セミナリー
コロサイ1-2章


コロサイ1-2章

主に根ざし,主にあって建てられ

Cutaway showing the roots of a tree growing in windy conditions.

木を根こそぎ倒し,破壊する大自然の力があるように,イエス・キリストの霊的な基からわたしたち一人一人を引き離そうとする力があります(ヒラマン5:12参照)。パウロがコロサイ人への手紙を書いたのは,彼らの信仰が偽りの教えや慣習によって脅かされていたからでした。この課は,信仰を脅かす力や,イエス・キリストをより確固として信じる方法を認識する助けとなります。

実物と絵を使う。実物や絵は,生徒が聖文に出てくる人物や場所,出来事,事柄,象徴を思い描くのに役立ちます。生徒が視覚化するのに役立つ方法の一つは,聖文に述べられた物を描いてもらうことです。

生徒の準備:生徒に,好きな種類の果物の木の絵を描くか,撮った写真をクラスに持ってきてもらいます。木から学べる霊的な教訓を考えてもらいましょう。

学習活動案

あなたと木は,どのような点が似ていますか

一人の生徒に,ホワイトボードに木の絵を描いてもらいます。以下の活動で生徒の答えを使って,ホワイトボードの絵に記入します。また,「生徒の準備」の活動の写真や絵に書き加えてもらいます。レッスンの間,アイデアを追加し続けるよう生徒を促します。

好きなの果実の木を絵に描きましょう。絵には,このレッスンを通じて書き加えてください。

自分がどのようにこの木に似ているかを考えてください。例えば,キリストを信じる信仰を根こそぎ取り,破壊しようとしている力について考えてください。福音の実を味わうために,なぜそのような力に対して強く立ち向かう助けが必要なのか考えてください。

パウロは,コロサイの聖徒たちがイエス・キリストとの関係の重要性をより明確に理解するのを助けるため,木の象徴を使いました。また,イエス・キリストを信じる信仰を脅かす偽りの教えや慣習に対して彼らを強めるためにも,木の象徴を使いました。パウロの言葉をよりよく理解し,応用できるように,聖霊からの霊感を求めてください。

木の実

あなたが描いた木に実る果実と,それが好きな理由について考えてください。

コロサイ1:10-22 を読んでください。パウロが述べている実(または祝福)を見つけ,それらの実を望む理由について考えてください。木に実を描き,その上にパウロの教えを書いてください。

  • パウロはどのような実や祝福を見いだしましたか。

生徒に,以下の質問に対する答えを学習帳に書いてもらい,その後,希望する生徒を募って,書いたことをクラスで発表してもらうとよいでしょう:

  • これらの実のうち,現在よく食べている実はどれですか。

  • 食べたい実はどれですか。それはなぜですか。

以下の文を学習帳に書き,前の質問に対する答えを最初の空欄に書いてください:もし_______________を望むならば,わたしは________________必要がある。

コロサイ1:23 を読み,これらの実を受けるためには何が必要であるとパウロが言ったかを,見つけてください。二つ目の空欄に見つけたものを記入してください。

例えば,この真理は次のように完成することができます:もしわたしが強められ,キリストを通して贖いと平安を受けたいと望むならば,わたしはしっかりとした信仰を持ち続ける必要があるゆるぐことがなくしっかりとふみとどま〔る〕とは,安定していてぐらつかないこと,または「確固として揺ら〔がない〕」( モーサヤ5:15 )という意味でもあります。

  • 「ゆるぐことがなく,しっかりと信仰にふみとどま〔る〕」とはどのようなことでしょうか( コロサイ1:23 )。

  • イエス・キリストについて知っていることで,ゆるぐことなく,しっかりと主に踏みとどまることを促す事柄は何ですか。

  • これらの聖句から見つけた主に関するほかの真理で,ゆるぐことなく,しっかりと主に踏みとどまりたいというあなたの自信や願いを強めるものは何ですか。

コロサイ2:6-7 を読み,わたしたちの木の根についてパウロが教えた事柄を見つけてください。その言葉に基づいて,木の周りの地面にラベルを付けてください。

  • パウロは,根を張る必要があると,どこで教えましたか。

  • キリストに「根ざ〔す〕」とはどういう意味だと思いますか。

  • イエス・キリストに根ざすことは,わたしたちがゆるぐことなく,しっかりと踏みとどまるうえで,どのような助けとなるでしょうか。キリストに根ざすと,どのように見えるのでしょうか。

あなたの知人で,ゆるぐことなく,しっかりと踏みとどまり,キリストに根ざすことを身をもって示している人について考えてください。

例があれば生徒が理解しやすいと思われる場合は,以下の例の片方か両方を共有するとよいでしょう。

以下は,キリストに根ざした人々の二つの例です:中央若い男性会長のスティーブン J・ランド長老は,病気にかかった息子が神権の義務を忠実に果たし続けている模範を分かち合いました。可能であれば,ビデオ「キリストに喜びを見いだす」(タイムコード0:09-3:57)を見てください。

9:56

中央若い男性会長会 で務めたM・ジョセフ・ブラフ兄弟は,10代の娘が,新しい地域に移り住み伝道に出ることを選ぶという困難に忠実に耐えたという話を分かち合いました。可能であれば,ビデオ「頭を上げて喜びなさい」(タイムコード5:48-7:48)を見て,この話を聞いて見てください。

9:51

生徒に,思い浮かんだ人たちについて考えたことを分かち合ってもらいます。二人一組か少人数のグループで,次の活動で描いたことを説明してもらいます。

自分の木に,深く強い根を描いてください。根の一部に,その人たちが持っている特質や,彼らが取る行動のうち,彼らをイエス・キリストにしっかりと結びつけていると感じるものを書きます。

コロサイ1:232:6-7 を見返してください。その後, コロサイ2:8,12 とダリン H・オークス管長の次の言葉を読んでください:自分の木の根に,さらにしっかりと救い主とつながるための別の方法を書き込んでください。

Official Portrait of President Dallin H. Oaks taken March 2018.

「わたしたちはしっかりと根を下ろし,イエス・キリストの福音に改心することを求めなければなりません( コロサイ2:6-7 参照)。祈ること,聖文を読むこと,奉仕すること,そして,いつも主の御霊がともにいてくださるよう聖餐を定期的に受けることによって改心を遂げることができます。わたしたちはまた,心の大きな変化を求める必要があります( アルマ5:12-14 参照)。心に大きな変化が生じることによって,邪悪な望みや利己的な関心が,神を愛する心や神とその子供たちに仕えたいと願う心に置き換えられるからです。」

(ダリン・H・オークス「種まきのたとえ『リアホナ』2015年5月号,35)

見つけた「根」を生徒に発表してもらいます。必要に応じて,次の質問の幾つか,またはすべてについて話し合います。

  • ゆるぐことなく,しっかりとキリストに踏みとどまっている人の模範に従うことで,救い主とのより強いつながりをどのように感じましたか。

  • バプテスマ( コロサイ2:12 参照)などの福音の儀式に参加することは,どのようにあなたをよりキリストに固く結びつけてくれますか。

  • もっと確固として,ゆるぐことなく,しっかりとキリストに踏みとどまったら,あなたの人生はどのように変わるでしょうか。

多くの人はキリストに対する根を深めることのできる選択をするかもしれませんが,その選択を実践する方法は,必ずしも有意義な結果を生み出すわけではありません。例えば,毎日聖典を読んでも,聖文から真理を見つけ,深く考え,応用する時間を取らない人がいるかもしれません。自分の選択をどのように行い,何かを変える必要があるか,深く考えてください。

根こそぎにする力に耐える

木を根こそぎ倒し,破壊する大自然の力があるように,イエス・キリストの霊的な基からわたしたちを引き離そうとする力があります。

木の周りに,木を根こそぎ倒すような風や嵐の絵を描いてください。これらの風や嵐には,ゆるぐことなくイエス・キリストにしっかりと踏みとどまろうとするあなたを,霊的に根こそぎ倒すと書いてください。 コロサイ2:4,8 を読み,コロサイの聖徒たちが経験していた幾つかの力を見るとよいでしょう。

  • 今日見つけた根は,あなたが特定した力にあらがい,強く立ち向かうために主の力を頂くうえで,どのように助けとなるでしょうか。

可能であれば,ビデオ「霊を滅ぼす嵐」(2:24)を見てください。ゆるぐことなく,しっかりとキリストに踏みとどまることが,どのようにあなたの助けとなるかを見つけてください。

2:24

聖霊を通して天の御父の助けを求め,自分がうまくいっていること,また,さらにゆるぐことなく,しっかりとイエス・キリストに踏みとどまるために何ができるかを見つけてください。考えたことや感じたことを学習帳に書き留め,それに従うと決意してください。

注釈と背景情報

なぜキリストに根ざす必要があるのか

十二使徒定員会のニール A・マックスウェル長老(1926-2004年)は,次のように説明しています:

Last official portrait of Elder Neal A. Maxwell, 1992.

「末日の世に起こる出来事や状態を考えると,わたしたち教会員は,足をしっかり地につけ,根を深くおろし,揺らぐことのない確固たる信仰を築くことがぜひとも必要になってきます( コロサイ1:232:72ペテロ1:12 参照)。イエスは弟子たちにこのように言われました。『わたしがあなた方に教え,戒めることを行うよう,心しなさい。』〔ジョセフ・スミス訳 ルカ14:28 〔英文〕〕この言葉を心に留めていないと,世の嵐は容赦なくわたしたちに吹きつけてきます。しかし常に心に留め,注意していれば,うわさ話や間違った教義,この世的な哲学や行いに惑わされることはありません〔 エペソ4:14 参照〕。 ……

しかし,わたしたちが最初に主について定住しないかぎり,イエスが命じられたことを行うに当たって決着をつけることはできません。……『神の御心と和解し……肉の思いに自らを従わせ』ないこと( 2二一ファイ10:24 ),これがわたしたちに課せられた責任と言えます。」

(ニール・A・マックスウェル「わたしが勝利を得たと同様に勝利を得なさい」『聖徒の道』1987年7月号,77参照)

ビデオ「人生の嵐の避け所を見つける」(タイムコード0:00-3:49)を見て,リカルド P・ヒメネス長老が示したさらなる洞察を得るとよいかもしれません。

11:5

コロサイ2:13-15 。パウロはコロサイの聖徒たちに,救い主の十字架の刑の象徴的意味について何を教えたのでしょうか

パウロはコロサイの聖徒たちに,神が彼らを赦されたことを思い起こさせました( コロサイ1:14,20,22 参照)。 コロサイ2:14-15 でパウロが使った比喩は,キリストの贖罪によってわたしたちの罪がいかに赦されるようになったかを強調しています。パウロの時代,ローマ人の習慣では,有罪宣告を受けた人の犯罪行為を札に書いていました。犯罪者が十字架に架けられるときは,通りがかりの人に見えるように,その札も釘で十字架に打ちつけられました( ヨハネ19:19-22 参照)。パウロは 13-15節 で,コロサイ人が赦されていることを教えるためにこの比喩表現を使いました。これはあたかも,コロサイ人の聖徒に対する霊的な嫌疑と非難の全リストが札に書かれ,釘で十字架に打ちつけられたかのようなものでした。イエス・キリストの十字架の刑によって,これらの罪は消され,ぬぐい去られました。

補足学習活動

コロサイ3:12-24 。キリストのような特質

生徒に,救い主の生涯の中で好きな話を幾つか分かち合ってもらいます。それらの話の中で救い主が示された特質を見つけてもらいます。その後,これらの特質の模範となっている知人について考えてもらいます。その人たちのそばにいると楽しい理由を発表してもらいます。生徒に, コロサイ3:12-24 を研究しながら,キリストのような特質や特徴を見つけてもらいます。また,それらの特質を伸ばす方法を見つけてもよいでしょう。生徒に,聖霊を通して天の御父の助けを求め,これから1,2か月かけて取り組みたい特質を一つ選んでもらいます。その後,その特質を伸ばすために天の御父の助けを求める方法について,計画を立ててもらうとよいでしょう。