「学習者がイエス・キリストの教義との個人的な関連性を見いだせるよう助ける」『教師養成スキル:教義を教える』(2023年)
「学習者がイエス・キリストの教義との個人的な関連性を見いだせるよう助ける」『教師養成スキル:教義を教える』
キリストのような教え方の原則:教義を教える
学習者がイエス・キリストの教義との個人的な関連性を見いだせるよう助ける。
スキル
生徒が聖句ブロックに自分に当てはまる点を見いだす助けとなる招きや促しを準備する。
定義する
生徒は,学んでいる事柄が自分の状況においてどのように有意義で有益であるかを考えるときに,聖文の中に自分に当てはまる点を見いだすことができます。この過程で教師が生徒を助ける方法の一つとして,以下を含む招きや促しを準備することが挙げられます。
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生徒が現在の生活状況について考える機会。
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生徒が聖句を読む時間。
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生徒が自分の状況と読んでいる聖文の中に出てくる人の状況との類似点を見つけるのに役立つ促し。例えば,「わたしの経験は……という点でペテロの経験と似ています。」
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聖文の登場人物の信仰を伴う行動が,今日の自分をどのように信仰を伴う行動に駆り立ててくれるか,生徒が深く考える機会。
これを実践することで,生徒は聖文から学ぶ方法を知り,聖霊の助けを受けて自分に当てはまる点を見いだすことができるようになります。
以下のモデルと練習は一般的な例です。モデルや練習の機会を,次に扱う教科課程のレッスンと結びつけると,訓練の効果が高まります。
モデル
ウィリアムズ姉妹は,使徒4-5章のレッスンを準備する際に,計画の中に次の事柄を含めます。
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生徒に次の質問をする:「あなたが今の生活の中で,助けが欲しいと感じることは何ですか。」
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生徒に次の言葉を読んで,答えてもらう:「使徒4:1-13を読みながら,次の文を完成させる準備をしてください。『わたしの人生は……という点で,ペテロとヨハネの生活に似ている。』」
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生徒に次の質問をする:「ペテロとヨハネの言動から,あなたの助けとなることとして何が学べるでしょうか。」
ここをクリックして,このモデルのビデオを御覧ください。
練習する
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今週のレッスンで生徒が自分に当てはまる点を見いだすのに役立つ招きや促しを準備します。あなたの招きや促しを友人や家族,同僚と共有し,フィードバックを求めてください。
話し合う,または深く考える
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このような招きや促しをレッスンに組み込むことは,生徒が自分に当てはまる点を見いだすうえでどのように役立つでしょうか。
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このような招きや促しは,学習体験をどのようにより良いものとしてくれるでしょうか。
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生徒が聖文に自分に当てはまる点を見いだせるように助ける方法には,ほかにどのようなものがあるでしょうか。
取り入れる
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あなたが教える福音の教義と原則に対し,生徒が自分に当てはまる点を見いだす助けとなるような招きや促しを考える練習をするための計画を立ててください。
さらに深く知る
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チャド・H・ウェッブ「ここまで来たのは,ただここまで来るためではない」(宗教教育セミナリー・インスティテュート年次訓練放送,2020年6月9日)broadcasts.ChurchofJesusChrist.org
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「パネルディスカッション」(宗教教育セミナリー・インスティテュート年次訓練放送,2020年6月9日)broadcasts.ChurchofJesusChrist.org
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「霊感された話し合いを導く」『救い主の方法で教える』(2016年),31-34
スキル
学習活動を始めるに当たり,生徒に自分の状況について深く考えてもらう。
定義する
J・ルーベン・クラーク・ジュニア管長は,『教育に関する教会の指針』の中で,生徒たちは過去に霊的な経験をしていると証しています。「もう一度申し上げます。皆さんのセミナリーやインスティテュートにやって来る青少年はほとんど,自分が霊的な祝福を受けていることをよく知っています。」生徒に聖句を読んでもらう前に,これから学ぼうとしている真理について経験したことがあるか深く考えてもらいます。教師は分かち合うよう生徒を招くことはできますが,必ずしも生徒に自分の考えを発表してもらう必要はありません。そうすることで,学習活動の初めに,自分に当てはまる点を聖霊に示していただく機会が生まれます。
以下のモデルと練習は一般的な例です。モデルや練習の機会を,次に扱う教科課程のレッスンと結びつけると,訓練の効果が高まります。
モデル
以下は,祈りに焦点を当てたレッスンの冒頭に尋ねるとよい質問です。
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どのような経験から,祈りの大切さについて学びましたか。
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祈りに関するあなたの経験から,クラスメートに何を理解してほしいと思いますか。
田中姉妹はレッスンの冒頭で次のように言いました。「今日はアルマ36章とアルマの悔い改めについて話します。その前に,次の質問について深く考えてください。『悔い改めについてどのようなことを知っていますか。』」
練習する
以下の事柄について教えている場合,生徒が個人的な経験について深く考えられるよう,どのような質問をするとよいでしょうか。
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教育についてのレッスン。
次のレッスンのために,教える予定の聖句ブロックに含まれる教義上の原則や真理にまつわる個人的な状況について生徒に深く考えさせる質問を書き留めてください。
話し合う,または深く考える
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練習をしてみて,生徒にその聖句ブロックに関連する個人的な状況について,クラスの冒頭で深く考えてもらうことはなぜ大切だと思いますか。
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クラスの冒頭で,自分の状況について深く考えるように生徒を招く際,ほかにどのような原則を考慮に入れるとよいでしょうか。
取り入れる
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これから数週間,教える予定の聖句ブロックに含まれる教義的な真理や原則にまつわる経験について生徒が深く考えられるような質問を,クラスの始めにするとよいでしょう。
さらに深く知る
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J・ルーベン・クラーク・ジュニア,『教育に関する教会の指針』,改訂版(小冊子,1994年。1993年8月8日に行われた,教会教育システムの宗教教育者を対象にした説教),福音ライブラリー