セミナリー
第124課:教義と聖約110章,第2部:神権の鍵の回復


「第124課:教義と聖約110章,第2部:神権の鍵の回復」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』(2025年)

「教義と聖約110章,第2部」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』

第124課:教義と聖約109-110章

教義と聖約110章,第2部

神権の鍵の回復

カートランド神殿に現れたモーセ,エリヤ,エライアス

1836年4月3日のカートランド神殿におけるイエス・キリストの示現の後,ジョセフ・スミスとオリバー・カウドリに対して「天が再び……開かれ」(教義と聖約110:11)ました。3人の古代の預言者が現れ,重要な神権の鍵を二人に託しました。この課は,預言者ジョセフ・スミスに回復された神権の鍵が,自分たちの生活にどのように祝福をもたらすかを生徒が理解できるようにします。

学習活動案

生活はどのように変わるか

クラスを始めるに当たり,次の未完成の質問をホワイトボードに書くとよいでしょう。

がなかったなら,あなたの生活はどのようなものになっていたでしょうか。

生徒に,この質問を学習帳に書き,それがないと生活するのが難しいと感じるものを入れて質問を完成させてもらいます。何人かの生徒に,この質問をどのように完成させたか発表し,それがなければ生活が困難になる理由を簡単に説明してもらいましょう。

生徒が発表した後,ホワイトボードの質問に,「伝道活動」「完全な福音」「神殿・家族歴史活動」「家族と結び固められる機会」などの言葉を書いて,質問を完成させます。天の御父が授けてくださるこれらの祝福がなければ人生はどのように異なっていたかを静かに考え,感じたことを記録してもらいます。そうした祝福を可能にした神聖な出来事について学びながら,自分の生活におけるこれらの祝福の重要性について深く考え続けるよう勧めます。

回復された神権の鍵

カートランド神殿に御姿を現される主

1836年4月3日にカートランド神殿に御姿を現された救い主の絵を見せるとよいでしょう(教義と聖約110:1-10参照)。生徒が「教義と聖約110章,第1部」のレッスンをすでに受けている場合,次の質問をするとよいでしょう。

  • この神聖な示現についてどのようなことを覚えていますか。

ホワイトボードに次の太字の真理を書くとよいでしょう:主は神権の鍵を回復するために預言者ジョセフ・スミスに天の使者を遣わされた。生徒がこの真理の重要性をより理解できるように,次の表をホワイトボードに書き写し,生徒にも学習帳に書き写してもらいます。(この課の後半で,各欄のいちばん下に質問を書き加えるので十分な余白を残しておくよう生徒に説明してください。)生徒に,自分の聖典を使って表の空欄を埋めてもらいます。

カートランド神殿-1836年4月3日

教義と聖約110:11

教義と聖約110:12

教義と聖約110:13-16

だれが現れたか

何を回復したか

だれが現れたか

何を回復したか

だれが現れたか

何を回復したか

十分に時間を取って研究した後,何人か募り,ホワイトボードのところに来て学んだことをそれぞれの欄に書いてもらいます。必要に応じて以下のことを思い出してもらいます。

覚えておいてください。「神権の鍵とは,神の子供たちのために神権の行使について指示を与える権能です。教会で行使される神権の権能はすべて,神権の鍵を持つ人々が管理します。」(『総合手引き-末日聖徒イエス・キリスト教会における奉仕』3.4.1ChurchofJesusChrist.org教義と聖約65:2も参照)

回復された鍵について生徒がより理解できるように,ほかの聖句や総大会の説教などの神が定められた情報源を使ってこれらの鍵を研究してもらいます。脚注を研究したり,『聖句ガイド』で「神権の鍵」やよく知らない言葉,あるいは天からの使者の名前を調べたりするとよいでしょう。福音ライブラリーアプリで「カートランド神殿で回復された鍵」を検索してもよいでしょう。

配付資料のアイコンあるいは,生徒を少人数のグループに分け,配付資料「カートランド神殿で回復された神権の鍵」にある研究活動から各グループに一つ割り当ててもよいでしょう。配付資料について話し合い,学習帳に書いた表に分かったことを書き加えてもらいます。

カートランド神殿で回復された神権の鍵

研究活動A

教義と聖約110:11

モーセは「イスラエルの集合」の鍵を回復しました(教義と聖約110:11)。集合の鍵は,この権能を持つ僕たちに,回復されたイエス・キリストの福音を地上の国々に宣べ伝える権能を与えます。

ラッセル・M・ネルソン大管長は,次のように宣言しています。

ラッセル・M・ネルソン大管長

「幕の両側のイスラエルの集合について語る際,もちろん,それは伝道,神殿,家族歴史の業を指します。そして,ともに生活し,働き,仕える人々の心に宿る信仰と証を育むこともこれに含まれています。」(ラッセル・M・ネルソン「神に勝利を『リアホナ』2020年11月号,92)

  • 日々あなたがかかわる人たちの心に信仰と証を築くために,どのような助けができるでしょうか。

  • あなたやあなたの知人の生活は,伝道活動を通して主がわたしたちに手を差し伸べてくださることによって,どのような影響を受けてきましたか。


研究活動B

教義と聖約110:12

エライアスはアブラハムの福音の神権時代を委ねました(教義と聖約110:12参照)。これにはアブラハムの聖約の回復も含まれます。

ラッセル・M・ネルソン大管長は,次のように説明しています。

ラッセル・M・ネルソン大管長

「神がアブラハムと交わ〔された〕聖約には,……次のような約束が幾つか含まれていました。……地上のすべての国家が,彼の子孫によって祝福を受ける。……

……わたしたちはいにしえの時代と同じように,聖なる神権と永遠の福音を受けました。わたしたちは完全な福音を受け,神権の祝福を享受し,神の最も大いなる祝福である永遠の命にふさわしくなる特権を頂いています。」(ラッセル・M・ネルソン「聖約『リアホナ』2011年11月号,87,88参照)

  • 主の福音と神権を通して,主はどのような方法で個人,家族,国民を祝福しておられるでしょうか。

  • 主の福音と神権を通して,あなたは主からどのような祝福を受けていますか。


研究活動C

教義と聖約110:13-16

エリヤは,神殿で家族を結び固める権能を含む,結び固めの鍵を回復しました。

十二使徒定員会のゲーリー・E・スティーブンソン長老は,次のように説明しています。

ゲーリー・E・スティーブンソン長老

「旧約聖書の預言者エリヤによって回復された結び固めの鍵は,聖なる神殿で儀式が行われることを可能にしました。これらの神殿で執り行われる儀式により,個人と家族が天の両親のみもとに戻ることができるのです。」(ゲーリー・E・スティーブンソン「神権の鍵と権能はどこにあるのでしょうか『リアホナ』2016年5月号,31参照)

  • 神殿の業と結び固めを通して,主はどのような方法でわたしたちを祝福してくださるでしょうか。

  • 神殿の儀式を通して,主はあなたやあなたの家族をどのように祝福してこられましたか。またはどのように祝福することがおできになりますか。

レッスンの冒頭で熟考したことを生徒に思い出してもらいましょう。「なぜこれらの鍵がわたしにとって大切なのか」と学習帳に書き,研究や活動で学んだことを基にこの質問について考え,答えてもらう時間を取りましょう。

主の大いなる恐るべき日の前に

教義と聖約110:14-16を復習し,イエス・キリストの再臨に関連する語句を見つけてください。

  • どのようなことが見つかりましたか。

    聖典で,見つけた重要な言葉や語句に印を付けるよう生徒に勧めます。

  • モーセ,エライアス,エリヤが回復した神権の鍵を通して,救い主はどのようにわたしたちに主の再臨への備えをさせておられますか。

  • これらの神権の鍵が回復されることなしに主が来られた場合,地球が「のろいをもって打たれる」(教義と聖約110:15)ことになるのはなぜだと思いますか。

最後に,生徒に以下のことを学習帳に書いてもらいます。何人かの生徒に,書いたことを発表してもらうとよいでしょう。

カートランド神殿で回復された神権の鍵について学んだと,友達があなたに話したと想像してください。次にその友達は,「それが自分と何の関係があるのか分からない」と言います。今日学んだことを使って,どのような鍵が回復されて,その鍵がどのように友達を祝福していたり,祝福できたりするかを説明してください。