セミナリー
第108課:教義と聖約93:19-53:救い主の光と真理を受ける


「第108課:教義と聖約93:19-53:救い主の光と真理を受ける」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』(2025年)

「教義と聖約93:19-53」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』

第108課:教義と聖約93章

教義と聖約93:19-53

救い主の光と真理を受ける

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イエス・キリスト

教義と聖約93章に記録されている啓示で,救い主は,わたしたちが主からもたらされる光と真理をさらに受けられる方法について説明されました。この課は,生活の中で神の光と真理をさらに受けるための計画を生徒が立てられるようにします。

学習活動案

光vs.暗闇

七十人のティモシー・J・ダイクス長老は,息子たちと深い縦穴の洞窟にロープを垂らして降りて行ったときの経験について述べています。

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ティモシー・J・ダイクス長老

「突然,警告なしに,〔洞穴の中の〕すべての照明が消えました。わたしたちは地の底につるされたまま,深い闇に飲み込まれて,目の前のロープを握る自分の手さえ見えませんでした。すぐに声が聞こえてきました。『パパ,パパ,そこにいるの?』

『ここだよ,ここにいるよ』とわたしは答えました。

思いがけず光を喪失したことにより,照明なしには洞窟の暗闇に入れないことが示されたようでした。そのおかげで,わたしたちは暗闇を『実感』しました。」(ティモシー・J・ダイクス「光は光に結びつく『リアホナ』2021年5月号,113)

  • 人々が暗闇から連想する感情にはどのようなものがありますか。

  • 光をどう感じるかを表す言葉や表現にはどのようなものがあるでしょうか。

ダイクス長老は,洞窟の照明が戻ったときは自分と息子たちにとってどんな感じだったかを次のように説明しています。

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ティモシー・J・ダイクス長老

「照明が点灯すると,闇は瞬時に退散しました。薄明かりであっても,闇は常に退散しなければならないのです。わたしと息子は,それまで知らなかった暗闇への思いと,光に対する忘れられない感謝,そして闇の中で決して独りではないという確信を得て,そこを去りました。

洞窟に降りたわたしたちの経験は,ある意味で,この世の旅路に似ています。」(「光は光に結びつく」113参照)

  • この話と現世の旅にはどのような類似点があると気づきましたか。

教義と聖約93:36を読み,神の栄光を表す言葉を見つけてください。

  • 天の御父とイエス・キリストからもたらされる光と真理は,現世の旅においてどのような助けとなるでしょうか。

生活の中で現在どれほど神の光や影響を感じているか生徒に考えてもらいます。もし天の御父とイエス・キリストの影響をもっと受けたら,自分の生活はどのように変わるか考えるように勧めてもよいでしょう。

教義と聖約93章で,救い主は,御自身からもたらされる光と真理を得やすくしたり,得にくくしたりする行動について教えられたことを説明します。生徒が研究するとき,生活に救い主の光と真理をもっと受けるうえで助けになる教えを見つけるように促します。

イエス・キリストはわたしたちが御自身の光を受ける方法を教えてくださる

以下の表を示し,学習帳に書き写すよう勧めるとよいでしょう。二人一組または少人数のグループで行うことができます。

光と真理を増し加える
教義と聖約93:19-20,24-28

光と真理を減らす
教義と聖約93:37-40

表に挙げてある聖句を読み,生活の中で救い主の光と真理がどうすれば増したり減ったりするかを説明している救い主の教えを見つけてください。見つけたことを各欄に記録してください。

  • 救い主の光と真理を求める人には,どのような祝福があるでしょうか。

  • 表のそれぞれの欄に,真理を表す文として,見つけたことをどのように要約しますか。

    生徒は次のような真理を見つけるでしょう:主の戒めを守ることで生活に救い主の光と真理を増し加えます(20,28節)。不従順によって生活から救い主の光と真理を失います(39節)。

  • 救い主の戒めを守ると,真理を見分けるあなたの能力にどのような影響があると思いますか。

質問について話し合う一環として,次の画像を見せるか,絵を描くとよいでしょう。教義と聖約93章の教えがどのように表れているかを発表してもらいましょう。必要に応じて以下のように説明してください。神の戒めに従えば,生活の中で救い主の光にいっそう恵まれ,それによって真理を理解し見分ける能力が高まります。戒めに背くと救い主の光を失い,真理を理解し見分ける能力が低下します。

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真理
  • これらの聖句にある救い主の教えを理解すると,わたしたちが行う選択にどのような影響があるでしょうか。

救い主の光と真理を生活に増し加える

  • 救い主の光を生活に増すのに役立ったか,役立つであろう具体的な事柄にはどのようなものがありますか。

二人一組または少人数のグループで話し合ってから,答えをクラスで発表してもらいましょう。また,生徒が考えを練るのを助けるために,ディーター・F・ウークトドルフ長老の次の言葉を用いてもよいでしょう。

十二使徒定員会のディーター・F・ウークトドルフ長老は,どうすれば救い主の光を身に受けられるかについて次のような例を紹介しています。

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ディーター・F・ウークトドルフ管長

「謙遜な祈りの中で神に心を向ける度に,主の光を身に受けます。聖典に主の言葉と御心を見いだそうとする度に,光は明るく輝きます。助けを必要としている人に気づき,自分の快適さを犠牲にして愛の手を差し伸べる度に,光は広がり,増します。誘惑を拒み清さを選ぶ度に,また赦しを求める,あるいは赦す度に,勇敢に真理を証する度に,光は闇を追い払い,同じように光と真理を求めている人々を引き付けます。」(ディーター・F・ウークトドルフ「天の光をもたらす者『リアホナ』2017年11月号,80参照)

希望する何人かの生徒に,話し合ったアイデアが自分自身の生活にどのような違いをもたらしたかを発表してもらいましょう。

救い主の教えを当てはめる

次の質問に対する答えを学習帳に書き出しながら,どうすれば救い主の光と真理を生活に増し加えることができるかを,よく祈って考えてもらいます。

  • 救い主の真理と光を生活にさらに招くために,どのようなことを始めるよう促されましたか。また,どのようなことをやめるように促されましたか。

  • これらの行動を始めたりやめたりするとき,どのような障害に遭う可能性があるでしょうか。そうした障害にどのように対処できるでしょうか。

この課の締めくくりとして,キリストの光と真理があなたの生活にもたらした力について感じることを生徒に話すとよいでしょう。生徒に,今日促されたことを行うことによって,生活に救い主の光を増し加えるよう努めるように勧めます。

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