旧約聖書 2022年
5月30日-6月5日士師2-4章;6-8章;13-16章:「主は……ひとりの救助者を起〔され〕た」


「5月30日-6月5日士師2-4章;6-8章;13-16章:『主は……ひとりの救助者を起〔され〕た』」『わたしに従ってきなさい—個人と家族用:旧約聖書 2022年』

「5月30日-6月5日士師2-4章;6-8章;13-16章」『わたしに従ってきなさい—個人と家族用:2022年』

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軍隊とデボラ

イスラエルの軍隊を率いるデボラのイラスト,© Lifeway Collection/licensed from goodsalt.com

5月30日-6月5日

士師2-4章6-8章13-16章

「主は……ひとりの救助者を起〔され〕た」

聖文はイエス・キリストについて証しています。士師記で読む話が主に近づくうえでどんな助けになるか,深く考えてください。

印象を書き留める

わたしたちは皆,過ちを犯すことやそれについて罪の意識を感じること,悔い改めて行いを改めようと決意することがどういうことか知っています。しかし時として,以前の決意を忘れてしまい,誘惑に遭ったときに,気がつくと再び過ちを犯していることがあります。この悲劇的なパターンは,士師記で描かれているイスラエルの民の話に度々見られます。自分たちが地から追い出すはずだったカナン人の信仰や礼拝の慣行に影響されて,イスラエルの民は主と交わした聖約を破り,主を礼拝することをやめてしまいました。その結果,主の守りを失い,囚われの状態に陥りました。しかしその度に,主は彼らに悔い改める機会を与え,救助者,すなわち「さばきづかさ」(士師)と呼ばれる軍事指導者を起こされました。士師記に登場する士師たちは,全員が義にかなった者だったわけではありませんでしたが,そのうち幾人かは大いなる信仰を働かせて,イスラエルの子らを救い,民が主との聖約の関係に再び戻れるようにしました。これらの話から分かるのは,自分がどのような理由でイエス・キリストから遠ざかっていようとも,主がイスラエルの救い主であり,いつでも進んでわたしたちを救い出し,御自分のもとに迎え入れてくださるということです。

士師記の概要については,『聖句ガイド』「士師記」の項を参照してください。

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個人の聖文研究のためのアイデア

士師2:1-194:1-16

わたしが道を外れるとき,主は救い出してくださる。

士師記は,人生で主の力を経験したとしても主から離れてしまう可能性は常にある,ということの警告になります。士師記はまた,実際に主の道から離れてしまった人たちへの励ましにもなります。主は戻る道を備えてくださるからです。例えば,士師2:1-19を読みながら,イスラエルの民を主から引き離した行いと,主が彼らを救い出された方法を見つけてください。この聖句から,主についてどのようなことが分かるでしょうか。常に主に忠実であるために,あなたにはどのようなことができますか。

士師記全体を通じて,背き,悲しみ,救い出されるというパターンが繰り返されていることが分かるでしょう(特に3章4章6章13章参照)。士師記を読みながら,イスラエルを救い出すために士師たちが行ったことと,あなたが救助を必要とするときに救い主が助けてくださる方法について,深く考えてください。

イスラエルの救いに貢献した人の中でも,特筆すべき例はデボラです。士師4:1-16でデボラについて読み,デボラが周囲の人々に与えた影響に注目してください。デボラのどのような行動や言葉から,デボラが主を信じる信仰を持っていたことが分かりますか。デボラは「主はあなたに先立って出られるではありませんか」という14節にある問いによって何が言いたかったのだと,あなたは思いますか。

アルマ7:13教義と聖約84:87-88も参照してください。

士師2:13

バアルとアシタロテとはどういう神か。

バアルはカナン人の嵐の神,アシタロテはカナン人の豊穣の女神でした。この二神を礼拝していたことは,土地の豊穣と多産がカナン人にとってどれだけ重要であったかを示しています。この二神やそのほかの偽りの神々の礼拝は,時として性的に不道徳な行為や子供の犠牲を含んでおり,主にとってとりわけ不快なものでした。

士師6-8章

わたしが主の方法を信頼するとき,主は奇跡を行うことがおできになる。

生活の中で主に奇跡を起こしていただくには,たとえ普通ではあり得ないような方法に思えても,主の方法を信頼しなければなりません。士師6-8章にあるギデオンの話は,この良い例です。ギデオンの軍がミデアン人を打ち負かしたとき,主はどんなあり得ない奇跡を起こされたでしょうか。主はあなたに何を教えようとしておられると思いますか。あなたはこれまで,どんなあり得ない方法で主が業を行われるのを目にしてきましたか。

ラッセル・M・ネルソン「神には,できないことはない『聖徒の道』1988年6月号,34-36も参照してください。

士師13-16章

強さは神と交わした聖約への忠実さから来る。

サムソンが肉体的な強さと霊的な強さの両方を失ったのは,ナジル人だけが交わす聖約を含む,神との聖約を破ったためでした(ナジル人について,詳しくは民数6:1-6士師13:7参照)。士師13-16章でサムソンの話を読みながら,あなたが交わしている一つ一つの聖約について深く考えてください。それらの聖約を守ることで,あなたはどのような祝福を受けてきましたか。サムソンの話から,神と交わした聖約を守ろうという気持ちを新たにさせてくれる,どのようなことが学べますか。

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柱を押すサムソン

「柱を倒すサムソン」James Tissotほか画

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家族の聖文研究と家庭の夕べのためのアイデア

士師2:10ヨシュアの死後,次の世代のイスラエルの民は「主を知〔り〕」ませんでした。主と「主が〔自分たち〕のために行われたわざ」について自分たちがどんなことを知っているか,家族で話し合ってください。あなたはこの知識が後の世代に確実に伝わるようにするために,どんなことをしようと思いますか。

士師3:7-10この聖句では,士師記全体で何度も起こるパターンが要約されています。家族でこの聖句を読みながら,イスラエルの民が何をすることによって主から離れ,主が彼らを救い出すために何をされたかを調べてください。主を忘れさせるものには,どのようなものがあるでしょうか。主はどのようにしてわたしたちを救い出してくださるでしょうか。常に主に忠実でいられるようにするには,どうすればよいでしょうか。

士師6:13-16,25-30ギデオンは,自分の行動が周囲から支持されなくても主に従うことによって,大いなる勇気を示しました。主がわたしたちに求めておられることで,周囲の賛同が得られそうもないことには,どのようなものがあるでしょうか。13-16節で主がギデオンに述べておられる言葉は,正しいことを行ううえでどのような励みになるでしょうか。

士師7章ロールプレイその他の活動を工夫して行うことで,この章に書かれているギデオンの軍の経験から家族が学べるようにしたらどうでしょうか。この章にある主の言葉(例えば,2,15節参照)は,わたしたちの生活にどう当てはめることができるでしょうか。

士師13:5主と交わした聖約はサムソンに力を与えました。同様に,わたしたちの交わした聖約はわたしたちに力を与えてくれます。家族で運動をして,その運動が体を鍛えるのにどう役立つか話し合うと楽しいかもしれません。霊的に強くなるためには,どのようなことができるでしょうか。何かアイデアを見つけるために,家族でモーサヤ18:8-10教義と聖約20:77,79を読むとよいでしょう。聖約を守るとなぜ霊的に強くなるのでしょうか。

子供を教えるためのそのほかのアイデアについては,『わたしに従ってきなさい—初等協会用』の,今週の概要を参照してください。

歌の提案:「イスラエルの救い主『賛美歌』4番

個人学習を改善する

学んだことに基づいて行動する。研究しながら,今学んでいる内容をどのように応用できるかを考え,実際に応用することを決意してください。御霊の導きに従ってください。(『救い主の方法で教える』35参照)

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ギデオンと軍隊

「ギデオンの軍」Daniel A. Lewis

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