セミナリー
ルカ24:1-12,36-48


ルカ24:1-12,36-48

イエス・キリストの復活

Jesus Christ’s empty tomb - set at Goshen, Utah

救い主が埋葬された後,忠実な弟子たちが墓に香料を持って来ました。ところが彼らが目にしたのは,救い主の遺体ではなく,空になった墓でした。天使たちは,主はよみがえられたと宣言しました。さらにその日の晩,弟子たちが集まっていると,主が御姿を現し,御自分の復活した体を見せられました。この課を学ぶと,救い主の復活と,それが自分の人生に与える影響について,よく理解することができます。

絵を用いる。絵は,生徒が聖文の内容を視覚的にイメージし,分析し,理解するのに役立ちます。話し合いを活発にするために絵を使うと,特に効果があります。 絵を使うときは,必ずレッスンの目的が強調されるようにします。目的が損われることがないようにしてください。

生徒の準備:復活について知っていることと,救い主の復活が自分にとって個人的に重要である理由を,生徒に考えてもらいます。それを箇条書きにしてもらってもよいでしょう。

学習活動案

イエス・キリストの復活

この課の初めにある,空になったイエス・キリストの墓の画像をよく見て,次の質問にどう答えたらよいか,深く考えてください。

  • この画像は,あなたにとってどのような意味がありますか。

次の質問の答えを学習帳に書き,主の復活と,それが自分の人生に及ぼす影響に関して知っていることについて,深く考えてください。今日の学習の最後に,この質問について再び考える機会があります。

生徒に以下の質問を見せて,答えてもらいます。生徒には,この課を学んだ後,理解した事柄について深く考えるために,この同じ質問についてもう一度考えてもらいます。そのため,答えを学習帳に書いておいてもらうとよいでしょう。

  • 復活について,あなたはどのようなことを知っていますか。

  • 救い主の復活に関するあなたの知識や信仰は,あなた個人にどのような影響を及ぼしているでしょうか。

生徒が「生徒の準備」を行ってきている場合は,この時点で,書いてきたものを見て分かち合ってもらいます(生徒が気兼ねなく分かち合ってくれる場合)。

イエス・キリストが自ら進んで十字架上で命をささげられた後,その遺体は取り降ろされ,清潔な亜麻布に包んで墓に納められました。安息日の後,マグダラのマリヤをはじめとする数人の忠実な女性たちが,朝早く墓に戻りました( ルカ24:10;ヨハネ20:11-18参照)

ルカ24:1-12 を読み,この女性たちが救い主の墓で見たことを調べてください。

  • この弟子たちは自分たちの見たことや聞いたことについて,何を考え,感じていたと思いますか。

その後ほどなくして,イエス・キリストはエマオに向かっている二人の弟子たちに御姿を現されました( ルカ24:13-32 参照)。この二人はエルサレムに戻り,自分たちがイエスにまみえたことを使徒たちに話しました( ルカ24:33-35 参照)。

後の課で,生徒はイエス・キリストの復活についてさらに多くの個人の証を研究します。 ルカ24:13-35 に記されているエマオに向かう途中にイエスが御姿を現された話を,この課でさらに詳しく研究した方が生徒のためになるようであれば,「マタイ28章;ルカ24章;ヨハネ 20章」の課の補足学習活動「エマオへの道」を行うとよいでしょう。

ルカ24:36-48 を読み,イエスの弟子たちが集まって,復活された救い主が御姿を現されたことについて話し合っていたときに起こったことを,調べてください。

また,ChurchofJesusChrist.orgにあるビデオ「よみがえり,使徒たちの前に御姿を現される主」(2:19)を見てもよいでしょう。

2:18
  • この聖句に記されている,救い主が弟子たちに語られた言葉の中で,あなたの心に残ったものはどれですか。

次のような質問もするといいかもしれません:弟子たちに伝えようとしていたことを語る前に,御自分を見たり,御自分に触れたりするよう救い主が弟子たちを招かれたのは,なぜだと思いますか。この経験から,主の弟子たちはどのようなことを感じたり,学んだりしていたと思いますか。

  • 救い主が弟子たちに言われた最初の言葉が「やすかれ」であったのは( ルカ24:36 ),なぜだと思いますか。

  • 救い主がどのような御方であって,御自分の弟子たちにどのようなことを理解してほしいと望んでおられることが,この聖句から分かるでしょうか。

救い主の復活をさらによく理解する

この聖句から学べる一つの真理は,イエス・キリストは骨と肉から成る復活した体をお持ちであるということです。

  • 復活するとは,どういう意味でしょうか。

復活するとはどういう意味か生徒がなかなか定義できない場合は,以下の定義を分かち合うとよいでしょう。

復活,すなわち「死後,霊体と骨肉の体が再び結合すること」がわたしたち一人一人に可能であるのは,イエス・キリストのおかげです(『聖句ガイド』「 復活 」の項,scriptures.ChurchofJesusChrist.org)。救い主はその贖罪と復活を通して,わたしたち一人一人が主とともに生き,主のようになることを可能にしてくださいました。

救い主の復活や,自分の人生にそれがどんな意味を持つのかについて疑問があれば,それについて深く考えてください。例えば,救い主の復活の教義について,あなたには以下のような疑問があるかもしれません。そのような疑問を学習帳に箇条書きにするとよいでしょう:

  • イエス・キリストが骨と肉から成る体を持っておられることは,なぜ重要なのか。

  • 救い主の復活はわたしの人生にどのような意味があるのか。

疑問を持つことの大切さを生徒に理解してもらうために,次のような補足質問をしてください:「その疑問の答えが分かったら,あなたはどう変わるでしょうか。」「時間を取って,深く考え,疑問を書き出すと,あなたの学習はどう変わってくるでしょうか。」「この疑問を持つと,あなたとイエス・キリストとの関係はどう変わってくるでしょうか。」

これらの疑問の答えを見つける方法を工夫するよう,生徒に勧めてください。例えば,疑問に思っていることをクイズのように書き,ほかの生徒と交換して答えを見つけ合うようにするといいかもしれません。

疑問の答えを見つけるには,主の預言者や使徒たちの教えを調べるという方法もあります。十二使徒定員会のD トッド・クリストファーソン長老の教えを挙げます。自分の疑問の答えを考えながら,この言葉をよく読みましょう。また,主の聖任された僕たちの言葉で,ほかにも助けになるものがあれば,それを読んでも構いません:

15:42
Portrait of Elder D. Todd Christofferson. Photographed in March 2020.

「ナザレのイエスの真の姿および人生にかかわる哲学的な議論や疑問を最終的に解明するうえで,復活の持つ意義について,少しの間考えてみてください。もしイエスがほんとうに文字どおり復活されたのであれば,疑いもなく,主は神なる御方であるということになります。普通の人間なら,死んだ後に自分の中に再び生きる力を持つことはありません。イエスは,復活されたのですから,単なる大工ではなく,ただの教師や律法学者,預言者であったはずもありません。イエスは復活されたのですから,神であり,御父の独り子でなければなりませんでした。

それゆえ,主が教えられたことは真実です。神はうそをつくことがおできになりません。

それゆえ,御自身が言われたように,主は地球の創造主です。

それゆえ,主が教えられたように,天と地獄は実在します。

それゆえ,主が亡くなった後に訪れられた霊界も存在します。

それゆえ,天使が告げたように,主は再び来られて,『自ら地上を統治される』〔 信仰箇条1:10 〕でしょう。

それゆえ,すべての人に復活と最後の裁きとがあるのです。」

D・トッド・クリストファーソン「イエス・キリストの復活『リアホナ』2014年5月号,113参照)

時間があれば,次の質問に答える準備として,ビデオ「イエスは生きておられます—復活祭を祝いましょう。イエス・キリストは生きておられるのです」(2:26)を見るとよいでしょう。このビデオはChurchofJesusChrist.orgにあります。

2:25
  • この課の初めに書いた質問への答えに,どのようなことを付け加えたいと思いますか。

  • この教えについてよく知らない人に,復活とは何かをどのように説明しますか。

  • 救い主の復活が理解できるようになると,イエス・キリストに対するあなたの感謝の気持ちと愛は,どのように変わってくるでしょうか。

学習しながら学んだことや感じたことを,気兼ねなく話してくれる生徒に発表してもらうとよいでしょう。そして,救い主の復活と,それが今日のわたしたちの生活に及ぼす影響について証を述べて,レッスンを終えます。

注釈と背景情報

イエス・キリストの復活は,なぜわたしにとって重要なのか

大管長会のダリン・H・オークス管長は,「救い主はわたしたちのために何をしてくださったのでしょうか」という話の中で, 救い主の復活がわたしたち一人一人にどのような影響を及ぼすかを教えています(『リアホナ』2021年5月号,75-77)。

12:44

補足学習活動

モルモン書の教え

復活についてさらによく理解するのにモルモン書が果たす重要な役割を,強調するとよいでしょう。生徒に,復活について学べることを探しながら,以下のような聖句を調べてもらいます— モーサヤ15:19-20モーサヤ16:7-9アルマ11:40-44モルモン9:13 。見つけたことを生徒に発表してもらい,復活についてモルモン書という賜物がなければ知ることができなかったであろう事柄を強調するとよいでしょう。