「第18課 クラス用準備資料—物質的に必要なものを提供する」『永遠の家族 教師用資料』
「第18課 クラス用準備資料」『永遠の家族 教師用資料』
第18課 クラス用準備資料
物質的に必要なものを提供する
主は,わたしたちの物質的,あるいは物理的な福利を気にかけておられます。主は,霊的にも成長できる方法で,あなたが自分自身と家族に物質的に必要なものを提供するうえで助けとなる真理を明らかにされています。この資料を研究する際,これらの真理をさらに良く応用することができる方法を考えてください。
セクション1
物質的に必要なものを家族に提供するうえで,わたしにはどのような責任があるでしょうか。
イエス・キリストの教会が回復された後間もなく,主は物質的な事柄に関する教会員の責任の幾つかを明らかにされました。
末日の預言者を通して,主は次のように改めて明言しておられます。「両親には,愛と義をもって子供たちを育て,物質的にも霊的にも必要なものを与え〔る〕……という神聖な義務があります。」(「家族—世界への宣言」,ChurchofJesusChrist.org)
子供たちに物質的に必要なものを与えるというこの義務を果たすには,親は自立することを学ばなければなりません。自立は福音の基本原則です。それは「必要を満たす能力……,決意……,努力」です(『主の道にかないて助けをなす—福祉に関する指導者用ガイド要約』1)。
十二使徒定員会のロバート・D・ヘイルズ長老は,自立について次の原則を教えています:
自立とは,自分の霊的・物質的な福利に関する責任,さらに天の御父から託された人々に対する責任を果たすことです。自立して初めて,真に救い主に倣って人に奉仕し,祝福をもたらすことができるのです。
自立は目的を果たすための手段であることを理解することが大切です。わたしたちの究極の目的は救い主のようになることです。そして,ほかの人々への無私の奉仕によってその目標に近づくことができるのです。わたしたちの奉仕する能力は,自立の度合いによって,増したり,弱まったりします。(“A Gospel Vision of Welfare: Faith in Action,” in Basic Principles of Welfare and Self-Reliance [worldwide leadership training meeting, 2009], 1–2; see also ChurchofJesusChrist.org)
自立に関する指示に従うことの大切さについて考えてください。
自立すると,あなたは神から授かった祝福と能力を使って,自分自身と自分の家族を養い,自分の問題については自分で解決策を見つけられるようになります。自立とはあらゆることを自分一人の力で処理できるという意味ではありません。真の意味で自立するには,人々とともに働くと同時に,主に頼り主の助けと力を求めることができるようにならなければなりません。(『若人の強さのために』41)
スペンサー・W・キンボール大管長は次のように教えています。「真の末日聖徒は,肉体的または情緒的に能力があるならば,自分自身や家族の福利に対する責任を自分の意志で他人に転嫁したりはしません。」(『歴代大管長の教え—スペンサー・W・キンボール』116。1テモテ5:8も参照。)自立するための努力において主が助けてくださることを知ってください。イエス・キリストは「〔主の〕摂理によって」,教会は物質的にも霊的にも「自立する」ことができると教えておられます(教義と聖約78:14)。同様に,救い主は「〔主の〕摂理によって」,あなたが自立し,自分自身と家族に必要なものを提供できるように助けてくださいます。
セクション2
わたしがさらに自立し,より良く家族を養ううえで,どのようなことが助けとなるでしょうか。
勤勉に働くという労働倫理は自立度を高め,家族に必要なものを提供するうえで不可欠です。アダムに始まり,天の御父は御自身の子供たちに働くように命じてこられました(モーセ4:25,29;2テサロニケ3:10-13参照)。一生懸命かつ勤勉に働くことは,神と神に従おうと努力する人々の特性です(2ニーファイ5:17;モーサヤ27:3-4参照)。
十二使徒定員会のD・トッド・クリストファーソン長老は,一生懸命働くことの大切さについて強調して,次のように教えています:
神はこの世の生涯を,常に努力しなければならないように造られました。……労働は,生活を支え,豊かにします。この死すべき世にあって,失意や悲劇を乗り越える力です。懸命に働いて得られる達成感は,自尊心になります。労働により人格が築かれ,磨かれ,美が創造されます。労働は同胞や神に奉仕する手段です。奉献された生活は労働にあふれ,繰り返しも多く,……感謝されることもないかもしれませんが,そのような労働には常に,高めること,志を抱くことが伴います。(「奉献された生活についての熟考」『リアホナ』2010年11月号,17)
この責任に加えて,両親は「〔子供たちに〕物質的も霊的にも必要なものを与え」,「神の計画により,父親は……自分の家族〔に〕生活必需品を提供〔する〕……責任があります。」(「家族—世界への宣言」)クリストファーソン長老は次のように述べて,父親になる準備をしている人々を励ましています:
学校で勤勉に学び,高等教育を受ける計画を立てることによって,今から備えをしてください。大学であろうと,専門学校や職業訓練などのプログラムであろうと,教育は将来必要となる技術や能力を身につける鍵です。(「父親」『リアホナ』2016年5月号,96)
教育を受ける努力をするようにという勧告は,イエス・キリストのすべての弟子にとって重要です。主はわたしたちに,「研究によって,また信仰によって学問を求めなさい」と教えておられます(教義と聖約88:118。教義と聖約90:15も参照)。この責任について,ラッセル・M・ネルソン大管長は次のように教えています:
個々人の中に潜む知性を神聖なものと考えるわたしたちの立場から,教育を受けることは宗教上の義務であるとわたしたちは考 えています。……造り主はその子供たちに,どこにあっても教育を受けるよう期待しておられます。(「知恵はどこにあるのか」『聖徒の道』1993年1月号,6参照)
教育がもたらす祝福の中で,家族に経済的に必要なものをより良く提供するうえで役立つこと以外の祝福について考えてください。教育を受けることは,個人が何かを達成するとともに,わたしたちが主の期待にこたえて,主からいただいた賜物と能力を伸ばし,活用する助けとなります(マタイ25:14-30参照)。教育を受けることは,わたしたちが人生の困難を切り抜ける能力を高めてくれます。また,人々に奉仕し,主の王国を築く能力を高めます。
トーマス・S・モンソン大管長は次のように教えています:
学習し学ぶことによって,皆さんの才能は伸びていきます。家族の勉強をさらに助けてあげられるようになります。そして,人生で遭遇するかもしれない出来事に対する備えができているという安心感を持つことができます。(「あなたを導く3つの目標」『リアホナ』2007年11月号,119参照)
場合によっては,死別や離婚,あるいはそのほかの酌量すべき事情のために,母親が家族を養わなければならない場合もあります(家族の宣言の第7段落参照)。また,家族の基本的な必要を満たすうえで両親が働く必要がある場合もあります。十二使徒定員会のM・ラッセル・バラード会長は,両親が働くことに関して決定をくだすうえで重要な忠告と助けとなる勧告を与えています:
今日の物質主義的な社会では,「もっと稼いで,もっと消費しよう」という風潮が非常に強くなっています。その結果,不幸にも,……第2の収入源を得るために,子育て中の妻が家の外で働くケースが増えています。生活必需品と欲しいものとは違うことを,夫,妻,子供が理解できるようになれば,家族の財政負担は軽くなり,母親が家にいられるようになります。家の外で働くべきかどうか決めるのは,複雑で難しいことですから,生ける預言者の勧告を心に留め,祈りを通して決める必要があります。(「親の神聖な責任」『リアホナ』2006年3月号,15。アルマ37:37も参照)。
セクション3
どのような財政原則が,わたしが家族に必要なものを提供するうえで導きとなるでしょうか。
地は主のものです(詩篇24:1参照)。主はわたしたちが物質的にも霊的にも必要なものを自分たちに提供できるよう,わたしたちに力と地のリソースを与えてくださっています(申命8:10,18;教義と聖約59:18-20参照)。主にとって,現世の律法も含めて,すべてのものは霊にかかわるものです(教義と聖約29:34参照)。主はお金と富を求め手に入れることにかかわる祝福と霊的な危険性を御存じです。主はわたしたちを個人として,また,家族として祝福し守ることができるように,わたしたちがこれらのリソースを管理するうえで助けとなる原則を明らかにしてくださっています。