちは,現代の世界にあってあなたを安全に守ってくれるイエス・キリストの福音について,どのようなことを教えているでしょうか。ノアの経験を読む中で,現代の主の預言者たちに従おうとあなたを鼓舞してくれるものは何ですか。
モーサヤ13:33;教義と聖約21:4-7も参照してください。
しるしや象徴は主との聖約を思い起こさせてくれる。
福音の聖約は,象徴,あるいは「しるし」によって示されることがあります(創世9:12)。例えば,聖餐のパンと水やバプテスマの水が,あなたの交わした聖約にかかわる神聖な真理をいかに思い起こさせてくれるか考えてみてください。創世9:8-17によると,虹が思い起こさせてくれるものは何ですか。ジョセフ・スミス訳創世9:21-25(『聖句ガイド』内)は,理解をどのように深めてくれるでしょうか。御自身について,またあなたが交わした聖約について覚えておくよう主が望んでおられるのはなぜですか。
ゲレット・W・ゴング「いつも御子を覚える」『リアホナ』2016年5月号,108-111も参照してください。
天に達する唯一の道はイエス・キリストに従うことである。
古代のバベル,あるいはバビロンは,悪事とこの世的な状態の象徴として昔から引き合いに出されてきました(黙示18:1-10;教義と聖約133:14参照)。創世11:1-9を研究しながら,預言者モルモンによる洞察について深く考えてください。モルモンは,サタンが「十分に高い塔を建てて天に達することができるようにしようという思いを,民の心に与えた」(ヒラマン6:28。26-27節も参照)と書いています。バベルの塔の話は,あなたにどのような警告を伝えていますか。
詩篇127:1も参照してください。
家族の聖文研究と家庭の夕べのためのアイデア
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創世6-8章預言者に従うことでいかに霊的な安全が守られるかを家族に教えるうえで,ノアの箱舟の話をどのように用いることができるでしょうか (「ノア」『旧約聖書物語』)。家族で力を合わせ,紙かブロックで簡単なおもちゃの舟を造るのもよいでしょう。創世6-7章を読みながら,舟がもたらす安全と,預言者に従うことで得られる安全とを比べてみてください。預言者による最近の勧告について話し合い,その勧告の言葉を舟に書くとよいでしょう。
1:39ノアの家族を救った箱舟に匹敵するものとして,神はこのほか何を与えてくださったでしょうか。たくさん挙げられるでしょうが,次のリソースでは幾つかの答えが提案されています:2ニーファイ9:7-13;教義と聖約115:5-6;ラッセル・M・ネルソン大管長のメッセージ「模範的な末日聖徒になる」(『リアホナ』2018年11月号,113-114)。
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モーセ8:17主の御霊がわたしたちを「励ます」とは,どのような意味でしょうか(1ニーファイ7:14;教義と聖約1:33参照)。御霊に励まされる経験したのは,どのようなときですか。
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創世9:8-17虹が何を表しているかについてあなたが話す間に,幼い子供たちは虹の絵を描いたり,虹の色を塗ったりする活動を楽しんでもよいでしょう(ジョセフ・スミス訳創世9:21-25〔『聖句ガイド』内〕も参照)。また,イエス・キリストに従うというバプテスマの聖約を思い起こさせてくれる聖餐など,自分たちの交わした聖約を心に留めるうえで助けとなるものについて話し合うこともできます(教義と聖約20:75-79参照)。
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創世11:1-9家族で創世11章を研究し,バベルの塔について学ぶ際,エテル1:33-43を読むと理解が深まるかもしれません。世の中に悪事がはびこっていても,家族が霊的な安全を見いだすうえで助けとなることは何でしょうか。ヤレドとその兄弟の家族から何を学べますか。このほか,同様の試練に直面したノアとその家族から,どのような教訓を得られるでしょうか(モーセ8:13,16-30参照)。
子供を教えるためのそのほかのアイデアについては,『わたしに従ってきなさい―初等協会用』の,今週の概要を参照してください。
歌の提案:「預言者にしたがおう」『子供の歌集』58-59(3番)