はじめに
教会がこのガイドブックを作成した目的は,神権指導者と補助組織指導者が召しに関する責任とそれを果たす方法とを学べるようにするためです。教会のすべての指導者と会員は,教会の使命が達成されるように援助する責任があります。その使命とは,「キリストのもとに来」る(モロナイ10:32)ようにすべての人を招くことです。この使命を達成するために,指導者は会員が次の事柄を行えるように援助します。
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あらゆる国民,部族,国語の民,民族にイエス・キリストの福音を宣言する。御霊に促されるままに証を述べることにより,福音を分かち合う。
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聖徒を全き者とする。新しい改宗者が教会で友人をつくり,責任を受け,神の言葉で養われることによって,教会の中で成長できるように助ける。儀式を受け,福音の聖約を交わし,約束した戒めを守るために努力し,同胞に仕え,貧しい人や困っている人の世話をし,聖徒の共同体を築くために互いに親しく交わる。
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死者を
贖 う。家族の昇栄に備えるために自分にできる範囲で,亡くなった先祖を探し出し,神殿で身代わりの儀式を行う。
福音を分かち合う
主は教会員に,福音を分かち合うよう求めておられます。指導者は自らそれを実践し,同じことを行うように他の会員たちを励まし,霊的に鼓舞すべきです。福音を分かち合うには,次のような方法があります。
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福音の原則に従って生活し,善い模範を示す。
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福音について,また福音が人々の生活にもたらす祝福について,友人や家族に話す。
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地方部宣教師や専任宣教師を助ける。
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福音を人々に紹介するための活動やプログラムを計画する。
福音を宣べ伝えるもう一つの方法は,会員たちに伝道に出る備えをさせることです。指導者は,伝道の準備をするように青少年を助け,子供を伝道に備えるように両親を励まし,退職した夫婦に伝道を奨励することができます。さらに会員たちに,自分の伝道資金を蓄え,宣教師を経済的に支援するように助言できます。
支部長の指示の下に,支部伝道主任(召されている場合)は支部における伝道活動を調整します。
聖徒を全き者とする
聖徒を全き者とすることには,昇栄に備えて日々福音に従って生活するように各会員を励まし,助けることが含まれます。これには霊的な面と物質的な面の両方があります。
霊的な備え
指導者は,会員の霊的な強さを増し加える方法を知るために,霊感を求めて絶えず祈る必要があります。指導者は福音を教え,それに従って生活するように勧めることによって,会員の霊的な備えを助けることができます。また,祈りや断食,
聖徒を全き者とする業では,個人と家族に焦点を当てます。教会は家族と家庭を強め,支援します。家庭は,福音を教えて指導を行う最も大切な場所です。指導者は,家庭で互いに愛し合い,仕え合うように家族一人一人を励まします。また,子供を教え,定期的に家庭の夕べを開く責任が両親にあることを強調します。
教会のすべての会員は,神殿の祝福を受けるために備えるべきです。これを行うための会員の責任については,『家族ガイドブック』(31180 300)に説明されています。指導者は神殿について教えることにより,神殿の祝福を受ける備えを助けることができます。また指導者は,会員が神殿推薦状を受け,常に有効な推薦状を所持し,妥当な地域では,神殿のエンダウメントと結び固めの儀式を受けられるように,ふさわしく生活することを奨励する必要があります。ふさわしい人とは,バプテスマの聖約のように,主と聖約を交わし,それを守るために勤勉に努力している人のことです。
物質的な備え
指導者は,自立と予期せぬ事態への備えについて教えることにより,物質的な必要を満たす備えができるように会員を助けることができます。また,什分の一の律法と断食の律法を守るように教え,収入の範囲内で生活するように勧め,ホームティーチャーや訪問教師を割り当てて会員を見守り,助けることができます。
指導者は,支部の貧しい人や困っている人を探して助けを与え,支部の会員にも同じことを行うように教えます。
会員が物質的な必要を満たす方法については,『家族ガイドブック』を参照してください。
神殿の儀式と家族歴史
会員は自身の神殿儀式を受けることに加えて,自分の先祖を探求して身代わりの神殿儀式を執行することにより,死者を贖う業を助けることができます。まず,自分の直系4代の先祖に努力を集中します。指導者は,死者の贖いに関する教義を教え,神殿活動のために名前を提出するように励まし,自分の先祖や他の死者のために,可能であれば,神殿の儀式を行うように勧めます。そうすることによって,指導者は会員を助けることができるのです。