使徒10-15章
概要
イエス・キリストは復活後,すべての国の人々に教え,バプテスマを施すよう,使徒たちに命じられました(マタイ28:19参照)。この命令が果たされ始めたのは,コルネリオという名の義にかなった異邦人と使徒ペテロがそれぞれ啓示を受け,コルネリオがペテロへ,またペテロがコルネリオへと,神によって互いに導かれたときでした。ペテロはコルネリオにバプテスマを施し,そこから福音が異邦人に広まりました。しかし,依然として使徒たちの働きを妨げようとする者たちがいて,そのために使徒ヤコブは殉教し,ペテロは投獄されました。義人が多くの祈りをささげた後,ペテロは天使によって牢獄から解放されました。使徒パウロとバルナバは,すべての国民に教えるという務めを果たす一助になりたいという望みから,伝道に出ました。彼らも多くの妨害に遭いましたが,祝福されて大きな成功を収めました。彼らが教えた異邦人の多くがキリストの福音を受け入れたのです。異邦人の改宗者が割礼を受け,モーセの律法に厳密に従う必要があるのかという疑問を持つ者が出てきました。この疑問がペテロその他の教会指導者たちに伝えられると,彼らはともに評議し,この件に関して啓示を受けました。
教えるための備え
次の情報は,各課の事前準備のアイデアを教師に提供するものです。
使徒10章,第1部
この課の目的:この課は,生徒がほかの人を天の御父やイエス・キリストが御覧になるように見ることができるようになるための助けになります。
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生徒の準備:生徒に,周囲の人に対する自分の見方や接し方と,そのような行動を取る理由に注意を向けるよう勧めます。観察をして分かったことを幾つか発表する準備をしてもらいます。
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ビデオ:「福音を異邦人にもたらすためにペテロが受けた啓示」(3:29-7:44)
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画像:雲の画像
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生徒用に準備するもの:生徒が絵を描くのに使う紙や色鉛筆など
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オンラインレッスンに関する提案:生徒にペテロの示現の絵を描いてもらう場合は,それぞれの生徒が自分の描いた絵を見せて説明するときに,画像が画面いっぱいに表示されるように,参加者の表示画面を自分で調整してもらいます。そうすることで,すべての生徒が自分の描いた絵をうまく見せ合うことができるようになります。
使徒10章,第2部
この課の目的:生徒は,この課を学ぶと,天の御父はどのようにして御心を明らかにしてくださるのかをよく理解することができるようになります。
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生徒の準備:自分は人生でどのようなことについて啓示を受ける必要があり,啓示を受けてどのように悩みを解決したいと思っているか,生徒に考えてもらいます。
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ビデオ:「光のパターン」(3:04);「みたまはわれに真理告げたもう」(15:45;タイムコード14:41-15:18を見る)
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オンラインレッスンに関する提案:生徒が 使徒10:1-28,44-48 の出来事について読む際には,この聖句を表示して,生徒が「注釈を付ける機能」を使って,クラスで自分の気に入った聖句を強調表示したり,印をつけたりできるようにするとよいでしょう。
使徒11,15章
この課の目的:この課では,救い主が預言者や使徒たちへの啓示を通して御自身の教会をどのように導かれるかを生徒がよく理解できるように助けます。
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生徒の準備:生徒に,『聖句ガイド』「啓示」の項(scriptures.ChurchofJesusChrist.org)を読んで,主がどのように預言者に御心を明らかにされるかについて理解したことを発表する準備をしてきてもらいます。
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配付資料:十分な部数の資料を準備します。
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ビデオ:「教会のための啓示,わたしたちの人生のための啓示」(20:27;タイムコード10:46-12:14を見る)
使徒12:1-19
この課の目的:この課を学ぶと,生徒は,天の御父と,御父からいただく祈りの答えをさらに信頼することができるようになります。
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生徒の準備:望んだとおりに祈りがこたえられた経験と,祈りがこたえられていないと思った経験または望んでいたのとは違う方法で答えられた経験を分かち合えるよう,生徒に準備してきてもらいます。自分の経験でも,ほかの人の経験でもかまいません。
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ビデオ:「心の安らぎを見いだすための8つの原則―「祈り」」(2:51);「たえず目をさまして祈っていなさい」(15:01;タイムコード12:17-13:07を見る);「病人を癒す」(17:34;タイムコード15:19-16:55を見る)
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オンラインレッスンに関する提案:生徒が知っている地元の教会指導者に参加してもらい,祈りがこたえられた経験について,期待した答えが与えられたときと期待していたのと違う答えが与えられたときの両方を話してもらうとよいでしょう。または,一人の生徒の家族に,祈りに関する経験をクラスで分かち合ってもらいます。だれかをクラスに招いて話をしてもらう場合は,必ず事前に地元の教会指導者と地元の宗教教育セミナリー・インスティテュートのコーディネーターの承認を適切に得てください。
マスター教義の復習14
Doctrinal Mastery Review 14
この課の目的:この課では,新約聖書の一つ以上のマスター教義聖句について理解を深め,その真理を説明する機会を生徒に与えます。
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生徒の準備:生徒に,この課で研究するマスター教義聖句を復習して,それぞれの聖句について話し合う準備をしてきてもらいます。生徒は『マスター教義に関する基本文書』またはマスター教義アプリを用いて復習するとよいでしょう。
注意:この復習の課の代わりに,マスター教義聖句の課を教える必要が出てくる場合もあります。地域や地区のディレクターやコーディネーターが立てた進度スケジュールを参照して,セミナリー開講中にマスター教義聖句の課を全部教えられるようにしてください。
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見せるコンテンツ:組み合わせ活動
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ビデオ:「ネルソン大管長—聖文はイエス・キリストについて教えている(青少年向け)」(0:59)
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オンラインレッスンに関する提案:この課の最後にある質問について話し合う際は,生徒をブレイクアウトルームに分けるとよいでしょう。