セミナリー
マタイ11:28-30


マタイ11:28-30

「あなたがたを休ませてあげよう」

Depiction of Jesus embracing Mary and Martha.

救い主は地上で教導の業を行っておられたとき,より高い福音の律法を教え,病人を癒されました。御自身とその教えに反対する人たちが山ほどいるにもかかわらず,悪事を責め,主のもとに来るすべての人を休ませると約束されました。この課を学ぶと,つらい試練や重荷があっても主が助けてくださると固く信じられるようになります。

生徒の準備:救い主がどのように平安や慰めを与えてくださったかを,家族や友人に聞いてきてもらいます。

学習活動案

自分の重荷と試練

次の活動は,ホワイトボードを使ってクラス全体で行うこともできますし,生徒に各自描いてもらってもかまいません:

10代の若者を表す棒人間を描きます。棒人間の背中にリュックサックを描き,現代の10代の若者が背負っている重荷やストレスを表します。リュックサックの中,上,または周りに,具体的な重荷やストレスを5つ以上書いてください。

生徒に自分が描いたものを発表してもらいます。

Stick man carrying a backpack.

生徒に,目を閉じて,次の質問の答えを考えてもらいます:

  • 自分が重荷やストレスを感じる事柄にどの程度対処できていると思うかを,1から5の5段階(1=非常にうまく対処できている,5=うまく対処できていない)で評価してください。

まだ天の御父に助けを求めていない人は,現在のしかかっている具体的な重荷に対処するのに役立つ原則を見つけることができるよう,今時間を取って助けを求めてください。 マタイ11:28-30 を読み,重荷に苦しんでいる人の助けになるような救い主の教えを探してください。

次の質問に対する生徒の回答を,ホワイトボードに描いた棒人間の近くに書くといいかもしれません:

  • どのような真理が見つかりましたか。

  • その真理は,つらい状況にある人にとってどのような助けになるでしょうか。

生徒は別の言い方をするかもしれませんが,「イエス・キリストのもとに来るならば,イエスは重荷を負いやすくし,休ませてくださる」ということを必ず理解してもらってください。学んだことについて質問がないか,生徒に尋ねます。

「補足学習活動」の項には,マタイ11:28-30の聖句について生徒が学習するのに役立つ別の方法があります。

「わたしのくびきを負うて」

聖文の中の言葉や言い回しには,分かりにくいものもあります。言葉や言い回しの意味を知ると,救い主がわたしたちに何を知ってほしいと望んでおられるのかが分かるようになることがあります。「わたしのくびきを負う」という言葉で( マタイ11:29 )これを練習してください。

この言葉についてすでに知っていることを生徒に発表してもらうために,次の質問をします:「くびきとは何ですか。」「イエス・キリストのくびきとは何ですか。」「わたしたちはイエス・キリストのくびきをどのようにして負いますか。」

次の情報の一部またはすべてを引用して,生徒の理解の一助としてください。

次の画像を見せます。

Harvest time, Gujarat, India

「くびき」とは「複数の家畜や人間の首に固定して,一緒に決まった仕事をさせるための道具」です(『聖句ガイド』「 くびき 」の項,scriptures.ChurchofJesusChrist.org)。この写真の動物はくびきをかけられています。

七十人のエドワード・デュベ長老は,次のような経験を紹介しました:

Official Portrait of Elder Edward Dube. Photographed March 2017.

「2015年12月,ジンバブエのマジバでナウメ〔わたしの妻〕とわたしは,2頭の牛に引かせたすきで畑を耕している男性を見ました。驚いたことに,片方はとても大きな牛で,もう片方が小さな牛です。不思議に思ったわたしは『なぜ体格の違う2頭にくびきをつけて耕しているのだろうか』と疑問を口にしてしまいました。

すると,近くにいたナウメの母がくびきを指さしたのです。よく見ると,くびきと牛をつなぐロープが見えました。大きな牛が全重量を引っ張り,小さな牛は耕し方を覚えるよう仕込まれているところだったのです。」

Edward Dube,Learn of Me,” Liahona, Oct. 2020, Africa Southeast Local Pages, ChurchofJesusChrist.org

  • 救い主とわたしたちの関係は,この大きな牛と小さな牛の関係にどのような点が似ているでしょうか。

  • くびきの意味が分かると,キリストが自分のことをどう思っておられるかについて,どのようなことが理解できるようになりますか。

十二使徒定員会のデビッド・A・ベドナー長老は,次のように述べています:

Official Portrait of Elder Edward Dube. Photographed March 2017.

「聖約を交わし守ることにより,人は主イエス・キリストとつながります。」

(デビッド・A・ベドナー「容易に重荷に耐えられるように『リアホナ』2014年5月号,88)

  • 聖約を交わして守ると,わたしたちは救い主とどうつながると思いますか。

デュベ長老は次のように説明しています:

Official Portrait of Elder Edward Dube. Photographed March 2017.

「わたしたちがイエス・キリストと同じくびきを負うとき,キリストが重荷を負われ,わたしたちは労働の喜びをキリストとともに味わいます。主について学びなさいという主の招きは,平安と喜びをもたらし,苦悩する心に答えを与えてくださる唯一の確かな源なのです。」

Edward Dube,Learn of Me,” Liahona, Oct. 2020, Africa Southeast Local Pages, ChurchofJesusChrist.org

  • 今年イエス・キリストについて学んできたことは,重荷を負い,平安と喜びを得るうえでどのような助けになりましたか。

ホワイトボードに,これから行う活動のタイトルを掲示します。クラス全体でどちらの言葉を学びたいかを生徒に聞くとよいでしょう。あるいは,生徒に活動を一つ選んでもらって,個人または二人一組か少人数のグループで学習してもらってもいいかもしれません。活動の指示を掲示して,生徒が学習しながら参照できるようにしてください。

キリストのもとに来て,キリストの休みを頂く

活動A:「わたしのもとにきなさい」( マタイ11:28 )わたしはどうすればイエス・キリストのもとに来ることができるか

救い主の助けと休みを頂くためには,救い主のもとに来なければなりません。

  • キリストにもとに来ることの意味を聞かれたら,何と答えますか。

十二使徒定員会のリチャード・G・スコット長老(1928-2015年)は,キリストにもとに来ることのできる幾つかの方法について,次のように述べています:

Official Portrait of Elder Edward Dube. Photographed March 2017.

「たゆまず朝晩祈り,日々聖文を研究し,毎週家庭の夕べを開き,定期的に神殿に参入するとき,わたしたちは『わたしのもとに来なさい』という主の招きに積極的に応じていることになります。」

(リチャード・G・スコット「信仰を行使することを最優先とする『リアホナ』2014年11月号,94)

ビデオ「キリストのもとに来なさい-2014年のテーマソング」(4:48)で,人が救い主のもとに来ることのできる方法の例を見てもらってもいいかもしれません。このビデオはChurchofJesusChrist.orgにあります。

4:48
  • イエス・キリストに近づくために,あなたはこれまでにどのようなことをしてきましたか。(これには,聖約を交わして守ってきたことも含まれます。)

  • 完全にキリストのもとに来て主の聖なる助けを得るために自分にできることには,どのようなことがあると思いますか。

活動B:「あなたがたを休ませてあげよう」( マタイ11:28 )キリストはどのようにしてわたしの重荷を軽くしてくださるか

救い主が重荷を軽くしてくださるという感動的な模範が,モルモン書に記されています。アルマと彼の民は捕らえられ,強制的に働かされ,ひどい迫害を受けていました。

モーサヤ24:12-16 を読んでください。ビデオ「だい17しょう: のがれるアルマのたみ」(タイムコード0:01-1:29)を視聴してもよいでしょう。このビデオはChurchofJesusChrist.orgにあります。

2:10
  • 重荷を負えるよう,救い主がどのように助けてくださることが分かりましたか。

  • アルマの民は救い主の助けを受けるために何をしましたか。

  • 救い主に助けを求めるときに何をしなければならないかが分かっていると,試練に遭っている人にとってどのような助けになるでしょうか。

自分自身や知っている人が経験したことについて考えて,救い主が重荷を軽くしてくださったときのことを記録してください。その際に,救い主に助けを求めるために何をしたか,主がどのように助けてくださったかは必ず入れてください。

生徒が選んだ活動を終えたら,覚えておきたいことを発表してもらいます。困っているときに救い主がどのように助けてくださったかという証を,教師が述べるといいかもしれません。または,生徒に証してもらってもかまいません。

注釈と背景情報

イエス・キリストは御自分のもとに来るわたしたちをどのようにして助けてくださるか

七十人のジョン A・マキューン長老は,わたしたちがイエス・キリストのもとに来るときに得られる幾つかの祝福について説明しています:

Official portrait of John A. McCune. Sustained April 6, 2019 as a General Authority Seventy.

「『わたしのもとにきなさい』という救い主の招きを受け入れるとき,……主は必要な支援と慰め,そして平安をお与えになります。最もつらい試練の只中でさえ,わたしたちが主を信頼し御心を受け入れるとき,主の愛の温かな慰めを感じることができるのです。」

(ジョン・A・マキューン「キリストのもとに来る-末日聖徒として生きる『リアホナ』2020年5月号,36)

ビデオ“Living with Depression(うつ病とともに生きる)”(3:13)は,困難な試練から解放されないときも,イエス・キリストがどのようにわたしたちを助けてくださるかという例を示しています。

3:13

補足学習活動

別の学習活動

この活動はこの課の冒頭で行うことができます。空の箱またはリュックサックと,その中に入れる重いもの(大きな石や本など)をクラスに持参します。一人の生徒に前に来てもらい,空の箱を持つか,またはバックパックを背負ってもらいます。ほかの生徒には,この課の冒頭で問いかけた質問に答えてもらいます。もう一人の生徒に,みんなの答えをホワイトボードに書いてもらいましょう。答えるごとに,箱またはリュックサックがいっぱいになるまで重いものを詰めていきます。

マタイ11:28-30 に出てくる言い回しを理解する

生徒に マタイ11:28-30 を読んでもらい,印象に残った短い言葉を見つけて,印をつけてもらいます。例えば,「わたしのもとにきなさい」,「あなたがたを休ませてあげよう」,「あなたがたの魂に休みが与えられるであろう」,「わたしに学びなさい」,「柔和で心のへりくだった者」などです。

生徒に言葉を一つ選び,自分の言葉で書いてもらいます。その言葉の意味を理解するのに役に立つ参照聖句を見つけてもらいます。例えば,『聖句ガイド』で来る安息柔和などの言葉を調べるとよいでしょう。分かったことと,それが重荷に苦しんでいる人にとってどのような助けになるかを生徒に発表してもらいます。