「マーティン・ハリス,ジョセフを助ける」『教義と聖約物語』(2024年)
「マーティン・ハリス,ジョセフを助ける」『教義と聖約物語』
1828年-1829年
マーティン・ハリス,ジョセフを助ける
主を信頼することを学ぶ
ある日,ペンシルベニア州に住んでいたジョセフとエマのところに,マーティン・ハリスという友人がやってきました。マーティンはニューヨーク州に大きな農場を持っていて,ジョセフの金版に関する働きを知っていました。前にもジョセフを助けてくれたマーティンですが,今度はもっと自分にできることがないか知りたいと思ったのです。
『聖徒たち』第1巻,46-47
ジョセフとエマは感謝しました。多くの人はジョセフがうそをついていると思っていたので,金版がほんとうにあると信じる友人がいるのはすばらしいことでした。
『聖徒たち』第1巻,46-47
マーティンは,ジョセフがほんやくした金版の言葉を書きとめました。マーティンは,このすばらしい業で主の役に立てることを楽しみにしていました。
『聖徒たち』第1巻,47-48
マーティンのつま,ルーシーは不満でした。ジョセフがほんとうに金版を持っているとは信じておらず,ジョセフはマーティンをだましているのだと思いました。ルーシーはマーティンがニューヨーク州にもどり,ジョセフの手伝いをやめてほしいと思っていたのです。
『聖徒たち』第1巻,46-48
それでも,マーティンはジョセフと働き続けました。自分たちが取り組んでいるほんやくを読めば,ルーシーも信じてくれるだろうと思ったマーティンは,ほんやくした原稿をニューヨーク州に持って行き,つまに見せてもよいか聞きました。ジョセフはいのって神様に聞くと言いました。
『聖徒たち』第1巻,47-48
神様はジョセフに,マーティンに原稿を持たせてはならないと言われました。もう一度いのるようにたのまれ,いのりましたが,同じ答えが返ってきました。しかし,マーティンはつまに原稿を見せたいと強く願い,ジョセフは友人を助けたいと思っていました。ジョセフが3度目のいのりをささげると,神様はジョセフに,何をすべきかは自分で決めることができると言われました。
『聖徒たち』第1巻,48
ジョセフはマーティンに,原稿をニューヨーク州に持ち帰ってもよいけれども,決まった家族にしか見せてはいけないと言いました。2週間以内に原稿を持ち帰るように言うと,マーティンはうなずき,原稿を持って出て行きました。
『聖徒たち』第1巻,48
マーティンがいない間に,ジョセフとエマの子供が生まれました。しかし,赤ちゃんは死んでしまい,エマも病気になり,二人はとても悲しみました。
『聖徒たち』第1巻,49-50
ジョセフはエマのことを心配しましたし,マーティンのことも不安でした。2週間たってもマーティンがもどってこなかったので,エマも不安になりました。
『聖徒たち』第1巻,49
エマはジョセフに,ニューヨーク州へ行ってマーティンをさがすように言いました。ジョセフは両親の家でマーティンに会い,原稿についてたずねると,マーティンはとても悲しそうに,原稿をなくしてしまったと言いました。どこをさがしても見つからなかったと言うのです。
『聖徒たち』第1巻,49-51
ジョセフはとても悲しくなり,こわくなりました。マーティンに原稿を持たせたのは間違いだったのです。ジョセフは家に帰ると,起こったことをエマに話しました。天使モロナイがやって来て,金版は取り去られましたが,ジョセフがけんそんにくい改めるなら,金版を取り戻してふたたびほんやくすることができるといいます。
教義と聖約3:5-11;10:1-3;『聖徒たち』第1巻,50-52
何週間もの間,ジョセフは自分が何を間違ったのか考えました。いのり,ゆるしを求めると,神様はゆるしてくださいました。神様はジョセフに,神様の業を止めようとする人々が原稿をぬすんだのだと言われました。しかし,神様の業を止めることはだれにもできず,神様は業を進める計画をお持ちでした。
教義と聖約3:1-10;『聖徒たち』第1巻,52-53
モロナイはジョセフに金版をもどしました。神様はジョセフとマーティンに,けんそんに神様を信頼するならば,これからも色々な方法で神様の業を助けることができると言われました。かれらはモルモン書を世界に広める手助けができるのです。この本は,世界中の人々がくい改め,イエス・キリストを信じる助けとなるでしょう。
教義と聖約3:16-20;5:21-35;『聖徒たち』第1巻,53-55