エペソ5:21-33;6:1-4
キリストのような関係
家族の関係は,わたしたちが死すべき状態で経験できる最も報いのあるものの一つです。両親,兄弟姉妹,伴侶との関係は,大きな喜びをもたらしますが,試練をもたらすこともあります。イエス・キリストを,家族との健全で幸せな関係の模範として見ることができると,パウロは教えています。この課は,救い主の模範に従って,人との関係を改善するのに役立ちます。
学習活動案
あなたの家族
近しい家族の名前と,それぞれについて好きな点を書き出してください。
何人かの生徒に,家族のうち一人について好きな点を話してもらいます。
家族それぞれについて,次の文章を考えてください:「わたしは,救い主がわたしに望むような接し方でこの人に接しています。」次に,以下の尺度を使って,それぞれの家族への接し方を評価してください。
今日の勉強をしながら,家族との関係や,どうすれば救い主の模範に従って家族を愛し助けることができるかを考えてください。
パウロは家族関係について勧告を与えた
エペソ5:22-24 のパウロの言葉は,当時の社会の慣習を背景にして書かれたことに注意することが大切です。今日の預言者と使徒は,男性は女性よりも優れているわけではなく,夫婦は「対等のパートナー」でなければならないと教えています( 「家族—世界への宣言」 ,ChurchofJesusChrist.org)。パウロの時代とは慣習が違いますが,パウロの教えの中には今日にも通じる勧告を見いだすことができます。パウロが強調した真理の一つは,わたしたちの家族への接し方は,救い主の模範に従うことができるということです。
エペソ5:21-27 ; 6:1-4 を読み,この真理の証拠を見つけてください。学ぶに当たって,「互いに仕え合う」とは( エペソ5:21 ),互いに協力し合い,愛し合い,配慮し合うこと,「キリストに対する恐れの心」とは( エペソ5:21 ),神を愛し敬うことだと知っておくとよいでしょう。
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救い主が教会への愛を示し,教会のために御自身をささげられた方法には,どのようなものがあるでしょうか。
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キリストが教会のために御自身をささげられたことを知ることで,あなたはキリストについてどのように感じますか。
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救い主が教会に対して感じられることを模範とするならば,夫は妻に対してどのように感じるべきでしょうか。
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パウロが与えた勧告で,夫にも妻にも等しく当てはまる勧告は何ですか。ほかの家族についてはどうですか。
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将来,救い主がされるように自分の伴侶に接することができるようになるために,今あなたができることは何ですか。
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両親に従い,敬意を払うことは,あなたがさらにイエス・キリストのようになるうえで,どのような助けとなるでしょうか。
以下の画像を見て,次の聖書の話と照らし合わせてください。 ルカ2:51-52 ; ヨハネ2:1-11 ; ルカ22:39-42 。救い主は,どのような意味で,地上と天の両親を愛し,従い,敬意を示すことの模範であったのかを考えてみてください。
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救い主はどのような方法で両親を愛し,従い,敬意を示されたでしょうか。救い主の行動が,救い主と両親との関係にどのような影響を与えたと思いますか。
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あなたが両親を敬い,従う方法にはどのようなものがありますか。
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救い主の模範に従うことで,あなたはどのように祝福され,家族関係が強まりましたか。または,どのようにしてそうなると思いますか。
救い主のようになる練習
10代の若者と家族との間のよくあるやり取りで,救い主が接するように家族に接することが難しいかもしれない場面を書いてください。やり取りを考えたら,救い主がどう対応されると思うか,そしてその理由を書いてください。救い主が人々に対しどのように感じ,行動されたかを思い出してください。
以下のような例が考えられます:
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親が,子供の空き時間の過ごし方について批判的である。
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妹が,姉の持ち物を断りなく持ち出し,そのことについてうそをつく。
救い主の模範に従う
家族との関係について考えてください。救い主の模範に従い,キリストのような接し方で人々に接したときのことを考えてください。また,人々を愛するという救い主の模範に従うために,あなたに何ができるか知るために,聖霊に助けてもらってください。
家族関係で,救い主のように行うためにできそうなことを書き留めてください。書いたものを教師や親に分かち合い,促されたと感じることを実行できるよう助けてもらうとよいでしょう。
注釈と背景情報
エペソ5:22-24 。これらの節にあるパウロの教えについて,わたしたちは何を理解すべきでしょうか。
パウロは,すべての教会員は互いに仕えるべき,つまり自分よりも他人を優先するべきだと教えました( エペソ5:21 参照)。次に,仕えるという原則が,家族と世帯内の関係にどのように当てはまるかを説明しました。 22-24節 は,現代では誤解されやすく,誤用されやすい箇所です。末日の預言者たちは,夫と妻,母親と父親は「対等のパートナー」として神聖な義務を果たすべきであることを明確に教えています( 「家族—世界への宣言」 ,ChurchofJesusChrist.org)。夫婦が心から一つとなるならば,配偶者のために払ったいかなる犠牲も必然的に本人に祝福をもたらすため,「自分の妻を愛する者は,自分自身を愛する」ことになります( エペソ5:28 )。
夫や妻は,どのようにすれば救い主がするように伴侶を扱うことができるでしょうか。
ゴードン・B・ヒンクレー大管長(1910-2008年)は次のように語っています:
「幸福な結婚には,ロマンスよりも伴侶の安らぎと幸せを心から願う方が大事です。妻の安らぎを第一に考える男性は皆,その生涯,そして将来訪れる永遠に渡って妻を愛し続けます。(1995年6月18日,アラスカ州アンカレッジ,地域会議)」
(“Speaking Today: Excerpts from Recent Addresses of President Gordon B. Hinckley,”『Ensign』,Apr. 1996,,72)
七十人定員会のL・ホイットニー・クレートン長老は,次のように語っています:
「最高に幸せな結婚では,夫と妻の双方が二人の関係を値段のつけようがないほど貴重な真珠,無限の価値ある宝であると考えていることに気づきました。二人は父母のもとを離れ,永遠に栄える結婚を作り上げるために,ともに歩み始めます。彼らは神によって定められた道を歩いていることを理解しています。結婚ほど喜びをもたらし,善を生み,人を高める人間関係はほかにないことを知っています。よく見て覚えましょう。最高の結婚パートナーは,結婚を値のつけられない貴重なものであると考えます。」
(L・ホイットニー・クレートン「結婚—よく見て覚えましょう」『リアホナ』2013年5月号,83)
家族関係を強めるために,わたしは何ができるか
「愛と尊敬を示すことによって親を尊んでください。両親があなたを義にかなって導くとき,彼らに従ってください。家事を自分から進んで手伝ってください。健全な家族の活動や伝統に参加してください。家族の祈り,家族でする聖文学習,家庭の夕べなどに加わってください。これらの戒めを守ること によって,家族は強められ,一致します。」(『若人の強さのために』〔小冊子,2011年〕,14-15)
関係を構築し,強化する方法を提案する以下の記事を読んでみてもよいでしょう:「ミニスタリングの原則:意義深い関係を築く」『リアホナ』2018年8月号 ,6-9。
ChurchofJesusChrist.orgで視聴可能な以下のビデオを一つ以上見てみましょう。これらのビデオでは,ほかの人への接し方において救い主の模範に従おうとする人々の例が紹介されています。
ビデオ「あなたはわたしの手である」(タイムコード10:26-12:39)では,当時大管長会で奉仕していたディーター F・ウークトドルフ管長が,救い主の手になる方法について語っています。
「忍耐強い愛」(4:16)では,ある夫婦が肉体的な障害という逆境に耐えなくてはならないにもかかわらず,互いに愛し仕え合っています。
「家庭と家族-小さなことから」(3:33)では,ビショップが3人の若者に,家庭を聖なる場所にするには何が必要か学ぶよう課題を与えます。
「Mothers and Daughters (母と娘)」(5:06)では,カナダ・アルバータ州の若い女性たちが,自分にとって母親はなぜ良い模範なのかについて話しています。
「父と息子」(6:02)では,若い男性が父親との関係を改善するためにどのように努力したかを語っています。