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第10章:救いの計画における聖約,儀式,神殿


第10章

救いの計画における聖約,儀式,神殿

はじめに

天の御父は預言者を通して,日の栄えの王国に至る道を明らかにされました。救いの計画をお作りになった御方,すなわち天の御父への従順には,聖約と,主の宮である神殿で執り行われる儀式などの主の律法に勤勉に従うことが求められます。

「神殿で行う業によって,地上に生を受けたすべての人が,完全な福音と救いの儀式を受ける機会を等しく得るのです。日の栄えの王国における最高の階級で場所を受け継ぐことができるようになります。」(『福音の原則』272)

このレッスンでは,聖約と儀式の意味と重要性について学びます。また,聖約と神殿で執行される儀式の概要を知り,忠実に神殿に参入することに伴って得られる幾つかの祝福について復習します。定期的に神殿に参入することにより,生徒たちは自分自身でこれらの祝福を受け,霊界にいる多くの人たちにも同じ祝福を受ける機会を提供することができます。

教義と原則,福音の真理

  • 聖約とは,神の定められた条件に基づいて神と人の間で交わされる厳かな契約である。

  • 聖約と救いの儀式は,日の栄えの王国に昇栄するために必要である。

  • わたしたちは神殿で神聖な儀式に携わり,昇栄に不可欠な聖約を交わす。

  • 亡くなった先祖のための儀式は,神殿でのみ執り行うことができる。

  • わたしたちは神殿での礼拝を通して祝福を受ける。

教えるための提案

聖約とは,神の定められた条件に基づいて神と人の間で交わされる厳かな契約である

『聖書辞典』(Bible Dictionary)または『聖句ガイド』を使って,福音の聖約についての重要な概念を3,4つ探して書き出すよう生徒に言います(Bible Dictionary “Covenant” ;『聖句ガイド』「聖約」 http://scriptures.lds.org/jpn/gs/contents参照)。十分時間を取った後,何人かの生徒に書き出したことを発表し,それをまとめたものをホワイトボードに書いてもらいます。

わたしたちが神と交わす聖約の条件を定められるのは神御自身である(本手引きの8章の33ページに掲載されている『聖句ガイド』からの引用を参照する)ことを生徒が理解できるよう,クラスを二つのグループに分けるとよいでしょう。一つのグループに,モーサヤ18:8ー10教義と聖約20:37,77を調べ,バプテスマを受ける人のために神が定められた条件を探すように言います。もう一つのグループに,教義と聖約84:33-39を調べ,メルキゼデク神権を受ける人のために神が定められた条件を探すように言います。生徒が分かったことを発表した後,次の質問をします。

  • 人ではなく神が聖約の条件を定められることはなぜ大切だと思いますか。(生徒に助けが必要な場合,生徒用資料の「わたしたちと交わす聖約を神がお決めになる」〔10.1.2〕のデニス・B・ノイエンシュバンダー長老の引用文を参照するように言います。)

聖約と救いの儀式は,日の栄えの王国に昇栄するために必要である

レッスンのこの部分を始めるに当たり,次の質問をします。

  • 教会で執行される儀式にはどのようなものがありますか。

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バプテスマを受ける青年

『福音の視覚資料集』103番

教会で行われる儀式の重要性を生徒が理解できるよう,新たな改宗者が,水に沈めるバプテスマを受ける代わりに,キリストの御名を受けると心の中で静かに約束するように求められた状況を想像してもらいます。次に,質問をします。

  • 関連する儀式を受けることを通して聖約を交わすことにはどのような利点があると思いますか。(次のような答えが考えられます。物理的に聖約を覚えることにより,聖約の神聖さがもたらされる。儀式の象徴は,重要な原則を教えてくれる。)

バプテスマは永遠の命に至る門であることを生徒に伝えます(2ニーファイ31:17-18参照)。正しい権能によりバプテスマを受ける人は,もし聖約を守り,昇栄に必要なほかの聖約と儀式を続けて受けるならば,日の栄えに至る道を歩んでいることになります。生徒用資料の「永遠の聖約にはそれに伴う儀式がある」(10.2.3)にあるノイエンシュバンダー長老の言葉を読むよう生徒に言います。何人かの生徒に,ノイエンシュバンダー長老が教えている真理を自分の言葉でまとめてもらいます。儀式を受け主と聖約を交わすとき,わたしたちが主のもとに戻れるよう導いてくれる永遠の型に従っていることを強調します。

太陽と月と星の絵をホワイトボードに描きます。太陽を丸で囲み,「日の栄えの王国」と下に書きます。一人の生徒に,1コリント15:40ー42を読んでもらいます。(注-ジョセフ・スミス訳の脚注40 a にはこのように記されています。「日の栄えの体もあれば,月の栄えの体も,星の栄えの体もある。しかし,日の栄えのものの栄光と月の栄えのものの栄光と星の栄えのものの栄光は,違っている。」)

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太陽,月,星
  • 復活後の栄光の階級に関するこの比喩の中で,パウロは何を教えているでしょうか。

クラスを二つのグループに分けます。一つのグループに教義と聖約88:21-25を,もう一つのグループに教義と聖約88:36-39を調べるよう割り当てます。自分が受ける資格のある栄光の階級がどのように決定されるかを探すように言います。各グループから一人ずつに,割り当てられた聖句から学んだことをまとめてもらいます。どの栄光の王国に割り当てられるかを決定するうえで従順が果たす役割をさらに強調するため,教義と聖約130:20-21を読み,皆で話し合います。

ヨハネ3:52ニーファイ31:17-18教義と聖約76:50-52130:1-2を黙読してもらいます。これらの聖句を調べ,主の王国に昇栄するために必要だと主がおっしゃっていることを探すように言います。

  • これらの聖句から,日の栄えの王国に昇栄するための要件は何でしょうか。

  • この現世でイエス・キリストの福音を学ぶ機会のなかった人にこれらの聖句はどのように当てはめられるでしょうか。

生徒が考えたことを発表した後,次の引用文を読みます。

「日の栄えの王国は3つの栄光の王国の中で最高の王国です。この王国に属する人々は父なる神と御子イエス・キリストのもとで永遠に住むことができます。自分自身が日の栄えの栄光を受け継ぎ,ほかの人々も同様にこの偉大な祝福を受けられるようにすること,それがわたしたちの目標でなければなりません。このような目標は1回の努力で達成できるものではありません。生涯にわたって常に目的を持ち,義にかなった生活を送った結果として達成できるものなのです。」(『真理を守る-福音の参考資料』32)

1,2分取って,天の御父のもとへ戻る旅をする助けとして,これまでに主と交わした聖約をどのように活用できるかを考えるように言います。神聖な聖約を交わし,それを守るとき,わたしたちは天の御父のもとへ戻る道を歩んでいることを強調します。

わたしたちは神殿で神聖な儀式に携わり,昇栄に不可欠な聖約を交わす

神殿の写真を見せます。

  • 神殿を見たり訪れたりするときにどのような気持ちがしますか。

神殿の建設資材に関する教義と聖約124:26-28を生徒に読んでもらいます。神殿ができるかぎり最良の材料で建設される理由を説明するように生徒に言います。

  • 神殿はどのような点で日の栄えの王国を象徴しているでしょうか。

  • 神殿はどのような点で,神の子供としてのわたしたちの可能性を象徴しているでしょうか。(わたしたちは穏やかで美しい属性を育むことができる。復活のときに,栄えある美しい日の栄えの肉体を手に入れる資格を得ることができる。)

神殿の儀式と聖約は神聖であることを生徒に思い起こさせます。それを念頭に,教義と聖約124:33,37-40を読み,神殿で執行される儀式をホワイトボードに書き出すように言います。それから生徒用資料の「儀式は死者にとって不可欠なものである」(10.3.2)を開き,生徒が神殿で携わることのできるそれぞれの儀式について皆で読みます。ホワイトボードに書き出したそれぞれの儀式の隣にまとめの文を書き足します。(重要-神殿儀式は神聖な性質を有するため,話し合いは生徒用資料の内容に限定してください。神殿外でこれらの儀式について詳しく話し合うことは適切ではありません。)神殿に参入したときに感じた気持ちを生徒に発表してもらうとよいでしょう。

レッスンのこの部分の終わりに,生徒用資料の第10章の「はじめに」にある,ボイド・K・パッカー会長およびラッセル・M・ネルソン長老の引用文を黙読し深く考えるように生徒たちに言います。これらの話について深く考えて感じたことや思いついたことを発表するよう招きます。神殿の聖約の重要性に関する証と,今日わたしたちに神殿の聖約を与えてくださった主に対する感謝を伝えてください。

亡くなった先祖のための儀式は,神殿でのみ執り行うことができる

死者のためのバプテスマがこの神権時代にどのように始まったかに関する,生徒用資料の情報について説明できる生徒がいるか尋ねます。(いなければ,生徒用資料を開いて,「死者のためのバプテスマは末日に回復された」〔10.4.1〕の情報を一人の生徒に読んでもらいます。)そのとき以来,死者のための業は神殿でのみ執り行うことができることを強調します(教義と聖約124:29-33参照)。初めて神殿に行くときには,自身のエンダウメントを受けることを説明します。それ以降は,自分の結び固めを除き,神殿儀式を受けるときには常に霊界のだれかの身代わりで行います。

教義と聖約132:8を皆で読み,次の質問をします。

  • この聖句は,死者のための救いの儀式が神殿でのみ執行できる理由を理解するうえでどのように役立ちますか。

わたしたちは神殿での礼拝を通して祝福を受ける

帰還宣教師,または神殿結婚をした生徒を招き,自分や家族,友人が神殿参入を通して得た祝福について発表してもらいます。

生徒用資料「わたしたちは神殿での礼拝を通じて祝福を受ける」(10.5)の資料を生徒に復習してもらいます。挙げられている祝福の中で,人生のこの時期に自分が最も望むものを2,3選ぶように言います。復習する時間を取ったら,選んだものとその理由を発表してもらいます。

神殿の祝福に対するあなたの気持ちと証を伝えます。神殿推薦状にふさわしく生活し,状況が許すかぎり定期的に神殿で礼拝してこれらの祝福を生活の中で享受できるよう生徒を励まします。

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