セミナリー
ヨハネ7章


ヨハネ7章

神の御心を行う者には主の教えが分かる

Jesus Christ is teaching in the temple and being approached by the chief priests, elders and scribes who ask Him the source of his authority. Christ questions them whether the baptism of John the Baptist was of heaven or of man. Outtakes include closeups of people in the crowd and of Caiaphas.

イエスは,エルサレムでの仮庵の祭の際,御自分が教えられる教義が天の御父から来たものであることを知る方法を説明されました。この課では,天の御父とイエス・キリストの教えが真実であることを知るために何ができるかを,見つけてもらいます。

生徒の関心を引く。すべての生徒にクラスに参加してもらう方法を探してください。十二使徒定員会のデビッド A・ベドナー長老は,わたしたちの目的は,生徒が「霊的に自立できるように助けることであり,……わたしたちは,生徒が実行することで学べるよう助けます」と教えています(“Seek Learning by Faith” 〔Church Educational System address,Feb. 3,2006〕,byu.edu)。

生徒の準備:イエス・キリストとその教えを自分が現在のように理解し,信じることができるようになるのにいちばん影響を与えた人または物事について,生徒に考えてもらいます。自分の考えを紙に書いて,クラスに持ってきてもらいます。

学習活動案

イエス・キリストについて信じている様々な事柄

  • イエス・キリストについて人々が信じていることには,どのようなものがありますか。

  • イエス・キリストについてほんとうのことを知ることは,ほかの人がどう考えていようと,あなたにとってなぜ大切なのでしょうか。

生徒が「生徒の準備」の活動をしてきている場合は,書いてきたことを発表してもらいます。

イエス・キリストについて自分が信じている事柄に影響を与えたものについて,少し時間を取って考えましょう。真理を知るために自分がどのような情報源に頼ろうとする傾向があるかを考え,自分の信じている事柄がその情報源からどのような影響を受けているか,深く考えてください。今日の学習を通して,イエス・キリストとその教えに関する真理を知るために自分に何ができるか,考えてください。

エルサレムにはキリストを殺そうとする人が大勢いたため,主は,仮庵の祭にひそかに参加されました( ヨハネ7:1,10 参照)。ユダヤ人たちはイエスを探しており,祭りの間中,人々はイエスがどのような御方であるかについて様々な意見を言い合っていました。

ホワイトボードに次の表を掲示するか,書き写してください。この課のこの部分で時間を使いすぎないよう,生徒で聖句や質問を手分けしてもよいでしょう。

ヨハネ7:12,40-41

イエスがどのような御方であるかについて,人々はどのような考えを抱いていましたか。

ヨハネ7:31

一部の人がイエスを信じたのはどのような理由からだったのでしょうか。

ヨハネ7:41-42,52

なぜ人々はイエスがどこから来たのかを話していたのでしょうか。

ヨハネ7:45-46

イエスを捕らえるよう命じられた役人は,イエスからどのような印象を受けましたか。

ヨハネ7:47

パリサイ人はイエスを信じた人々のことを何と言っていましたか。

  • 人々はどのような理由でイエス・キリストを信じたのでしょうか。また,どのような理由で信じなかったのでしょうか。

  • イエス・キリストとその教えについて,現代の人々はどのような意見を持っているでしょうか。

  • イエス・キリストとその教えについて,どうしたらほんとうのことを知ることができるでしょうか。

イエス・キリストとその教えの真理を知る

仮庵の祭の間,イエスは,神殿に教えに行かれました。イエスは,主が教えられる教義も御自身も,ともに天の御父から来ていると,人々に説明されました( ヨハネ7:14,16-18,28-29 参照)。

ヨハネ7:17 を読み,イエスの教えは真実で,イエスは天の御父から遣わされたということを知るために人々は何をするべきだと主は言われたか,調べてください。

この聖句から学べる原則を生徒に発表してもらいます。生徒が発表したことをホワイトボードに書いてください。

この聖句から学べる一つの原則は,天の御父の御心を行えば,主の教義が真実であることを知ることができるというものです。

天の御父の御心を行うというのは,主が望まれるような生活をするということです。救い主イエス・キリストは常に天の御父の御心に従って生き,天の御父の御心を教えられました。

  • イエスが御父の御心を行われた例として,どのような場面を挙げることができますか。

  • 真実であることがまだ分からない原則を実践する場合,どのような難しさがあるでしょうか。

中央若い女性会長だったボニー・L・オスカーソン姉妹は,真理を知ることについて,次のような勧告を与えています:

Official portrait of Bonnie Lee Green Oscarson, Young Women general president, 2013. Sustained at the April 2013 general conference.

「時にわたしたちは,逆のやり方をしてしまいます。例えば,このような姿勢です。什分の一の律法を喜んで守るつもりはあるけれど,まず先にそれが真実だと知る必要がある,という考え方です。什分の一の用紙に記入したこともないのに,什分の一の律法について証を得たいと祈り,主が自分を祝福して証を与えてくださると期待することがあるかもしれません。そういうふうにはいかないのです。主はわたしたちが信仰を働かせることを期待しておられます。什分の一の証を得るためには,什分の一を一貫して完全に,そして正直に納めなければなりません。純潔の律法,慎み深さの原則,知恵の言葉,断食の律法など,福音のすべての原則にはこの同じ規範が当てはまります。」

(ボニー・L・オスカーソン「あなたがたは改心しなさい『リアホナ』2013年11月号,77)

  • イエス・キリストは,御自分の教える教義は天の御父から来たことと,それが真実であることを知るために,わたしたちに何をしてほしいと望んでおられるのだと思いますか。

  • また,イエス・キリストの教義が真実であることを知ることも主を知るうえで助けになるのは,なぜでしょうか。

ヨハネ7:17 で教えられている原則について,生徒が理解を深められるよう助けましょう。そのために,例えば,それを実践して証を得た人に,その経験を話してもらうといいかもしれません。

この課の最後にある「補足学習活動」の項には, ヨハネ7:17 の原則を教える幾つかのビデオがあります。生徒に経験したことを話してもらうか,以下の活動をしてもらってもよいでしょう。

証をさらに強くしたいと思う主の教えを一つ選びます。主のどの教えを選ぶかを決めるために,前回の総大会の話の中から青少年を対象に話されたものを幾つか参照してもよいでしょう。また,小冊子 『若人の強さのために』 や機関誌 『For the Strength of Youthー青少年の強さのために』 を読んで考えてもいいかもしれません。御霊の助けを求めて,人生のこの時期に心に留めるといちばん大きな祝福となるような主の教えを,一つ選びます。

選んだ教えを,学習帳の白紙のページか,白紙の紙の上部に書きます。その教義を表現した簡単な絵や物を考えて,紙の中央に描いてください。

例えば,モルモン書が神の言葉であるという証を強くするという教えを選んだとしましょう。モルモン書の簡単な絵を描きます。

選んだ教えに対する証を得るために何をすればよいか考える際には,天の御父がその教えに関連してあなたにどのような行動を取ることを望まれているか,考えるといいかもしれません。描いた絵の周りに,取るべき行動を少なくとも3つ書いてください。

この教義に対する証が強くなると,天の御父とイエス・キリストと自分との関係はどう変わってくるか,考えてください。

  • この教義に従うことを妨げる障害には,どのようなものがあるでしょうか。その障害をあなたはどのようにして乗り越えようと思いますか。

  • この教義が神から来たものであることを知るためにどれだけの時間と努力を要するかを理解することは,なぜ大切なのでしょうか。

自分の書いた言葉や絵,選んだ教義を,少人数のグループで発表し合ってもらいます。

立てた計画を家族に見せることをお勧めします。家族は,あなたが教義に従い,それが神から与えられた教義であることが理解できるよう助けてくれることになるかもしれないからです。

注釈と背景情報

ヨハネ7:2 。仮庵の祭とは何か

仮庵の祭は,安息日から次の安息日まで8日間続きました。この祝祭では,木の枝で作られた仮設の小屋を建てました。人々は祭りの間,この小屋の中で過ごし,神が,40年間にわたってシナイの荒れ野に暮らしてきた御自分の民を祝福されたことを記念しました。

ヨハネ7:17 。従順になることによって真理を求めることに,どのような価値があるか

救い主は,御自分の教えに引き続き従う者は真理を知り,真理は自由を得させるであろう,と弟子たちに言われました( ヨハネ8:31-32 参照)。十二使徒定員会のディーター F・ウークトドルフ長老は,真理について個人的な証を得るために努力しなければならない理由を説明しています:

Official portrait of Elder Dieter F. Uchtdorf of the Quorum of the Twelve Apostles, 2006. Called as Second Counselor in the First Presidency, 3 February 2008. Made official portrait in 2008 replacing portrait taken in 2004.

「そのような段階を踏むのは難しすぎるとか,努力するだけ無駄だと言う人もいるかもしれません。しかし,この人生において,福音と教会について個人の証を得るほど大切なことはないのです。証はこの世で祝福と導きを与えてくれるだけでなく,永遠にわたって皆さんの人生に直接影響を与えてくれるからです。」

(ディーター・F・ウークトドルフ「光と真理の証を受ける『リアホナ』2014年11月号,22)

ヨハネ7:39 。なぜヨハネは,「御霊がまだ下ってい〔ない〕」と言ったのか

ここでヨハネが言っているのは,次のようなことです。「聖霊の賜物だけがなかったということです。というのは,バプテスマのヨハネとイエスが地上で教えていたときには 聖霊のが働いていたからです。聖霊の力が働いていなければ,ヨハネとイエスがお教えになった真理の証を得る人はいなかったはずです( マタイ16:16-171コリント12:3 も参照)。」(Bible Dictionary, “ Holy Ghost ”)

補足学習活動

従順であると証が得られることを伝えている例のビデオ

以下のビデオでは,福音に従って生き,誠実な従順さを通して証を得る人たちの例が示されています。ビデオの一方あるいは両方を見せ,信仰をもって行動し,天の御父の教えに対する自分自身の証を得るよう勧めます。

ビデオ1:前中央若い女性会長会会長のボニー L・オスカーソン姉妹は,1960年代に10代を迎えて若者として育つとはどういうことかを説明しています。オスカーソン姉妹は,知恵の言葉を守ることによって,この福音の原則が真理だという確信を聖霊から頂くことができました(ボニー L・オスカーソン「あなたがたは改心しなさい『リアホナ』2013年11月号,76-78参照)。

11:33

ビデオ2:大管長会のヘンリー B・アイリング管長は,争いを避け,家庭に平和をもたらすために自分にできることをしたときに,天の御父の助けを得て永遠の家族の真理が理解できるようになったと説明しています(ヘンリー・B・アイリング「生きた証」『リアホナ』2011年5月号,125-128参照)。

20:31