マタイ3:13-17,第1部
イエス・キリストは,バプテスマのヨハネからバプテスマを受けられた
イエス・キリストはバプテスマのヨハネのところに来て,バプテスマを受けようとされました。この課は,イエス・キリストの福音におけるバプテスマの大切さを理解し,説明するうえで助けになります。
学習活動案
バプテスマの大切さ
あなたの好きな人たちで,末日聖徒イエス・キリスト教会の会員ではない人たちのことを思い浮かべてください。そのうちの一人が宣教師からレッスンを受けているとします。あなたはどう感じますか。バプテスマの大切さを説明してほしいと宣教師に頼まれたとして,愛する人にこの重要な一歩を踏み出してもらうためにはどう説明したらよいか,考えましょう。
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バプテスマの大切さを説明して,愛する人にバプテスマを受ける気になってもらうことができると思うかどうかを,1から10の10段階(1 =できるとは思わない,10 = できる自信が十分にある)で評価してください。
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バプテスマの大切さを説明できるようにするために,バプテスマについてもっとどのようなことを知らなければならないと思いますか。
今日のレッスンでは,バプテスマの教義を学び,そのテーマに関する様々な質問に取り組んでもらいます。また,学んだことを説明する練習もできます。
イエス・キリストは,道を示すためにバプテスマを受けられた
イエスはバプテスマのヨハネからバプテスマを受けるために,ガリラヤからベタニヤまで,恐らく歩いて行かれました( マタイ3:13 ; ヨハネ1:28 ; 1ニーファイ10:9 参照)。ヨハネはアロン神権の鍵を持っていて,ヨルダン川で人々にバプテスマを施していました(『聖句ガイド』「 ヨハネ(バプテスマの) 」の項,scriptures.ChurchofJesusChrist.org参照)。地図の縮尺の一つを使い,救い主が移動された距離を見積もります。
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ヨハネからバプテスマを受けるためにこれほどの努力を救い主がされたことから,主とバプテスマについてどのようなことが分かるでしょうか。
マタイ3:13-17 を読み,救い主がバプテスマを受けておられる場に自分がいると想像しましょう。救い主とバプテスマについて,覚えておくべき大切な事柄は何でしょうか。また,ChurchofJesusChrist.orgでビデオ「イエスのバプテスマ」(2:54)を視聴し,自分の聖典を読んでもよいでしょう。
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もし自分が救い主のバプテスマに立ち会っていたとしたら,その経験から何を覚えておきたいですか。
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救い主とバプテスマについて何を学んだと思いますか。
イエス・キリストのバプテスマについて,何を伝えれば友人や家族のためになるか,考えてください。
友人や家族がバプテスマについてどのような疑問を持っているか考えてもよいでしょう。幾つかの質問の答えが マタイ3章 を読むと分かるかもしれません。それに加えて,モルモン書は霊感によって書かれた資料であり,多くの真理を明らかにしてくれます。次の質問は,バプテスマの大切さを理解していない人が抱く疑問の例です。友人や家族が抱きそうな疑問を一つ選んでください。次に,関連する聖句をモルモン書で調べて,その聖句がその質問に答えるのにどう役立つか,考えましょう。
次の質問と参照聖句をホワイトボードに書きましょう:
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イエスはバプテスマを受けられましたが,わたしはバプテスマを受ける必要がありますか。それはなぜですか( 2ニーファイ9:21,23-24 ; 2ニーファイ31:5,10-11 参照)。
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なぜ,わたしはバプテスマを受けなければならないのでしょうか。バプテスマを受けるとどのような祝福がありますか( 2ニーファイ31:12-13,17-18 参照)。
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イエス・キリストはバプテスマを受けるためにバプテスマのヨハネのところに行かれましたが,わたしにバプテスマを施せるのは,どのような人ですか( 3ニーファイ11:19-22 参照)。
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イエスはヨルダン川でバプテスマを受け,水から上がられました。バプテスマを受けるには水に完全に沈められなければならないのですか。それとも,別の方法があるのでしょうか( 2 ニーファイ31:13 ; 3二ーファイ11:23-26 参照)。
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わたしが罪から清められるためにバプテスマを受けるのなら,なぜイエスはバプテスマを受けられたのですか。イエスには罪がなかったのではありませんか( 2ニーファイ31:5-11 参照)。
マタイ3:13-17 とモルモン書から学んだことを基にして,家族や友人にバプテスマの大切さをどのように説明するかを書いてください。
そうするよう霊感を受けたら,バプテスマを受けて末日聖徒イエス・キリスト教会の会員になっていない友人や家族に,バプテスマのことを説明したらどうでしょうか。その説明をすでにバプテスマを受けた人にするのも,いいことかもしれません。
注釈と背景情報
マタイ3:13
イエスはなぜ,バプテスマを受けるためにヨハネのところに行かれたのか。
ジョセフ・スミスは,バプテスマのヨハネが持っていた権能について,次のように説明しています:
「当時ヨハネは地上に存在していた王国の諸事において,律法に基づく唯一の管理者であり,力の鍵を持つ人物でした。ユダヤ人は,彼ら自身の律法によって,ヨハネの指示に従わなければならず,そうでなければ罰の定めを受けなければなりませんでした。……このザカリヤの息子は,聖なる油注ぎと天の定めによって,鍵と王国と力と栄光をユダヤ人から奪い取ったので……す。」
(『歴代大管長の教え—ジョセフ・スミス』81-82。 教義と聖約84:23-28 も参照)
バプテスマが不可欠だということはどうして分かるのか。
救い主は,神の王国に入るためにはバプテスマを受けなければならないとニコデモに告げ,バプテスマは不可欠だと教えられました(ヨハネ 3:5 参照)。預言者ジョセフ・スミスも,バプテスマは救いに不可欠だと教えています:
「すべての罪を悔い改め,罪の赦しのために水の中で,御父と御子と聖霊の御名によってバプテスマを受けてください。そして神の聖なる御霊を受けられるように,この力を持つように聖任され結び固められている者から按手の儀式を受けてください。これは聖書やモルモン書と一致しており,人が日の栄えの王国に入ることのできる唯一の方法です。」
(『歴代大管長の教え―ジョセフ・スミス』154)
モルモン書は,聖書で教えられているバプテスマの教義のどのような点を明確にできるか
七十人会長会のタッド・R・カリスター長老は次のように教えています:
「さらにまた,モルモン書は,『主は一つ,信仰は一つ,バプテスマは一つ』だけであるように,聖書の中で教えられている教義を確認し,明確にし,統一する証の役割を果たしています。……
偉大な模範者である救い主がバプテスマをお受けになった方法が聖書に述べられているにもかかわらず,今日の世には様々な方法によるバプテスマが存在しています。『イエスはバプテスマを受けるとすぐ,水から上がられた。』( マタイ3:16 )イエスはまず水の中に降りて行くことなく,水から出て来ることがおできになったでしょうか。この件に関して不一致がないように,モルモン書はバプテスマの適切な方法に関する教義を次のような簡潔な言葉で述べてそれを一掃しています。 『あなたがたはその人を水中に沈め……なさい。』( 3ニーファイ11:26 )」
(タッド・R・カリスター「モルモン書―神からの書物」『リアホナ』2011年11月号,75-76)